キレやすい子供を受け入れるための親の大切な心がけとは

 子どもが突然キレたり、些細なことで激しく怒ったりすると、親は「反抗期なのかな」と思うことがあります。しかし、反抗期とキレることは別の現象です。反抗期は子どもの成長の過程で一時的に起こるものですが、キレることは感情のコントロールができない状態です。キレることはストレスや生活習慣などに影響されます。

 子どもがキレるとき、親はどうすればいいのでしょうか?

 それでは、キレる子どもの心理とその背景を解説し、親ができる対処法をお伝えします。

感情や意志を抑え込んできた

 キレる子どもは、自分の感情や意志を素直に表現できない子どもです。親からの虐待や家庭環境の不安定さなどで、自分の気持ちを出すことができなかったり、親の期待に応えるために自分の本当の思いを隠したりしてきた子どもは、キレやすくなります。キレる子どもの心理は、感情と言動のギャップが大きいということです。

親に感情を否定された経験がある

 赤ちゃんの頃から親に感情を否定された経験があります。例えば、寂しくて泣いたときに、親が「うるさい!」と怒って拒絶したり、無視したりした場合、赤ちゃんは寂しさを表現することがダメだと学びます。赤ちゃんは親に愛されるために、寂しくても泣かないようにし、笑顔を見せるようになります。これは、真の感情を抑圧し、偽の感情や言動を作り出すことです。

親に意思を抑圧された経験がある

 小学生になっても親に意思を抑圧された経験があります。例えば、自分がやりたくない習い事を親に強制されたり、自分がやりたいことを親に否定されたりした場合、子どもは自分の意志を表現することができません。子どもは親に反発することができないため、自分の本当の思いを隠し、親の言うことに従うようになります。これも、真の意志を抑圧し、真意でない生活を送ることです。

抑圧された感情が爆発する

 抑圧された感情や真意でない生活にストレスを感じています。そのストレスが溜まりすぎると、あるとき限界に達し、一気に爆発します。そのとき、子どもはキレます。キレる子どもは、本当の感情や意志を出せなかった子ども、自分の気持ちを抑え、親に従順に従っていた、従わざるを得なかった子どもなのです。

キレる子どもに対する親の対処法

 子どもがキレるとき、親はどうすればいいのでしょうか?まずは、子どもの心理や背景を理解することが大切です。子どもは感情や意志を抑え込んできたため、キレることで自分を表現しようとしているのです。子どもの感情や意志を否定したり、叱ったりすると、子どもはさらにキレやすくなります。

 親は、子どもの感情や意志を受け入れ、尊重し、共感し、寄り添うことが必要です。具体的には、以下のような対処法があります。

●子どもがキレる前に、子どもの感情や意志を聞いてあげる。

●子どもの話をじっくり聞き、気持ちを理解し、共感する言葉をかける。

●子どもがキレたときに、子どもの感情や意志を否定しない。子どもの気持ちを認め、受け止める。子どもの言動には理由があると考える。

●子どもがキレたときに、子どもの安全を確保する。子どもが自分や他人に危害を加えないようにする。子どもが落ち着くまで見守る。

●子どもがキレたときに、子どもの感情や意志を尊重する。子どもの要求に応えられる場合は応える。応えられない場合は、その理由を説明し、代替案を提案する。

●子どもがキレた後に、子どもの感情や意志を共感する。子どもの気持ちを傷つけないようにする。子どもの感情や意志を尊重することを伝える。

キレる子どもにどう接する?親ができるステップと改善策

 子どもがキレると、親は困惑したり怒ったりしますが、子ども自身も苦しんでいます。キレる原因や心理状態を理解し、親ができる具体的な関わり方と改善策を紹介します。

ステップ1:子どもの感情を受け止める

 子どもがキレるのは、本当の自分の感情を親に認めてもらえなかった経験があるからです。だから、子どもが感情を表現した時は、どんなものでも一旦は受け止めてあげましょう。スキンシップをしながら話を聞いてあげると、子どもは安心感を感じます。

ステップ2:キレた時の感情を振り返らせる

 子どもが落ち着いた時に、「あの時どうしてあんなに怒ったの?」と聞いてみましょう。子どもの答えは人それぞれですが、否定せずに共感してあげましょう。「そうだね、悔しかったんだね」「辛かったんだね」「腹が立つよね」と子どもの言葉を反復してあげて、「今なら、あの時の自分に何て言ってあげる?」と問いかけてみましょう。

 「もっと冷静になればよかったのに」「言葉で伝えれば理解してもらえたかもしれない」などの言葉が出てくるかもしれません。

 これを続けることで、子どもはキレている自分を客観的に見る力がつき、本当の感情と表に出る感情や行動の差が少なくなり、キレることが減るでしょう。

子どもがキレるその他の原因と改善策

生活習慣を見直す

 キレる原因の一つに、食事や睡眠などの生活習慣があります。カルシウムなどの神経を落ち着かせる栄養素が不足すると、キレやすくなると言われています(※「青少年暴力に関連する食生活因子」 須藤 紀子(国立保健医療科学院生涯保健部)カルシウムの摂取不足より)。バランスの良い食事を心がけましょう。

 また、生活リズムが乱れると、子どもの心も不安定になります。睡眠や運動も大切です。規則正しい生活を送るようにしましょう。

発達障害や病気の可能性も考える

 キレる原因には、発達障害や病気の可能性もあります。親が「他の子とちょっと違うかもしれない」と感じたら、専門医に相談してみましょう。

子どもがキレるのは辛いことを理解してあげる

 「キレる子ども」と一言で言っても、その原因や状況は様々です。子どもは幼い頃から心を抑え込んできて、自分の感情をコントロールできないのです。自分を制御できない苦しさや、周りから受け入れられない不安を抱えています。子どもの心の痛みを理解してあげましょう。

まとめ

 子どもが素直に感情を出せるようになるには、親や周りの大人の努力と時間が必要です。子どもがキレる原因と心理状態、対処法について説明しました。

 親は焦らずに、子どもの本当の気持ちを受け入れてあげて、自分らしく表現できる環境を作っていきましょう。

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