勉強ヤル気出ない中学生に親ができる最低3つの仕掛け!

 「勉強できない、しない中学生のやる気を出させるために親ができること」についてお伝えします。

 中学生になると勉強嫌いが6割に増えるというデータがあります。中学生のお子さんをお持ちの保護者の方の中には、「子どものやる気が出ないで困っている」「口うるさく勉強しろと言ってしまい、ケンカになる」という方も多いのではないでしょうか。
 一方で、中学生のお子さん本人も「勉強しなければと思っているのに、やる気が出ない」「勉強しろと親に言われると、余計やる気になれない」と困っている子は多いかもしれません。
 勉強のやる気を出すには、やる気が起きない理由を明確にして、お子さんの性格や事情に合った「勉強のやる気が出る方法」を見つけ出す必要があります。

 ここでは、次のようなトピックについてまとめました。

●勉強のやる気が出ない中学生5つのタイプと対策
●中学生が勉強のやる気を出すためにやりたい、最低3つの仕掛け
●中学生の子どもに対する「親のかかわり方」5つの秘訣

 この記事を読んで、中学生の勉強へのモチベーションを高めるヒントを得られれば幸いです。

勉強のやる気が出ない中学生5つのタイプと対策

 勉強する気が起きないという中学生は、同じように見えても、やる気が出ない理由は人それぞれです。国立教育政策研究所内「学習意欲研究会」では、「学習意欲に関する調査研究」として、小中高校生の学習への意欲について調査結果を発表しています。

 この調査を見ても、中学生が勉強にやる気がなくなると答えた理由は様々であることがわかります。ここではやる気が出ない中学生をタイプごとに分け、やる気を出すための対策・対処法を紹介します。

【タイプ1】授業の内容が分からない

 授業が分かると「やる気になる」「とてもやる気になる」と答えた中学生が9割にのぼります。逆に言えば、授業が分からないと「やる気が出ない」と考えられます。

【対策】分からないなら質問してよいと割り切ろう

 このタイプの中学生は、「分からないことをどうすれば分かるのか、知らない」ケースが考えられます。分からないことを先生にたずねるのが億劫だったり、恥ずかしいと考えていたりするかもしれません。

 分からないことは分からないと、質問してかまわない のです。学校の先生でも、友だちでも、塾の先生でも大丈夫です。学校の先生は雑務も多く、忙しそうで尋ねづらいかもしれません。そのようなとき 塾に通っていると、質問をスムーズに受け付けてもらえるため、「分かる」感覚をつかみやすくなります。

【タイプ2】何をしたらいいかわからない

「勉強って何から手をつければいいの?」というタイプです。小学生から学習習慣が身についていない子に多いといえるでしょう。「自分が何をできないのか、分かっていないのかすらも分からない」という悪循環に陥っているケースもあります。

【対策】やること(タスク)を一つだけ決めよう

 このタイプは、 簡単なことでよいので、まず一つ何かをやると決め、それをやり遂げる とよいでしょう。大きな目標ではなく、目の前にある小さいタスクをこなす訓練を繰り返します。例えば毎日英単語を10個だけ覚える、数学の問題を毎日3問だけ解く、などです。

タスクがこなせて達成感を得られたら、次からは少しずつタスクを増やしていきます。「やった成果が見える」ことで、徐々にやる気が出ます。

 ただし、 ずっとこの形だけで勉強していても、全体的な学力は上がりません。 なぜなら、一人でやっていると同じことだけを繰り返したり、全体の流れの中でやるべきことを見落としていたりするからです。そのため、 ある程度短いタスクがこなせるようになったら、長期的な目標を立てて実行する必要があります。長期的な計画を立てるのは一人では難しいので、塾などを上手に利用してください。

【タイプ3】勉強が嫌い・つまらない・勉強する意味がわからない

「勉強がそもそも嫌い」と答える生徒の数は、中学生の約半数ほどいるというデータもあります。学校の勉強そのものがすぐに役に立つわけではないので、この感想はある意味、的を射ています。そんな子に「やらなければならないから、やりなさい」と説明しても納得してもらえないでしょう。

【対策】好きなことを見つけよう! 興味のあることと勉強を結び付けよう

 例えば、ゲームが好きなら将来的にプログラムをつくるかもしれません。数学や理科の知識があったほうがいいので、そのことを教えてあげてください。
   ゲームデザインをするなら絵・色彩の知識や立体画像の知識もあったほうがよいでしょう。ゲームのシナリオを書きたいなら、文章を書く力、読む力、人に伝える力が必要です。
 シナリオにバックグラウンドが必要なら、歴史や地理、社会の知識も必要です。ゲームの音楽を作りたいなら、音楽の知識や楽器の演奏力も必要です。ゲームのキャラクターを作りたいなら、心理学や人間関係の知識も必要です。

 つまり、ゲームを作るには、学校の勉強が役に立つということです。ゲームだけでなく、好きなことや興味のあることは何でもいいです。そのことに関連する勉強を見つけて、自分の目標に結び付けてみましょう。

