中学生の成績アップに必要な3つのポイントとは何でしょうか?
中学生になると、勉強のやり方が分からなくなる子どもが多くなります。お子さまも、授業のスピードや難易度、さらには小学校ではなかった「定期テスト」についていけず、理解できないところがどんどん増えてしまっていませんか?
中学生の勉強は、将来の「高校入試」につながる重要なものです。問題が深刻になる前に対策したいですよね。しかし、中学生は自分のことを自分で決めたいと思うようになり、親の言うことを聞かなくなる難しい時期でもあります。「勉強しなさい!」と言っても、逆に反発されてしまうことも多いのではないでしょうか。実は「自分でやれて効果がある」ことが、中学生の勉強法を考えるに大事なポイントです。
今回は「中学生の勉強法」に焦点を当て、中学生の効果的な勉強法や、やる気が出ない時の対応法、高校生になっても役立つ勉強のコツをお伝えします!今日からすぐ実践できるものばかりです!ぜひ最後までお読みくださいね。
中学生の勉強で大切なのは「理解と定着、適切なアウトプット」
中学生の勉強法の前に、まず「学力を伸ばし、成績を上げる」ために必要な要素を確認してみましょう。中学生の成績を上げるのは「理解」「定着」「適切なアウトプット」の3つの要素です。
理解力を高めるには、まず全体を俯瞰しよう
「中学生が効率良く自分でできる勉強法」の1つ目は、「理解力を高める方法」です。理解力とは、教科の内容を正しく理解し、自分の言葉で説明できる力のことです。理解力が高いと、応用問題や記述問題にも強くなります。理解力を高めるには、次の2つのステップを踏みましょう。
1.学習範囲をまず一巡する
中学生は、自分が完全に理解できないと気が済まないタイプが多いです。分からないところがあると、そこで勉強が止まってしまいます。しかし、中学生の教科は、同じ内容が何度も出てきます。数学で言えば、「計算」「方程式」「関数」「図形」「その他」の5つの分野は、1年生から3年生まで共通です。そして、各分野は浅く触れることを繰り返し、3年間で中学数学が重ねられていきます。 1年生のときに分からなかったことが、2年生になると分かるようになるのは、全体の理解が深まり、数学的な思考が身につくからです。
だから、中学生の勉強では、分からないところがあっても、とりあえず範囲を一通り終えることが大切です。分からないところで止まるよりも、先に進んでみましょう。新しい知識が加わることで、自然と解決できることもあります。
2.分からない点に印をつけておく
「まず一巡しよう」と言いましたが、分からないところをそのままにしておいてはいけません。分からない点は、しっかりと勉強して、理解しておかなければなりません。そこで、分からない点には、必ず印をつけておくことをおすすめします。印をつけておくと、後で復習するときに、自分の理解度がすぐにわかります。特に、テスト前などの忙しいときには、時間を節約するために有効な方法です。印のつけ方は、次の見出しで紹介しますので、お楽しみにしてくださいね。
定着力を高めるには、問題演習を繰り返そう
「中学生が効率良く自分でできる勉強法」の2つ目は、「定着力を高める方法」です。定着力とは、教科の内容を長期的に記憶し、忘れない力のことです。定着力が高いと、テスト前に慌てることもなくなります。定着力を高めるには、問題演習が最適です。しかし、ただやみくもに問題を解くだけでは、効果は半減します。どのように問題演習をすれば効果的なのでしょうか?
1.問題演習は「最低3回」繰り返す!
中学生が問題演習をするときは、1つの範囲について「最低でも3回繰り返し」を心がけましょう。この「3回」には理由があります。
1回目、つまり初めて問題集に挑戦するときは、各問題が「できるか、できないか」が判断できない状態です。1回目の演習で「この問題は自分で解ける/この問題は解けない」という”問題の分類”を行います。
演習の2回目は、「解けない」に分類された問題を解けるようにするのが目的です。参考書を参照したり、先生に質問したりして「解けない」をできるだけ「解ける」に変えましょう。
演習の3回目は全体の仕上げをするのが目的です。1回目から3回目までの間にはある程度の期間が空きますから、3回目で何も見ないで自分で正解できたらテスト準備として完璧だと言えますね。
2.「印付け」で効率的に学習しよう!
