効率的な高校受験勉強法について、各科目ごとの具体的な勉強法の説明をします。受験する高校によっては5教科または3教科が試験科目となりますが、ここでは特に、それぞれの科目の勉強範囲を確認していきます。
科目別の基本的なテスト範囲
国語
- 漢字:繰り返し書いて暗記
- 文法:ルール理解と暗記
- 古文・漢文:単語・仮名遣いの暗記と文体への慣れ
- 長文読解:様々な文体に慣れる
数学
- 方程式:一次、連立、二次方程式の理解
- 関数:一次関数や二乗に比例する関数の理解
- 図形:円周角の定理や三角形の条件など
社会
- 歴史:出来事と背景の理解、年号の暗記
- 地理:世界各国の位置と特徴の暗記
- 公民:政治、人権、経済分野の用語の理解
英語
- 単語:基本単語の暗記
- 文法:基本文法の理解と暗記
- リスニング:英語の音声に慣れる
- 英作文:文法に基づいた作文練習
- 長文読解:読解力の向上
- スピーキング(必要な場合)
理科
- 物理:基本概念の理解
- 化学:基本化学反応の理解
- 生物:基礎知識の暗記
- 地学:地質や天体に関する知識の暗記
※各科目の具体的な範囲は志望校によって異なる場合があります。
全ての科目において、基礎の理解と反復練習、間違いの復習が重要です。以下に科目別の効率的な勉強法を紹介しますので、参考にしてください。
1-1. 国語:語彙力と読解力の強化
国語の出題範囲は学校や地域によって異なりますが、「漢字」「文法」「古文・漢文」「長文読解」の4つが基本です。それぞれの分野において以下のポイントを意識して勉強を進めましょう。
漢字・文法
- 漢字や文法は繰り返し書いて覚え、数日後に再度確認
- 文法はルールの理解も重視
古文・漢文
- 単語や仮名遣いを繰り返し書いて暗記
- 古文・漢文を読むことで文体に慣れる
長文読解
- 説明文や小説の文体に慣れる
- 過去問を解いて問題の意図を理解する
漢字や文法、古文などの正しい形やルールを覚えることが重要です。例えば、漢字は何度も書いて覚え、後で確認することで記憶を定着させます。古文や漢文は暗記だけでなく、文法や助動詞などのルールを理解することで応用力がつきます。長文読解では、登場人物の理解や主張の把握が重要です。
漢字の勉強では、まず基本的な漢字の書き取りから始めます。そして、意味や読み方もしっかりと確認しましょう。次に、文法の勉強では、各ルールを理解した上で、例文を使ってそのルールを応用する練習をします。古文・漢文に関しては、独特の表現や単語に慣れることが大切です。毎日少しずつでも読む時間を設けると、徐々に抵抗がなくなってきます。長文読解においては、問題文を丁寧に読み、設問に対する正確な理解力を養うことが必要です。過去問や模擬試験を使って、実際の試験形式に慣れておくと良いでしょう。
1-2. 数学:基礎を固める
数学の出題範囲も地域や学校によって異なりますが、中学3年間で学ぶ「方程式」「関数」「図形」が基本です。それぞれの分野で以下のポイントを意識しましょう。
方程式
- 一次方程式や連立方程式、二次方程式の定義とルールを覚える
- 過去問や問題集でパターンを習得
関数
- 一次関数や二次関数の定義と計算方法を覚える
- グラフの読み方を理解
図形
- 円周角の定理や三角形の条件を理解
- 図形の書き方を練習
数学は基礎が理解できていないと次のステップに進めません。まずは基本の定義やルールをしっかり覚え、理解することが重要です。苦手な部分がある場合は、基礎に戻って復習しましょう。得意な場合や難関校を目指す場合は、問題集の難易度を少しずつ上げて挑戦すると良いでしょう。
数学の基礎を固めるためには、まず教科書の基本問題をしっかり解くことが大切です。教科書に載っている問題は、基本的な理解を深めるのに最適です。次に、過去問や模擬試験の問題を解いて、実際の試験でどのような問題が出題されるかを把握します。特に、難しい問題に挑戦することで、より深い理解と応用力が身につきます。また、分からない問題があった場合は、すぐに先生や友人に質問して解決するようにしましょう。
1-3. 社会:背景を理解する
社会の出題範囲は中学3年間で学ぶ「歴史」「地理」「公民」が基本です。それぞれの分野で以下のポイントを意識して勉強を進めましょう。
歴史
- 時系列に沿って人物と出来事、年号をセットで暗記
- 出来事の背景を理解する
地理
- 世界各国の位置や特徴を暗記
- 図やグラフの読み方を練習
公民
- 政治や人権、経済の用語を理解し、最新のニュースを確認
歴史では年号や人物名だけでなく、出来事の背景や関連性を理解することが大切です。地理は地図を使って各国の位置や特徴を覚え、図やグラフの問題にも慣れておきましょう。公民では、政治や経済の用語を覚え、最新のニュースにも目を通しておくと良いです。
