なぜ好奇心が人生の分岐点になるのか、その秘密を探ってみました

仕事柄、毎日のように子供達といろいろな想定外のやり取りがよく起こります。以前、こんなことがありました。

長所と短所はいつもアンバランス、長所が勝ればいい

クラスが少人数のこともあって、先生がゆっくりと丁寧に教えていた時のことです。先生がおもむろに子供たちの目の前に車の模型を差し出し、その車について彼らがすでに知っている情報を確認することが目的という授業内容でした。ところが小さいころから車が大好きで車に関する知識が大人に勝るほど旺盛な一人の男の子がその模型に見とれてしまって、先生の説明を全く耳を貸そうとしません。それはきっと既に熟知している内容だったのでしょう。当然、彼の注意力散漫を先生は注意したのですが、私はむしろそれほど問題視しませんでした。

なぜなら、彼が持っている長所と欠点が同時に如実に表れているからです。知識欲が旺盛で好奇心が強く集中しやすいことが長所であり、先生から注意された注意力が欠けていることが欠点でもあります。しかし、これらの長所短所を比べると長所の方が若干勝るような気がします。言い換えれば、

むしろこの子は長所は短所に勝るではないですが、まだ安心して見ていられるのではないでしょうか。長所の内容の方が短所よりはるかに伸びる条件を備えているからです。

武器は使いこなさなければ宝の持ち腐れ

確かに受験生にとっては知識の量や成績の良さはそれ自体戦う武器と言えるでしょうがそれらは全てであるとは言えません。他にも武器として必要な要素や条件はあります。例え、優秀な武器を与えられても、実際それをうまく効率よく使いこなす知恵や技術がなければ宝の持ち腐れになります。つまり、使いこなしてこそ武器としての威力を発揮するのです。

受験生の実力として、ややもすれば結果にはっきりと見える成績だけに重点が置かれがちです。そして、受験の目標、特に合否の有効な目安にされることは事実ですが、そのために勉強さえがんばればいいというような短絡的な姿勢が生まれたと考えざるを得ません。例えれば、武器を丁寧に磨いたり調節しているだけのことにすぎません。磨き上げた武器を使いこなす技術、体力、判断力などが備わってこそ本当の実力と言えるのではないでしょうか。優れた武器を手にすればいつもではなくても100点を取れる時もあるでしょう。自分のペースで戦った結果というより偶然的な要素も影響したかもしれないのですから。

ムラのない結果は忍耐力があるから

本当の実力がある子は、結果的にブレることなくムラがないという特徴があります。だからと言って、もちろんいつも成功し続けるとも限りません。たまにはミスを生じて失敗することもあるでしょう。しかし、その程度のレベルのことは自分がみじめさを感じるような結果にはならないのです。なぜなら、彼らは耐えがたきを耐える忍耐力という実力を兼ね備えているからです。

積極性の根源は好奇心や集中力

先ほどの一人の男の子の話を続けますと、私はあえて彼の車の模型に対する好奇心や集中力を認めたいと思います。未知なる世界への憧れと新しい知識を得たいとする積極性があるからです。一方で、成績が良くても勉強以外の世界では元気がなくなり、いつも仲間と一緒で一人になりたがらない子もいます。自分が今まで経験したことがない、見たことない触ったことない世界を目の前にするとオロオロと不安でいっぱいになるのでしょう。

やるかやらないか、それは人生の分岐点になり得る

その場で、引き下がったままなのか、思いきってやってみるかではその後の人生にも大きく影響する分岐点にもなるほどです。大人になってからは、自分の生活をがらりと変えるようなこのような経験はそんなに何回もないと思われます。

子供たちは、短かい期間に何回も壁を乗り越えるという経験をしているのです。その度に、緊張しながら戦いに挑んでいくのです。こんな時、好奇心が弱く気が弱く自分を前に押し出せない子は果たしてプレッシャーに耐えられるでしょぅか。本来の力を十分発揮することは難しいと言えるのではないでしょぅか。すぐにでも周りの独特な緊張感漂う雰囲気にのみこまれてしまうでしょう。

親は子供の好奇心の妨げにならない言い方を工夫する

受験生を勉強するためだけの場所に押し込んではいけないのです。その子が前向きに未知の世界を知りたがるタイプであればその好奇心に水を差さないで欲しいものです。親としては、勉強以外の物に熱中したら勉強の妨げになると考えると思いますが、好きなことをやったら次は勉強するようにしたらいいんだよ、と教えてやって下さい。

このような親子のやり取りの積み重ねが、あの受験会場の緊張感一杯の中で子供たちの勇気を奮い起こす逞しい力へとつながるのです。好奇心の薄い子、熱中できるものがなく新鮮味を感じることが少なく、従って積極的になれない子は、自分が持っているはずの実力を発揮できることは難しいということを親ははっきりと認識する必要があります。

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