受験は、人生の中で一度きりの大きなチャレンジです。しかし、受験だけがすべてではありません。受験は生きることの一部であり、生きることは受験以上に複雑で多面的なものです。
そこで、この記事では、受験と生きる力の関係について考えてみたいと思います。受験とは何なのか、どうやって受験勉強に取り組むべきなのか、そして受験を通してどんな力が身につくのか、その真意を探っていきましょう。
受験に隠された意味
受験には、見えない価値があります。学校の成績が優秀でも、入試当日に失敗する子は少なくありません。逆に、成績が平凡でも、見事に合格する子もいます。
なぜこんなことが起こるのでしょうか。試験問題が難しかったり、子供の気分が乱れたり、先生の指導が不十分だったりすることもあるかもしれません。
しかし、それだけでは説明できません。実は、その子自身に何らかの問題があったのではないでしょうか。それを見逃してはいけません。
受験に必要なもう一つの力
受験勉強を野球に例えると、テストは練習試合であり、入試は公式戦です。
どんなに練習を積んでも、必ず勝てるという保証はありません。本番を想像して集中力を高めても、やはり本番は本番です。雰囲気も違います。
そんなときに頼りになるのは、その子が持っている本当の実力です。もちろん、学力も含まれます。しかし、本番で普段通りの学力を発揮するためには、「もう一つの力」も必要です。
それはどこで身につけられるのでしょうか。
日常から学ぶ力
それは日常の生活から学ぶ力です。学校や家庭を含めたすべての場面で、その力は育まれます。
学校では知識やテクニックを教えてくれます。しかし、それを使いこなす力までは教えてくれません。
学校で目立たない子でも、試験で見事に合格する子がいます。その子は成績だけではなく、「生きる力」が優れていると言えます。
しかし、
現代社会は見える力ばかりを重視しがちです。そのせいで人間として大切な根本的な力、「生きる力」が軽視されています。
生きる力があれば学力もついてくるのです。逆に学力だけでは生きる力はつきません。親はこの事実を早めに認識するべきです。
決して見える学力だけを頼りにしてはいけません。
知識の量は試験を乗り切る重要な武器です。しかし、その武器を活かすためには、健康な体と柔軟な頭が必要です。
本番で強い子は、見えない部分の力が高かったということです。学力と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なことは、生きる力を身につけているかどうかです。
そして、その力が本番の結果を左右するということです。
親の役割とは
では、この生きる力はどうやって評価すればいいのでしょうか。学力であればテストや成績で測れます。
しかし、見えない力である「生きる力」は数値で評価できません。だからといって、見えないままにしておくこともできません。
実は、この力の評価はその子の親にしかできないのです。もちろん、本人にも自覚することは必要です。
子育ての愛は盲目ではなく冷静
ここで一つ問題があります。親はわが子を愛するあまり、冷静さを失ってしまうことがあります。
わが子を愛せば愛するほど、評価は甘くなってしまいます。欠点を見つけても、それを認めたくない親もいます。
しかし、子供を愛するということは甘やかすことではありません。親はわが子を大切にしつつも、他の子と比べて長所や短所を見極める能力を持っています。
つまり、暖かい親の愛と冷静な親の目です。どちらかだけでは不十分です。盲目的な愛情に溺れるのも、わが子を冷たく扱うのも、どちらも子供の成長にとって障害になります。
本当にわが子を思うなら、両方の能力を親はバランスよく使うべきです。
よく見てよくわかってやる
では、具体的にどうすればいいのでしょう。現実として学校の成績は無視できません。それだけではなく、毎日の生活でも実践してほしいことがあります。それは子供の日常生活を観察することです。
朝起きてから寝るまでの間、どんな行動をしたのか、親に何を話したのか、何を考えていたのかなど、これらを冷静に捉える姿勢です。
そして、自分の周りの他の子供たちや、本やテレビなどで得た他所の子供たちと比べてみてください。もちろんこの評価も勝ち負けではありません。あくまでその子の長所や短所がどこにあるかを発見するのがポイントです。
この習慣が身につけば、わが子の実力や性格をある程度把握できると思います。日々の子供自身の能力と学校の成績を加味して観察することをおすすめします。
子供の成績に一喜一憂するだけではなく、わが子の日常生活にも深く関心を持ってください。
まとめ
学校の成績と生活能力は同じ人間から生まれるものです。その両方がバランスよく発達してこそ、その子の総合的な実力と言えるのです。
大人になっても、仕事だけで評価されるわけではありません。仕事以外のさまざまな場面でも、人間としての力が問われます。
同じように、子供にとっても勉強だけでなく、日常のさまざまな場面でも、生きる力が必要です。わが子に多面的な力を育てることこそ、わが子を愛する親の役割であると思います。
子育てには、親の愛情と視野が必要です。その両方を持ち合わせた親であれば、子供は確実に成長していくでしょう。