問題演習では「印付け」を活用しましょう。問題番号の横に、自分のでき具合や評価をメモしておくのです。これが後で「効率的な学習」に役立ちますよ。印はシンプルに3種類くらいで十分です。 一例をご紹介しますね。
【例①】 ○-自分で解けた △-教科書や参考書を見て解けた ×-分からなかった
【例②】 ○-いつでも解ける自信あり △-テスト前に復習が必要 ×-もう一度やり直しが必要
さて、問題演習の1回目に、これらの印をつけながらやりました。2回目以降に取り組むべき問題はどれでしょうか?
そうです、△や×の問題ですね。 「前はどうだったかな」とノートを見直す必要もなく、問題番号の印を見れば自分の理解度が一目瞭然分かります。また印は消さずに上書きしていきましょう。「印が3つたまった=3回取り組んだ」と進捗も把握できますよ。勉強の時間効率は、こうしたちょっとした工夫でどんどん上がっていくのです。
「アウトプット力」を高めるコツ
「中学生が効率良く自分でできる勉強法」3つ目、「アウトプット力」を高めるコツをお伝えします。基本的なことですが、やるかやらないかで大きな差が出るポイントです。
1.教材は自分のレベルにぴったりのものを
教材は必ず自分のレベルにぴったりのもの、そして教科書に沿ったものを選びましょう。おすすめは学校で配られる教科書ワーク、書店で探すなら「教科書準拠」「基礎・標準レベル」と書いてあるものですね。これらは全ての中学生に必要な内容とレベルで作られており、しっかり身につけたい内容が詰まっているからです。
2.記述問題にも積極的に挑戦する
記述問題は学習内容のポイントを掴み、答える力を鍛えるのに最適な題材です。挑戦するときは、次の2点に注意してみてください。
(1)問題が求めているポイントは何か(本文のどこに書いてあるか)
(2)わかりやすく正しく答えるには、どんな言葉で表すべきか
この2点は先ほど書いた「中学生の勉強で大事な3要素の3つ目・適切なアウトプット力」につながるものです。また記述問題は苦手な中学生が多いので、得点源になるチャンスでもあります。記述問題で力をつけると、成績がグッと上がりますよ。
3.丸付けのあとは絶対に復習する
勉強は「丸つけのあと」が本番です。成績を上げるためには、できなかった問題をできるようにすることが大事です。丸つけをしてノートをしまってしまうのは、敵の弱点を見逃して、勝機を逃すようなものですよ。これは定期テストの後も同じですね。学校の先生はテストの復習をしっかりするようにと言いますが、それには理由があります。
さらに、高校入試は「記号選択問題」「条件付き記述問題」「自由記述問題」「作文」など様々な形式で出題されます。正解を導くには、指定された形式で解答用紙に表現できる力が必要になります。 日常の勉強や定期テストでも「正しい形で表現できる」ことを意識し練習すると、自然と力が身についていきますよ。
やる気が出ない時の対処法!5つのテクニック
どうしても勉強のやる気が出ない…。 そんな時にも机に座れる簡単なテクニックを5つご紹介します。「宿題やったの?」の代わりに、このテクニックをお子さまに教えてあげてくださいね。
1.「○時になったらやろう」はNG!
勉強は思い立ったら即行動!が基本です。「○時になったらやろう!」と思っていても、いつまでたっても始められません。大人でもありますよね。「7時になったらやろう」と思い別のことをしていたら、気がついたら7時を過ぎていた、なんてこと。「じゃあ、7時半になったら始めよう」、と思っても7時半も過ぎている…。中学生も同じです。 勉強は思い立ったらすぐにやる!このルールを覚えておきましょう。
2.やる気が出ないときは「少しだけ」でOK!