歴史の勉強では、まず重要な出来事や人物の年号を暗記します。その上で、各出来事がどのような背景で起こったのかを理解することが大切です。地理の勉強では、地図を見ながら各国の位置を確認し、その国の特徴や文化についても学びましょう。公民の勉強では、政治や経済の基礎知識を身につけるために、教科書の内容をしっかり理解することが重要です。また、新聞やニュースを見て、最新の時事問題にも触れるようにしましょう。これにより、実際の試験で出題される可能性のある時事問題にも対応できるようになります。
1-4. 英語:まず単語と文法をマスターする
英語の高校入試の出題内容は地域や学校によって異なりますが、基本的には中学3年間で学ぶ「単語・文法」を基盤に「リスニング」「英作文」「長文読解」「スピーキング(必要な場合)」が含まれます。以下のポイントを押さえながら、受験勉強を進めましょう。
分野別の勉強ポイント
- 単語・文法: 単語帳を使って少しずつ暗記します。単語の意味や原形だけでなく、過去形や過去分詞形も覚えましょう。受動態や比較級など、中学で学んだ文法の形とルールを理解し、過去問や問題集を解くことで定着させます。
- リスニング: リスニング問題を解いて形式に慣れ、日常的に英語に触れることで正確に聞き取れるようにします。
- 英作文: 英作文が苦手なら、まず日本語で書いてから英語に翻訳する練習をします。過去問や問題集を使って練習しましょう。
- 長文読解: 英語の文章を声に出して読んで長文に慣れます。黙読や速読の力を鍛え、過去問や問題集を解くことも重要です。
- スピーキング(必要な場合のみ): リスニング力を高めて質問内容を理解し、友人や家族と英語で話す時間を作りましょう。
英語の高校受験勉強において、単語と文法の理解が最も重要です。中学3年間で学ぶ英単語と文法をしっかり理解していないと、長文読解や英作文は難しくなります。リスニングやスピーキングでも、単語と文法の知識が基盤となるため、まずこれらをしっかり身につけることが目標です。
英単語は量が多いため、一度にすべて覚えるのは難しいです。1日20単語など、計画的に取り組むことで知識が定着します。単語と文法が身についたら、問題集や過去問を使ってアウトプットの機会を増やしましょう。
リスニングやスピーキングは日常的に英語の発音に慣れていないと、聞き取るのが難しくなります。空き時間に英語のニュースを聞くなどして、英会話に触れる時間を増やし、聞き取り能力を高めましょう。
1-5. 理科:各分野の語彙やルールを習得する
理科の高校入試では、中学3年間で学ぶ「物理」「化学」「生物」「地学」が出題範囲です。以下のポイントを意識して勉強を進めましょう。
分野別の勉強ポイント
- 物理: オームの法則や力と運動の法則など、定義やルール、公式を覚え、実験結果を読み解く力を養いましょう。過去問や問題集を解くことも重要です。
- 化学: 化学式や元素記号の定義とルールを覚え、実験結果を理解する力を身につけます。過去問や問題集で練習しましょう。
- 生物: 生物の構造などの用語を暗記し、過去問や問題集で練習します。
- 地学: 天体や地層などの用語と図をセットで覚え、図や表を読み解く力を養います。過去問や問題集を活用しましょう。
理科では、生物と地学は暗記が中心です。地学では天体の動きや地層などの図とその意味をセットで覚えることが大切です。化学は化学式やルールを覚え、実験結果を理解できるようにすることがポイントです。物理は公式を使った計算問題が出題されるため、基礎を固め、過去問や問題集を使って練習しましょう。
これまで紹介した勉強法は基礎的なものですが、苦手分野や現状の学力、志望校によって勉強の優先順位やレベルは変わります。例えば、難関校を目指すなら、基礎に加えて応用力が必要です。基礎的な勉強法をベースに、自分に合う方法で進めましょう。
【高校受験は学力検査だけではない】
高校受験では、学力検査だけでなく、内申点(中学での生活態度や期末テストの成績をまとめたもの)も考慮されます。一般入試では内申点に加え、小論文や面接が行われることもあります。志望校の受験制度をよく調べて準備しましょう。
避けるべき高校受験の勉強法とその解決策
これまで高校受験の具体的な勉強法について説明してきましたが、実は絶対に避けたほうが良い勉強法も存在します。このような勉強法を続けていると、時間を無駄にし、効率的に勉強できなくなります。
避けたい高校受験の勉強法トップ3
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複数の問題集やアプリを購入する
-
実際に書かずに解答を確認する
-
きれいなまとめノートを作る どのような勉強法を避けるべきか、ぜひ参考にしてください。
複数の問題集やアプリを購入する
高校受験勉強を始める際に、問題集やアプリをたくさん用意するのは一見良さそうに思えますが、実際には逆効果です。
