子どもが勉強しないと悩む親は多いでしょう。しかし、その原因は親にもあるかもしれません。
実は、勉強しない子どもと親には共通点があることが研究でわかっています。それは、自己効力感という心理的な要素です。自己効力感とは、自分の能力や行動が結果に影響すると信じる度合いのことです。
自己効力感が高い人は、困難に直面しても挑戦し続けることができます。逆に、自己効力感が低い人は、失敗を恐れて挑戦を避けたり、すぐにあきらめたりする傾向があります。
では、勉強しない子どもと親の自己効力感はどうなっているのでしょうか?
研究者たちは、小学生の子どもとその親に自己効力感に関する質問紙を回答させました。その結果、以下のことがわかりました。
●勉強しない子どもは、自分の学力や成績に対する自己効力感が低かった。
●勉強しない子どもの親は、子どもの学力や成績に対する自己効力感が低かった。
●勉強しない子どもの親は、自分の親としての役割や影響力に対する自己効力感が低かった。
つまり、勉強しない子どもと親は、お互いに学習に対する期待や信頼が低く、ネガティブなフィードバックループに陥っている可能性が高いということです。このような状況では、子どものやる気を引き出すことは難しいでしょう。
では、どうすれば良いのでしょうか?
勉強しない子どもと親の自己効力感を高める方法はあるのでしょうか?
答えはイエスです。以下に、具体的な方法を紹介します。
子どもの成功体験を増やす
子どもの自己効力感を高める最も有効な方法は、成功体験を増やすことです。成功体験とは、目標を達成したり、問題を解決したり、認められたりすることです。成功体験を積むことで、子どもは自分に自信を持ち、次の挑戦に向かうことができます。
では、どうやって成功体験を増やすことができるのでしょうか?以下に、具体的な方法を紹介します。
目標を明確にする
子どもには、自分が何をしたいのか、何を達成したいのか、どうやってやるのか、を明確にさせましょう。目標が曖昧だと、子どもはやる気を失ったり、途中で挫折したりする可能性が高くなります。
目標は、具体的で達成可能で測定可能で時間的に限定されたものにしましょう。例えば、「今日は国語の教科書を1ページ読む」や「今週は算数のテストで80点以上を取る」などです。
適切なレベルの課題を与える
子どもには、自分の能力に合ったレベルの課題を与えましょう。課題が簡単すぎると、子どもは退屈してやる気を失います。課題が難しすぎると、子どもは挫折してやる気を失います。
課題は、子どもが少し努力すれば達成できるレベルにしましょう。例えば、「今日は国語の教科書を1ページ読む」ではなく、「今日は国語の教科書を2ページ読む」や「今日は国語の教科書を1ページ読んで要約する」などです。
フィードバックを与える
子どもが課題に取り組んだら、その結果やプロセスに対してフィードバックを与えましょう。フィードバックとは、子どもの行動や成果に対する評価や感想です。
フィードバックを受けることで、子どもは自分の強みや弱みを知り、次の改善点や目標を設定することができます。フィードバックは、以下のようにして与えましょう。
ポジティブなフィードバックを多くする
子どもが課題を達成したり、努力したりしたら、そのことを褒めて認めてあげましょう。ポジティブなフィードバックを受けることで、子どもは自分の能力や価値を高め、自己効力感が高まります。
例えば、「国語の教科書を2ページ読んだんだね。すごいね!」や「算数のテストで80点以上取ったんだね。よく頑張ったね!」などです。
ネガティブなフィードバックは控えめにする
子どもが課題に失敗したり、努力しなかったりしたら、そのことを責めたり罵ったりしないでください。ネガティブなフィードバックを受けることで、子どもは自分の能力や価値を低く見積もり、自己効力感が低下します。
例えば、「国語の教科書を1ページも読んでないの?ダメじゃん!」や「算数のテストで60点しか取れなかったの?バカじゃないの?」などです。
具体的かつ客観的にする
子どもにフィードバックを与えるときは、具体的かつ客観的にすることが大切です。具体的かつ客観的なフィードバックとは、子どもの行動や成果に対して事
事実に基づいてする
