小学4年生の自由研究におすすめのテーマとやり方

 夏休みの自由研究は、子どもたちにとって楽しくてやりがいのある活動です。しかし、どんなテーマにするかや、どうやってまとめるかなど、悩むことも多いでしょう。

 そこで、この記事では、小学4年生におすすめの自由研究のテーマを実験」「工作」「観察の3つのジャンル別に紹介します。

 また、それぞれのテーマについて、必要な材料や手順、考察ポイントなどを詳しく解説します。この記事を参考にして、小学4年生の自由研究を楽しく成功させましょう!

実験の自由研究

 実験は、科学的な現象や原理を体験することができる自由研究です。身近なものでできる実験も多く、驚きや発見があります。
 実験をするときは、仮説を立てたり、結果を観察したり、考察したりすることが大切です。
 以下に、小学4年生におすすめの実験のテーマを3つ紹介します。

①10円玉をきれいにしよう

 色がくすんだ10円玉を、家にある調味料できれいにしてみましょう。

用意するもの

●10円玉(調味料の種類の数だけ)
●綿棒(10円玉と同じ数)
●調味料(醤油、ソース、マヨネーズ、ケチャップ、酢、レモン汁、タバスコ、ラー油など)
●調味料を入れる小皿
●ティッシュペーパー
●食器用洗剤
●水

実験の手順

1.ティッシュペーパーに食器用洗剤と水を含ませて10円玉をこすり、汚れを取ります。表面の汚れは取れても色のくすみは取れないことがわかります。

2.10円玉1枚に1種類ずつ、綿棒で調味料をたらします。綿棒は調味料ごとに取り換えましょう。

3.15分ほど置いてから、調味料をふき取ります。どの調味料が10円玉をきれいにしたのか調べましょう。

考察ポイント

 10円玉は銅75%とニッケル25%の合金でできています。銅は空気中の水分や二酸化炭素と反応して酸化されると青緑色に変色します。これが10円玉の色のくすみの原因です。
 
 調味料に含まれる酸は酸化した銅と反応して塩化物や硫化物などに変えます。これらは水溶性なので、ふき取るときに溶けて落ちます。その結果、10円玉がきれいになります。
 
 酸の強さや量によって、10円玉のきれいになる度合いが変わります。酸の強さはpH値で表されます。pH値が低いほど酸が強く、高いほど弱いです。調味料のpH値は以下のようになっています。

調味料 pH値

●酢 2.4
●レモン汁 2.5
●タバスコ 3.7
●ケチャップ 3.9
●ソース 4.0
●マヨネーズ 4.1
●醤油 4.6
●ラー油 5.5

 pH値が低い調味料ほど10円玉をきれいにする効果が高いと予想できます。実際に試してみて、結果と仮説が合っているか確かめましょう。

②ペットボトルでろ過装置をつくろう

 ペットボトルで水をろ過する装置をつくってみましょう。

用意するもの

●500ミリリットルのペットボトル(同じ形のものを2本)
●砂
●小石
●活性炭(ホームセンターで入手できます)
●脱脂綿
●ガーゼ
●輪ゴム
●泥水
●カッター
●ビニールテープ

実験の手順

1.片方のペットボトルの底の部分と、もう片方のペットボトルの注ぎ口から10センチメートルくらいのところをカッターで切ります。切り口はとがっているのでビニールテープで保護しましょう。

2.底を切ったペットボトルの注ぎ口にガーゼをかぶせて輪ゴムでとめます。ガーゼをかぶせた注ぎ口を下にして、小石、脱脂綿、活性炭、脱脂綿、砂の順番に入れます。

3.注ぎ口を切ったペットボトルを受け皿として重ねて、泥水を上から流してろ過してみましょう。

考察ポイント

 水は重力によって下に流れますが、泥やごみは小石や砂などに引っかかって落ちません。これがろ過という現象です。
 
 小石や砂は大きなごみや泥を取り除きますが、細かいごみや色素は取り除けません。そこで活性炭や脱脂綿が役立ちます。活性炭は表面積が非常に大きく、多孔質な物質です。そのため、水中の有機物や色素などを吸着します。脱脂綿は細かい繊維でできており、水中の微粒子や細菌などを捕らえます。
 