思い立ったら即!と言われても、体が動かないときもありますよね。そんなときは、「少しだけ、やってみようか?」と自分に声をかけてみてください。声をかけるのがコツです。聴覚は脳の「意欲を起こさせる」という部分に効果的に働くので、”やる気になりやすい”のです。
また「少しだけ」というのもコツ。10ページやると言われると嫌になるけれども、「少しだけ」ならやってみるか、という気持ちになりやすいのです。脳をやる気にさせ、行動しやすくするキーワード「少しだけ、やってみようか?」を使ってみてください!
3.最初の30分は「我慢してやり続ける」!
机に座ることができたら、最初の30分は我慢してでもやり続けるようにしてください。脳は目の前のことに集中するのに20~30分かかると言われています。最初の30分で勉強をやめたり、別のことに気を取られたりすると、集中モードに入りかけていた脳の働きを止めてしまいます。
最初は10分でも長く感じるかもしれませんが、計算でも漢字練習でも構いません。30分やり続けてみてください。すると、「え?もうこんなに時間がたってたの?」という感覚がやってきます。集中できるかどうかは「最初の30分」がカギです。
4.やめるときは途中で!
勉強をやめるときは、わざと途中でやめてみてください。たとえば勉強中に夕食に呼ばれたときは、区切りのいいところまでやりたくなりますが、呼ばれたその時にやめましょう。そうすると脳は続きが気になって、夕食後に勉強を再開するときもすんなり戻れますよ。
この「途中でやめると、続きが気になってやめられない」という脳の仕組みのことを心理学では「ツァイガルニク効果」と言います。脳の仕組みを勉強に応用した一例です。
5.集中できる「ベストタイム」を探す!
最後は「勉強のベストタイムを探そう」という話です。自分が勉強に集中しやすい時間帯を知っていますか?人にはそれぞれ集中しやすい時間帯があり、生活習慣や体調、日常の習慣などによって変わってきます。
よく「朝型がいい」と言いますが、中学生みんなに当てはまるわけではありません。夜の方が集中できる中学生もいます。また学校から帰ってきたらすぐに勉強する人もいれば、お風呂の後にゆっくり勉強したい人もいます。
自分の「勉強のベストタイム」はどこかなと観察してみてください。その時間に勉強に取り組めるように生活リズムを整えることで、効率も上がります。逆に、自分に合わない時間帯に無理して勉強すると、疲れやストレスが溜まり、成果も出にくくなります。自分の体と相談しながら、最適な勉強時間を見つけましょう。
成績を上げる教材の選び方
「中学生が効率良く自分でできる勉強法」最後は「成績を上げる教材の選び方」についてお話します。中学生全体、特に受験生には必見のポイントです。教材選びに困っている場合も参考にしてみてくださいね。
1.質の高い1冊を何度もやる
教材は決めた1冊を徹底的に何度もやることが大切です。どこまで「何度もやる」かというと、最低3回、あるいは1冊に載っている問題全てを自分で解けるようになるまでです。1つの教材に絞ることで、単元の全体像を把握し、漏れなく勉強できます。いろいろな教材をちょっとずつ使っていては、進み具合も管理しづらく、分野ごとの完成度にもばらつきがでます。これでは安定して成績が上がるとは言えませんよね。
質の高い教材を見つけ(中学生にとっての「質の高い」とは教科書の基本に忠実なという意味です)、何度もやって完成度を高めていくことが「勉強ができる」ようになる近道です。
2.受験対策は「傾向」に合わせたものを
受験生が教材を選ぶときは、入試傾向に合わせた内容のものを選びましょう。
高校受験は国立・県立(公立)・私立それぞれで試験問題の出題傾向が違います。例えば特定の分野の出題率が高い、記述問題が多い、英語の長文の量が多い…などがありますね。記述問題が多い試験に向かうのに記号問題だけやっていたのでは、効果は期待できません。傾向をしっかり調べ、傾向に沿った教材を選ぶことも重要です。
まとめ
中学生の成績を上げる効果的な勉強法についてご紹介しました。この記事でお伝えした方法は、高校生になっても役立つものばかりです。
「成績が上がらない」「テストで点数が伸びない」と悩んでいるお子さまは、もしかするとただ問題を解いているだけかもしれません。正しい勉強法について、一度見直してみる機会を持ってもいいかもしれませんね。