子どもの行動や成果に対して事実に基づいてフィードバックを与えましょう。事実に基づいたフィードバックとは、子どもの行動や成果を観察して記録したものです。事実に基づいたフィードバックを受けることで、子どもは自分の行動や成果に対する客観的な評価を得ることができます。
例えば、「国語の教科書を2ページ読んだことは確認できたけど、要約はできてなかったね。」や「算数のテストで80点以上取ったことは素晴らしいけど、間違えた問題はどこで間違えたのか分かってる?」などです。
改善点や目標を提示する
子どもにフィードバックを与えるときは、改善点や目標を提示することも忘れないでください。改善点や目標とは、子どもが次に取り組むべき課題や方向性です。改善点や目標を提示することで、子どもは自分の成長の余地や可能性を知り、次の挑戦に向かうことができます。
例えば、「国語の教科書を読んだら、要約を書く練習もしようね。要約ができると、読解力が上がるよ。」や「算数のテストで間違えた問題は、復習しておこうね。間違えた原因を分析して、同じ間違えをしないようにしようね。」などです。
以上のように、子どもの成功体験を増やすことで、子どもの自己効力感を高めることができます。成功体験は、子どものやる気や学習意欲に大きな影響を与えます。親は、子どもの成功体験を見逃さずに、積極的にサポートしてあげましょう。
親自身の自己効力感を高める
子どもの自己効力感を高めるだけでは十分ではありません。親自身の自己効力感も高める必要があります。
親の自己効力感とは、親としての能力や行動が子どもの学習に影響すると信じる度合いのことです。親の自己効力感が高いと、親は子どもの学習に積極的に関わり、効果的な指導や支援を行うことができます。逆に、親の自己効力感が低いと、親は子どもの学習に消極的に関わり、不適切な指導や支援を行うことがあります。
では、親自身の自己効力感を高める方法はあるのでしょうか?答えはイエスです。以下に、具体的な方法を紹介します。
子どもと良好な関係を築く
親自身の自己効力感を高める最も有効な方法は、子どもと良好な関係を築くことです。子どもと良好な関係とは、親と子どもがお互いに信頼し、尊重し、愛情を持って接することです。
子どもと良好な関係を築くことで、親は子どもの学習に対する理解や関心を深め、子どものニーズや要望に応えることができます。
では、どうやって子どもと良好な関係を築くことができるのでしょうか?以下に、具体的な方法を紹介します。
コミュニケーションを取る
子どもと良好な関係を築くためには、コミュニケーションを取ることが大切です。コミュニケーションとは、親と子どもがお互いの考えや感情を伝え合うことです。
コミュニケーションを取ることで、親は子どもの学習に対する様々な情報を得ることができます。例えば、「今日は何を勉強したの?」や「勉強で困っていることはあるの?」などです。
聞く姿勢を示す
子どもとコミュニケーションを取るときは、聞く姿勢を示すことが大切です。聞く姿勢とは、親が子どもの話に耳を傾け、興味や共感を示すことです。
聞く姿勢を示すことで、親は子どもの話に対する理解や尊重を表現することができます。例えば、「そうなんだね。それは大変だったね。」や「それは楽しかったね。よかったね。」などです。
アドバイスや批判は控えめにする
子どもとコミュニケーションを取るときは、アドバイスや批判は控えめにすることが大切です。アドバイスや批判とは、親が子どもの行動や成果に対して自分の意見や評価を言うことです。
アドバイスや批判をすることで、親は子どもの行動や成果に対する影響力を持つことができますが、過度にすると逆効果になる可能性があります。例えば、「そんなやり方じゃダメだよ。こうした方がいいよ。」や「こんな成績じゃ将来何にもなれないよ。」などです。
以上のように、子どもと良好な関係を築くことで、親自身の自己効力感を高めることができます。
子どもと良好な関係は、親の学習への関与や支援に大きな影響を与えます。親は、子どもとの関係を大切にし、積極的にコミュニケーションを取ってあげましょう。
まとめ(確認用)
●勉強しない子供と親の共通点は自己効力感が低いこと
●子どもの自己効力感を高める方法は、成功体験を増やすこと
●親自身の自己効力感を高める方法は、子どもと良好な関係を築くこと