【タイプ4】自信がない・自分には無理だと思っている

 「自分は勉強ができない」と思っている子は多いです。特に中学生になると、周りの子と比べて自分が劣っていると感じたり、テストで悪い点数を取ったりすると、自信がなくなってしまいます。自信がなくなると、「どうせできないから」と勉強する気力も失われます。

【対策】自分の得意なことを見つけよう! 自分の成長を認めよう

 このタイプは、 自分の得意なことや好きなことを見つけて、そこから自信をつける ことが大切です。例えば、スポーツや音楽や絵画など、学校以外で活躍していることがあれば、それを誇りに思ってください。また、学校の勉強でも、一番得意な教科や単元があれば、それを伸ばしてください。

 また、 自分の成長を認める ことも重要です。例えば、前回よりもテストの点数が上がったら、「よく頑張った」と褒めてあげてください。また、分からなかった問題が解けたら、「すごいね」と喜んであげてください。自分の努力や成果を認めることで、自信が高まります。

【タイプ5】集中力が続かない・気が散ってしまう

 「勉強しよう」と思っても、すぐに他のことに気が向いてしまう子は多いです。スマホやテレビやゲームなど、勉強以外にも楽しいことはたくさんあります。しかし、それらに夢中になってしまうと、勉強時間が減ってしまいます。

【対策】集中力を高める環境・習慣・方法を身につけよう

 このタイプは、 集中力を高める環境・習慣・方法 を身につけることが必要です。例えば、

●勉強する場所は静かで明るく整理された部屋にしましょう。
●勉強する時間は決めておきましょう。朝や夕方は集中力が高まりやすいです。
●勉強する前に水分補給やストレッチをしておきましょう。
●勉強する際はスマホやテレビなどの邪魔になるものは遠ざけましょう。
●勉強する内容は自分で計画しておきましょう。やるべきことを明確にしましょう。
●勉強するときは時間を区切って集中しましょう。25分間勉強して5分間休憩するのを繰り返す「ポモドーロ・テクニック」がおすすめです。

●勉強するときは自分に問いかけたり、声に出したり、書き出したりして理解を深めましょう。
●勉強したことは定期的に復習しましょう。忘れる前に復習する「スペースド・リピティション」が効果的です。

中学生が勉強のやる気を出すためにやりたい、最低3つの仕掛け

 中学生の勉強のやる気を出すためには、親だけでなく、子ども自身も工夫する必要があります。ここでは、中学生が勉強のやる気を出すためにやりたい、最低3つの仕掛けを紹介します。

【仕掛け1】自分の夢や目標を持とう

 自分の将来の夢や目標を持つことは、勉強のやる気を出すためにとても大切です。夢や目標があれば、それに向かって努力する意味ができます。夢や目標は大きくても小さくてもかまいません。例えば、「大学に入りたい」「海外旅行したい」「好きな人に告白したい」などです。

 夢や目標を持ったら、それを実現するために必要なことを考えてみましょう。例えば、「大学に入りたい」なら、「どんな大学に入りたいか」「どんな勉強が必要か」「どんな試験があるか」などです。
 必要なことを知ったら、それに沿って計画を立てて実行しましょう。計画は具体的で達成可能で振り返り可能なものにしましょう。

 夢や目標は、自分だけでなく、親や友だちや先生などにも共有してみましょう。共有することで、応援してくれたり、アドバイスしてくれたり、一緒に頑張ってくれたりする人が増えます。また、自分の夢や目標を口に出すことで、より現実味が増します。

【仕掛け2】自分の好きなことや得意なことを活かそう

 自分の好きなことや得意なことを活かすことも、勉強のやる気を出すために有効です。好きなことや得意なことは、自分の長所や個性です。それらを活かすことで、自信がついたり、楽しくなったりします。

 例えば、「音楽が好き」なら、「音楽に関連する勉強をする」「音楽で表現する」「音楽でリラックスする」などです。「絵が得意」なら、「絵で覚える」「絵で説明する」「絵で発表する」などです。「スポーツが得意」なら、「スポーツで体力をつける」「スポーツでコミュニケーションを取る」「スポーツのルールや歴史を勉強する」などです。

 自分の好きなことや得意なことを活かすことで、勉強にも応用できるスキルや知識が身につきます。また、自分の好きなことや得意なことを認めてもらえると、自己肯定感が高まります。自己肯定感が高い人は、勉強に対しても前向きになりやすいです。

【仕掛け3】自分にご褒美をあげよう

 自分にご褒美をあげることも、勉強のやる気を出すために効果的です。ご褒美は、自分が頑張ったことを認めてくれるものです。ご褒美は、自分が好きなものや楽しいものであれば何でもかまいません。例えば、「好きな食べ物を食べる」「好きなゲームをする」「好きな映画を見る」などです。

 ご褒美をあげるときは、以下の点に注意しましょう。

●ご褒美は、勉強した後にあげましょう。勉強する前にあげてしまうと、逆効果になります。
●ご褒美は、自分が決めた目標や計画を達成したときにあげましょう。適当にやったり、やらなかったりしたときにはあげません。
●ご褒美は、適度にあげましょう。あまり大きすぎると、満足してしまって次からやる気が出なくなります。あまり小さすぎると、効果が感じられません。
●ご褒美をあげることで、勉強することに対してポジティブな感情が生まれます。また、ご褒美を目標にして頑張ることで、集中力やモチベーションが高まります。

