子供たちのありのままの感性鑑賞タイム(1)

 子供たちのほとばしるみずみずしい感性(1)

 今回は、私の大切な教え子たちの感性の素直さ鋭さ豊かさに触れて下さい。タイトルの「今、思う」について彼らの個性や考えが十分発揮された内容です。指示に従って無心に書き留める子供たちの気持ちを思いやれば、単なる感想文的なレベルではなく、未来を手つかずのまま、さらに無限に伸びる可能性を持ち合わせていることがひしひしと伝わって来るように感じられるのですが。

 S君(中2):

 ぼくは推理小説が好きです。芥川龍之介や夏目そう石などの作品は、あまり好きではありません。以前は、赤川次郎や西村京太郎などをよく読んでいたけど、最近はあきてきたので、伝記ミステリーという種類にこってます。今度は、外国人の書いた推理小説を読みたいと思っています。

 Kさん(小6):

 私は、中学に入って、あまり大きな出来事はありませんでしたが、たった一つだけ、自分にとってもうれしかったことがあります。それは中学校の学年だよりにのったことです。

 私はそれを配られてすぐには見ませんでした。それどころかすぐになおそうとしました。そして、カバンをあけて入れようとすると、となりの席の子が、「これおまえとちがうんか。」と言ってきました。

 私は、一度なおしかけた学年だよりを見ると私の作文がのっていました。うれしかったけど、ちょっとはずかしかったです。

 M君(中1):

 ぼくは、常日ごろから、お母さんの長電話にはあきれている。ぼくが、聞きたいことがあっても、お母さんが電話をかけ始めると聞くのをやめるのが普通である。

 しかし、「長電話をしそうやなあ。」と判断したら、電話中でも聞いてしまうほどである。ぼくが、「一時間ぐらいはしゃべってたで。」とぼやくと、お母さんは「そんな長いことしてた。」と言うからつくづくあきれてしまう。

 でも、人とのコミュニケーションだからあきらめている。人と話していると、時間がたつほど夢中になるぐらいだから、お母さんにとっては一つの楽しみかもしれない。

 Mさん(中1):

 私のおばあちゃんは、私が中学校に入学してすぐになくなりました。前の夜まですごく元気だったのに、寝ている間にいってしまいました。すごくやさしいおばあちゃんで、私の事をいつもかばってくれてました。

 制服を始めて着た時には、泣いて喜んでくれました。おばあちゃんと最後に話した言葉は、「おやすみなさい」という言葉でした。桜の花に誘われたようにいってしまいました。

 おばあちゃんの口ぐせは、いつも明るくて朗らかなやさしい気持ちを持てる子になれといっていました。私もいつか、この気持ちが持てる様な人になりたいです。

 S君(中2):

 アメリカなど土地の広い国はうらやましいなと思う。農業も大規模経営なので、出費も少なくてすむからです。地価も日本とアメリカを比べると、すごい差があるからです。コメの作り方も全く違うからです。アメリカではセスナ機をつかっているのが一番びっくりします。

 日本は山地ばかりで平野が少ない。平野があっても工業地になる。だから、公害が起こる。それだったら日本をますます悪くしていってるのだと思う。

 日本は急速に発達し過ぎたのじゃないかと思う。輸出入のことで、日本は輸出ばっかして輸入はしないと各国から批判の声が高まるのは当たり前だと思う。

 日本は他国のことなにも思っていないような気もします。日本も変わっていくと思うが、変わらないと今と同じままだと思う。

 S君(中1):

 ぼくは、夏休みに、いなかの鹿児島に帰りました。何年か前まではすごくきれいだった海も今では、ブリの養殖などですごく汚くなって、油やごみなどでおよげないほどです。

 すこし車で行くと、きれいな海もあるんです。だからみんなの心がけしだいできれいにもなるということです。だからみんなが海を大事につかってほしいです。

 このままいけば何十年後にはどの海でも泳げなくなるかもしれません。ぜひそんなことがおこらないように願いたいです。

  子供の感性は大人にも勝る

 このように、もちろん大人と子供の差はあっても、物事を素直に直球ド真ん中的に感じ取る能力だけは子供の方がはるかに上、勝ることはできません。大人も自身の子供時代、何を思い何を感じ何をしたかったのか機会あれば思い起こすことも必要なのかも知れません。あの時あなたも若かったんです。

 

 

 

 

 

 

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