・複数の問題集を中途半端に使う ・アプリや問題集を使い散らかす
これらはよくある失敗です。問題集は基本的に受験範囲を網羅しているので、一部だけ取り組んでも全体的な基礎固めにはなりません。さらに、複数の問題集を同時に進めると、達成感が得られにくくなります。
例えば、5冊の問題集を買った場合、全て終えるのに1冊の5倍の時間がかかります。少しずつ進めると「終わらない」「進まない」と感じ、モチベーションが低下します。
解決策:自分に合った1冊をやり切る
まずは自分に合った1冊の問題集を最後までやり切ることを目標にしましょう。選ぶポイントは以下の通りです。
【問題集を選ぶポイント】
- 問題を見て「わかる」「解けそう」と思える
- 自分の偏差値に合っている
- 志望校の範囲をカバーしている
理解できる1冊を選び、無理なく取り組むことが重要です。難しすぎる問題集はモチベーションを下げる原因となります。まずは1冊をやり切り、達成感を味わってください。次に、レベルを上げたり別の問題集に取り組んでも良いでしょう。
複数の教材に手を出すと、各教材の進行度が中途半端になりがちです。そのため、まずは1冊をしっかりやり切ることで、確実な基礎固めが可能となります。1冊を終えることで達成感を感じ、それが次の勉強へのモチベーションにもつながります。達成感を得ることは、継続的な学習を促す重要な要素です。
また、問題集を選ぶ際には、実際に書店で中身を確認して、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。インターネットでのレビューも参考になりますが、自分の目で確かめることが大切です。さらに、友人や先輩からの推薦も役立ちますが、最終的には自分の勉強スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
実際に書かずに解答を確認する
問題を見て「できそう」と感じても、実際に書かずに次に進むのは良くありません。なんとなく理解していることと、知識として身に付いていることは違います。
例えば、インターネットで情報を見ても、実際に書き出すと上手くまとめられないことがあります。これが「知っている」と「知識として身に付いている」の違いです。
解決策:単語や計算式は必ず書く
勉強はインプットとアウトプットのバランスが大切です。解答をノートに書くことで知識が定着し、覚えたことを思い出す練習になります。面倒でも、書く習慣をつけましょう。
特に省きがちなものは次の2つです。
- 計算式
- 英単語や漢字などの暗記語彙
計算式は過程を書くことで理解が深まります。英単語や漢字は書いて覚えることでミスを防ぎます。
ノートに解答を書くことで、問題に対する理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。さらに、書くことで問題解決のプロセスを自分のものとして消化できます。この習慣を続けることで、受験に必要な知識を確実に身に付けることができます。
さらに、ノートに書くことで、問題に対する理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。書くという行為自体が脳に刺激を与え、情報の定着を助けます。特に英単語や漢字の暗記は、何度も書くことで確実に覚えられます。覚えるべき語彙を繰り返し書くことを習慣化し、暗記力を高めましょう。
きれいなまとめノートを作る
きれいなまとめノートを作るのは避けるべき勉強法です。
・教科書を見ながらノートをまとめる ・授業ノートを見やすくまとめ直す
これらは次の理由からおすすめしません。
【まとめノートが向かない理由】
- 模写に過ぎず、知識が身に付かない
- 見た目で満足してしまう
- 限られた時間の中で優先度が低い
解決策:問題を解く・暗記に専念する
高校受験勉強は基礎固めと暗記が鍵です。問題集の解答を書き続ける形で勉強しても問題ありません。暗記の際は、殴り書きでも構わないので、同じ単語を何度も書いて覚えましょう。
どうしてもまとめノートを作りたい場合は、家族や友人に問題を出してもらい、自分の言葉で解答してみると良いでしょう。例えば、「三権分立とは?」と聞かれ、自分の言葉で答えられるなら、知識が定着している証拠です。
まとめノートに時間をかけるよりも、問題を解くことや暗記に専念することで、効率よく学習できます。自分の言葉で説明できるかどうかを確認することが、知識を定着させる最も効果的な方法です。
さらに、まとめノートに時間をかけるよりも、問題を解くことや暗記に専念することで、効率よく学習できます。特に時間が限られている受験勉強では、効率的な学習方法を選ぶことが重要です。ノートに書くことで知識を定着させ、試験本番での自信につなげましょう。