中学生の子どもに対する「親のかかわり方」5つの秘訣

 中学生の勉強のやる気を出すためには、親のかかわり方も重要です。親は子どもの最初の先生でもあり、最大のサポーターでもあります。しかし、親がどうすればいいかわからないという方も多いでしょう。ここでは、中学生の子どもに対する「親のかかわり方」5つの秘訣を紹介します。

【秘訣1】子どもの夢や目標を尊重しよう

 子どもが自分の夢や目標を持っている場合は、それを尊重して応援してあげましょう。親が子どもの夢や目標を否定したり、無理だと言ったりすると、子どもは傷ついたり、反発したりします。
 親は子どもの夢や目標を叶えるために必要なことを一緒に考えてあげたり、助言したり、サポートしたりしてください。

 子どもが自分の夢や目標を持っていない場合は、それを見つける手助けをしてあげましょう。親は子どもの好きなことや得意なことを見つけてあげたり、興味のあることを教えてあげたり、色々な経験をさせてあげたりしてください。
 親は子どもの可能性を広げてあげることができます。

【秘訣2】子どものやる気を引き出そう

 子どもが勉強する気にならないときは、親が無理やり勉強させようとすると、ケンカになったり、反発したりします。親は子どものやる気を引き出す方法を探してみましょう。例えば、

●子どもの興味や関心に合わせて勉強の内容を工夫する
●子どもの好きな人や憧れの人が勉強していることを教える
●子どもの友だちやクラスメートと一緒に勉強する機会を作る
●子どもが勉強したことを認めて褒める
●子どもが勉強した後にご褒美をあげる

などです。親は子どもに勉強することの楽しさや意義を伝えてあげることができます。

【秘訣3】子どもの自立を促そう

 中学生になると、子どもは自分で考えたり、決めたり、行動したりする能力が高まります。親は子どもの自立を促してあげましょう。親が子どものすべてを決めたり、やってあげたりすると、子どもは自分で考える力や行動する力が育ちません。
 親は子どもに自分で計画したり、実行したり、振り返ったりする機会を与えてあげたり、必要なときに助けてあげたりしてください。
 親は子どもに自分で責任を持って勉強する姿勢を身につけさせてあげることができます。

【秘訣4】子どもの学習状況を把握しよう

 親は子どもの学習状況を把握しておくことが大切です。親は子どもの学習状況を知ることで、

●子どもの学力や学習意欲のレベルを把握できる
●子どもの苦手な教科や単元を見つけられる
●子どもの学習計画や目標設定にアドバイスできる
●子どもの学習方法や習慣に改善点があれば指摘できる
●子どもの学習成果や努力に対して評価できる
などです。

 そして、親は子どもの学習状況を知る方法として、

●学校から送られてくる成績表や通知表などを見る
●子どもが持ち帰ってくるテストや宿題などを見る
●子どもに勉強した内容や感想などを聞く
●子どもが勉強している様子を見守る
●塾や家庭教師などからフィードバックを得る

 などです。親は子どもの学習状況を把握することで、親は子どもの学習に対する適切なサポートやアドバイスを提供できます。

【秘訣5】子どもとのコミュニケーションを大切にしよう

 子どもとのコミュニケーションを大切にすることは、親子関係を良好に保ち、子どもの勉強のやる気を出すために欠かせません。

 親は子どもとのコミュニケーションをとる方法として、

●子どもの話をじっくり聞いて理解しようとする
●子どもの感情や気持ちに寄り添って共感する
●子どもの意見や考えに敬意を持って尊重する
●子どもに質問したり、アドバイスしたり、励ましたりする
●子どもと一緒に楽しいことや好きなことをする

などです。親は子どもとのコミュニケーションをとることで、

●子どもの悩みや困りごとを知ることができる
●子どもの自信や自尊感情を育てることができる
●子どもの信頼や親近感を得ることができる
●子どもの学習への関心や動機づけを高めることができる

などです。親は子どもとのコミュニケーションを通して、子どもの学習パートナーになってあげましょう。

まとめ

 ここでは、「勉強できない、しない中学生のやる気を出させるために親ができること」についてお伝えしました。

 中学生は、勉強する気が起きない理由が人それぞれです。親は、子どものタイプに合わせて対策・対処法を見つけてあげましょう。

 また、中学生は、自分で夢や目標を持ち、好きなことや得意なことを活かし、自分にご褒美をあげることで、勉強のやる気を出すことができます。
 親は、子どもの夢や目標を尊重し、やる気を引き出し、自立を促し、学習状況を把握し、コミュニケーションを大切にしてあげましょう。

 親は子どもの最初の先生でもあり、最大のサポーターでもあります。親が子どもの勉強に対して前向きな姿勢で関わってあげれば、子どもも勉強に対して前向きになれるはずです。
 子どもの勉強へのモチベーションを高めるために、親ができることはたくさんあります。この記事がその一助になれば幸いです。

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