学力アップはこころの余裕があるかないかで決定!

天高く馬肥ゆる秋。勉強の秋、スポーツの秋、いろんなチャレンジに最適な季節の到来です

第2第3グループ、伸びる可能性大

特に来春の入試が迫る秋ともなると、受験生諸君の集中力は次第に受験勉強に比重を高めていきます。まるでラストスパートのチャンスをうかがってるランナーがここ一番に勝負をかける様子に似ています。

成績がトップの子には、常に油断という危険が付きまといますが、ある意味このようなトップではない余裕のあるグループには意外とそれは少ないようです。トップでない分、周りがよく見えているのでしょう。特に、焦ることなく冷静に自分のポジションを守りながら勉強に専念できているようです。このような種類の生徒は、仮に受験に失敗しても切り替えが早く二度と同じような失敗を起こさないことが特徴です。

子供の息抜きは次へのステップの拠り所

親に気づいて欲しいことは、

心の余裕、あるいは気持ちを切り替える方法を子供が果たして身につけているかということです。また、心がホッとする気持ちがスッキリする趣味やスポーツなどがあるかどうか、あるのに親が受験の妨げになるからの一点張りで強制的に禁止していないかということをもう一度よく考えて頂きたいです。

勉強を嫌がることなくむしろ楽しんでるという子供は、きっと勉強の最中そのものを有意義に捉えていると思います。そして、リフレッシュも兼ねているのでしょう。しかし、このことを全ての子供に望むことは不可能です。従って、その子なりの独自のリフレッシュ法は認めてやる必要があります。

気持ちの余裕は両立を保ち、両立は集中力を高める 

トップに近いグループの集団は、最後のところでチャンスをものにする力があり、勉強と趣味などを上手にバランスよく両立させていると言えます。そんな彼らに、あえて一番を目指そうなんて余計な一言であり、せっかくの両立のバランスをくずし集中力を失うことになりかねません。ある程度の成績であり続けるなら、親はその成績を支えているものとして、残りどれくらいの力があるかを考えてやって下さい。結局、親のギスギスしない余裕ある姿勢や接し方が、子供を伸び伸びと勉強に向けさせる力になるのです。

合格の秘訣は勉強以外にある

私は常に、本来の受験のありかたは、子供が一人の人間として生きる能力の全てを評価するべきものであると考えています。しかしながら現実には不可能です。だから歴史的にも、その人間の能力を一番つかみやすい知識や知恵を試す方法を考え出してきました。また、運動能力や感性を測る試験も専門的に発展してきました。このような人間を評価する方法が分かれてきたことが、人間の能力の評価を誤解させる原因になっていると思われます。

勉強ができることを過大評価すると不幸を招く?! 

 つまり、勉強ができればいい学校に進学できる、そしてそれは人間として優れたことであるという考え方です。さらに現在では、この考え方の傾向に一層の拍車がかかり、受験の結果が人間の全てを測る有効な手段に使われています。確かにたくさんの知識を持つことは悪いことではありません。人と競争し自分の学習能力を高めようという気持ちも人間である以上自然なものと言えるでしょう。しかしそれを過大に評価することにより時に不幸を招くこともあるのです。

数字化できない勉強がある

 いわゆる主要5教科は、学校教育の重要科目です。だからと言って、そのすべてを身につければいいというわけではありません。他にも、読書やテレビ、映画鑑賞から学ぶこと、化学実験や観察などに熱中するのも勉強です。テストが伴う勉強は、必ず他の子供の結果と比べたがりますが、一方で成績なんか全く関係がない勉強があります。つまり、人間の能力を数字で表す方法は、多くの能力の一部にしか使われていないことを親は子育ての中でハッキリと知っておくべきなのです。

 例として、友達といつも仲良く遊べるということを数字化するなんてできませんが、これも立派な能力の一つです。また、子供が何か辛い状況にある時、考え込んで何とかその苦境を脱しようと根気強く考えることも数字では表せない能力です。学校で、テストとして数字で評価できる方法は、人間としての総合的な力の評価には役に立たないと言っても過言ではありません。

子供の人間としての基本資質をテスト以上に注目

 親として、子供に一番近い存在なのですから、このような数字化できない子供の能力を正しく評価して欲しいものです。テストの点数による評価がいいからと満足してしまって、他の優れた能力に気づかない場合が大いにあるのではないでしょうか。子供が本来持ち合わせているはずの、忍耐力、協調性、創造力、いたわりや思いやり、責任感、包容力など人間としての基本資質、正にこれらがテストの点数以上に注目してやらなければならないことなのです。

テストは出題者の意図を探れ

 受験時はそんな悠長なことなんかできない、私の経験上こんな親は実際多くいます。子供の将来性をつぶしかねない大変な誤解です。実際の受験の場では、実力的にはできない問題ではないにもかかわらず、落ち着きがないために問題を読み間違う、見直しをしないため答えの書き方をミスったり、およそ学力とは直接関係がない間違いが多く見受けられます。どんな問題であっても出題者の意図は力だけ限ったことではありません。注意力はあるのか?表現力は?判断力は?など、そこには限られた方法の中で、できるだけいろんな角度からその子の能力を判断する目的があるのです。このような傾向は、これからもますます増加すると予想されます。

これからのテストのあり方を知る

 今後は、単なる暗記力による上部だけのテストはなくなると思われます。丸暗記の知識量だけでは乗り切れないのが現在の受験状況です。だからこそ、学校の成績の結果に必要以上に一喜一憂することはこれからの子供の成長のために謹んで欲しいと思います。

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