子供との接し方は二者択一にこだわってはいけない

 親と子、先生と生徒との人間関係は単なる大人と子供の関係ではありません。従って、その関係は上下が理想かあるいは横並びつまり水平が妥当か、時々考え込むことがあります。

 親も教師も常に二者択一の環境にある

 特に、我々教育者の場合は余りにも先生ぶると生徒は距離感を抱きやすく、一方でフランクで友達的な付き合い方もそれほど簡単にできることではありません。このように常にどちらかを求められる二者択一の環境に置かれていることは現実的な身に迫る問題なのです。

 子供との関係は時に上下、時に水平

 しかし、子供たちの健やかな成長と大いなる将来性を思い遣ればどちらの姿勢も必要不可欠であるという結論に達します。あえて上から目線的な姿勢ばかりで接することも必要ですがその結果として

 子供が自主的な意欲を持たなければそれは指導上限界があるということです。だから子供目線の水平思考も求められます。

 両立は前向きな教育的効果がある

 上下と水平の一方だけでは十分な教育的効果は望めないのではないでしょうか。つまりこの教育というジャンルをもっと広範囲に考えれば「AもBも」という前向きに両立させるような考え方は大変重要であると思います。仮に子供が勉強だけの成果として出世コースに乗っかり仕事バリバリのエリートになれたとしても将来的にその他の想定外の悩みや苦労は避けることはできないでしょう。

 両立させるためには創意工夫する強い気持ちが必要

 私たちは人生の何かしらの節目において踏ん張って頑張って乗り越えることは大切ですが、一人の人間としての人格形成や情操教育をほったらかしにしても良いということはありません。やはり自分にとって必要なことは両立させるべきでしょう。時間のやりくりなど苦労をしながら絶えず両立させることを前提として創意工夫する強い気持ちがあれば必ずできると思います。

 いい子育ての条件は向上心を育ててやること

 家庭においても、AだけではなくBも頑張りながら両立させるんだという向上心を育てることがいい子育ての条件になることは明白です。そして子供の将来は、両立できたということが貴重な自信となって人間性を増し穏やかな人間関係を築く元になるかも知れません。

 バランスよく臨機応変に取り組めば面白くなる

 両立させるために必ずしも均等に努力する必要はありません。時と場合および取り組んでいる対象をバランスよく臨機応変に考えながら行えば一層の面白みを味わえるという想定外の経験をすることもあります。結局私が伝えたいことは、両立させるというのは平等に分けたその中間をとることではなくて、どちらか一つだけを頑張るより両立を目指して切磋琢磨する方が自分を新たなステージに押し上げるということなのです。

 両立させようとする気持ちが成長を強める

 参考までに具体的な例として日常生活の場合であれば、勉強時間を確保するためにいつもより早く起きて早朝学習をするとか寝転がっていても何か暗記をするとか、両立できるために考えられることをやってみようとする気持ちを育てることが自分の成長の度合いを確実に強めているのです。

 両立は「両方取り」という選び方の極みである

私の長年の教育現場である「塾」という存在においても、塾は学力向上だけの場なのかそれとも豊な人間性を養う場なのか」ということを考える時、どちらかに限定しようとするとはっきりとした結論は出ないと思います。なぜなら塾という教育媒体は、両方の切り離されない性質を併せ持っているからです。やはり人格の総合的形成の一つとして学力の向上を図ると捉えるのが塾の正しいポジション、つまり立ち位置であると思うからです。このように両方共に重要で必要な要素を兼ね備えているのなら二者択一制ではなく両方取りという選び方を優先するべきでしょう。これを踏まえて子供が選択に迷った時の一助にして欲しいものです。

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