バレンタインはなぜ女から男にチョコあげるの?日本だけ?

 さて、今年も2月14日(水)はバレンタインデーですが、日本では女性が男性にチョコレートをプレゼントするという習慣があります。これは日本だけのオリジナルな風習で、その起源やチョコの呼び方(義理チョコ・自分チョコ・友チョコ・世話チョコ・家族チョコ・逆チョコ)などを見ていくと、日本人の愛の表現の仕方が見えてきます。(PR)

日本のバレンタインの始まりと変化、女性がチョコを贈る理由は?

 2月14日はバレンタインデーと言っても、昔は「愛の告白」をする日という感覚はありませんでした。しかし、時代とともに、バレンタインデーに本気で“愛の告白”をする人は少なくなり、日本のバレンタインデーは様々な“愛”で満ちています。

日本のバレンタイン・チョコの種類と意味

 バレンタインデーに女性が男性にチョコレートを贈るのは日本だけの習慣です。外国から来た習慣を日本流にアレンジして定着させたわけですが、今ではバレンタインのチョコにはいろいろな名前がついています。それぞれに日本人ならではの“愛”が込められています。その変遷を見てみましょう。

■本命チョコ /本チョコ

 恋人や好きな人に贈る、特別なチョコ。片思いなら愛の告白、カップルなら愛情の証明。

 日本でバレンタインが定着したころ(1970年代後半)は、チョコは愛の告白のシンボルでした。チョコを渡すときには秘密の雰囲気がありました。特に学生は告白のチャンスとして活用しました。今でも、本命チョコで想いを伝える人がいます。

■義理チョコ/世話チョコ/社交(シャコ)チョコ

 日常的にお世話になっている人、友達や知り合い、仕事の関係者や顧客へ。感謝や配慮を示し、人間関係を良好にします。

 バレンタインに慣れた世代が社会人になると、チョコは気軽に渡せるものになりました。義理チョコが大流行しました。恋愛感情はなくなりましたが、人とのつながりを大切にする日本人の心が表れました。しかし、義理に厚い日本人はホワイトデーに3倍返しを求められることもありました。最近は「世話チョコ」「社交(シャコ)チョコ」という呼び方もあります。今では、義理チョコは控える(禁止する)ところもあります。

■家族チョコ/ファミチョコ

 家族(夫、子ども、父親など)に贈る、愛情たっぷりのチョコ。普段は手に入らないものや手作りチョコを用意して、一緒に楽しむのもいいですね!

 バレンタインに親しんだ世代が家族を持つと、当然ながら愛情は家族に向かいます。季節の行事を楽しみたいものです。贈る人も食べる人も同じなので、ママの好みに合わせることが多いです。

■友チョコ

 女の子同士で贈り合う、友情の証のチョコ。有名なチョコや手作りチョコなど、スイーツ好きな女の子の目に留まるものを選びます。

 バレンタインが定着すると、本命チョコや義理チョコに加えて、女の子同士の友チョコも増えてきました。チョコを交換して女の子の仲を深めます。

バレンタインデーの歴史と日本の特徴

 バレンタインデーはイタリアが発祥の地です。古代ローマ時代には、2月14日は最高女神として崇められたJuno(結婚や出産、夫婦や国家の守り神であるJupiterの妻)の祭日でした。そして、翌日からは春の到来と豊かな収穫を祝うルペルカーリア祭が始まりました。この祭りでは、女性が前日(2月14日)に書いた名前を男性が翌日にくじ引きで引き、そのカップルは祭りの間、恋人同士として過ごすという習慣がありました。この機会に本当に恋に落ちて結婚する人も少なくなかったと言われています。

 しかし、ローマ帝国の皇帝クラウディウス2世は、兵士の戦意が低下すると危惧して、兵士の結婚を禁止しました。

 それでも、若い恋人たちを見捨てなかったのがバレンチノ司祭でした。彼は、恋に燃える兵士と娘たちをこっそりと結婚させていました。キリスト教を弾圧していた皇帝は激怒し、バレンチノ司祭にキリスト教を捨てるよう要求しましたが、彼は拒否しました。そのため、皇帝は269年(あるいは270年?)2月14日にバレンチノ司祭を処刑しました。

 496年にルペルカーリア祭が廃止されると、2月14日はキリスト教の殉教者であるバレンチノ司祭を記念する日となり、恋人たちが愛を誓い合う日となりました。バレンタインという名前は、バレンチノの英語読みです。

 ※1962~65年のバチカン公会議で、カトリック教会では、9世紀に誕生した聖職者兄弟の記念日に変更されました。 このようにして、恋人たちが愛を伝え合う日として世界に広まったバレンタインデー。カードやギフト(花、チョコレート、キャンディー、アクセサリーなど)を贈り合って、愛情を表現します。

日本のバレンタインデーはなぜ女性から男性にチョコを贈るのか?

 それでは、日本ではなぜ女性が男性にチョコレートを贈るのでしょうか? 日本のバレンタインデーの歴史を振り返ってみましょう。いろいろな説がありますが、代表的なものを紹介します。

■1936年 神戸モロゾフ洋菓子店がバレンタインチョコレートの広告を出します。 このときは男女両方に向けた宣伝でしたが、その後もデパートが恋人にプレゼントをする日として宣伝しましたが、浸透しませんでした。

■1958年 メリーチョコレートが新宿の伊勢丹デパートでバレンタイン・キャンペーンを開催し、女性が男性にチョコレートを贈ることを提案します。 女性から男性へというのは、なぜかというと、女性が主な消費者であることや、当時の日本がアメリカのウーマン・リブ運動の影響を受け、女性が恋愛を主導するという風潮があったからです。時代に合わせた斬新な提案でした。

■1970年代 日本チョコレート・ココア協会が2月14日を「チョコレートの日」に制定し、流通業界もバレンタインデーのチョコレート販売に力を入れます。 その結果、70年代後半にはバレンタインデーが定着し始め、その後はさまざまに変化して、現在に至ります。

バレンタインデーは愛する人に“愛しています”と伝える日

 日本のバレンタインデーは、外国の文化を日本独自にアレンジし、自分たちの文化にしていることがわかります。

 チョコレートやギフトの市場が拡大したのもすばらしいことですが、バレンタインデーによって女性の恋愛への積極性が高まったのも事実です。また、愛する人の範囲が広がり、バレンタインデーの楽しみ方も多様化しています。

 さらに、男性から女性へのアクションも増えているのも見逃せません。

*バレンタインデーは、愛する人に“愛しています”と伝える日です。その気持ちをどう表現するかはあなた次第です。相手の気持ちがわかっているからといって、そんなことは言わなくてもいいと思わないでください。大切な人にその気持ちを伝えると、素敵なひとときになるでしょう。

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