 ろ過した水は透明になりますが、飲用する前には沸騰させて殺菌することが必要です。ろ過装置は水をきれいにするだけで、完全に安全にするわけではありません。
 
 この実験では、ペットボトルを再利用して簡単なろ過装置をつくりましたが、実際にはもっと高度なろ過技術があります。例えば、逆浸透膜やイオン交換樹脂などを使って水を精製する方法があります。
 
 水は生命にとって欠かせないものですが、世界には清潔な水にアクセスできない人々も多くいます。水のろ過技術の発展や普及は、人々の健康や生活の向上に大きく貢献します。

③コーヒーの色と味を調べよう

 コーヒーの色と味にはどんな関係があるのでしょうか。コーヒー豆の種類や焙煎度、抽出方法などによって変わるコーヒーの色と味を比較してみましょう。

用意するもの

●コーヒー豆(アラビカ種とロブスタ種の2種類)
●コーヒーミル
●コーヒーメーカー
●ペーパーフィルター
●カップ
●スプーン
●砂糖
●ミルク
●計量カップ
●計量スプーン
●タイマー
●メモ帳とペン

実験の手順

1.アラビカ種とロブスタ種のコーヒー豆をそれぞれ浅煎り、中煎り、深煎りの3段階で焙煎します。焙煎度によってコーヒー豆の色や香りが変わります。浅煎りは淡い茶色で酸味が強く、中煎りは赤茶色でバランスが良く、深煎りは黒っぽい茶色で苦味が強いです。

2.焙煎したコーヒー豆をそれぞれコーヒーミルで挽きます。挽き方によってもコーヒーの色や味が変わります。粗挽きは淡い色で軽い味、細挽きは濃い色で濃い味になります。

3.挽いたコーヒー豆をペーパーフィルターに入れてコーヒーメーカーで抽出します。抽出方法によってもコーヒーの色や味が変わります。ドリップ式は均一に抽出されてバランスが良く、エスプレッソ式は高圧で抽出されて濃厚で苦いです。

4.抽出したコーヒーをカップに注ぎます。カップごとに同じ量のコーヒーを入れるようにしましょう。計量カップやタイマーを使って正確に測りましょう。
コーヒーの色を観察します。どのコーヒーが一番淡い色で、どのコーヒーが一番濃い色か比べましょう。

5.コーヒーの味を試飲します。どのコーヒーが一番酸味が強く、どのコーヒーが一番苦味が強いか比べましょう。砂糖やミルクを入れても構いませんが、入れる量は同じにしましょう。計量スプーンを使って正確に測りましょう。

6.コーヒーの色と味の関係をメモ帳に記録します。色と味の違いは、コーヒー豆の種類や焙煎度、挽き方、抽出方法などの要因によるものです。それぞれの要因がどのように影響しているか考えてみましょう。

考察ポイント

 コーヒーの色と味には一般的に以下のような関係があります。
色が淡いほど酸味が強く、色が濃いほど苦味が強い。
 
 酸味はコーヒー豆の種類や産地、焙煎度などによって変わります。アラビカ種はロブスタ種よりも酸味が強く、高地で育ったコーヒー豆は低地で育ったコーヒー豆よりも酸味が強いです。浅煎りは深煎りよりも酸味が強いです。
 
 苦味はコーヒー豆の焙煎度や挽き方、抽出方法などによって変わります。深煎りは浅煎りよりも苦味が強く、細挽きは粗挽きよりも苦味が強いです。エスプレッソ式はドリップ式よりも苦味が強いです。
 
 コーヒーの色と味は個人の好みによっても変わります。自分に合ったコーヒーを見つけるためには、色々な種類や方法で試してみることが大切です。

工作の自由研究

 工作は、手先を使って何かを作ることができる自由研究です。創造力や工夫力を発揮することができます。工作をするときは、安全に注意したり、完成した作品を説明したりすることが大切です。以下に、小学4年生におすすめの工作のテーマを2つ紹介します。

①紙皿で風車をつくろう

 紙皿でカラフルな風車をつくってみましょう。

用意するもの

●紙皿(白いものと色付きのもの)
●クレヨン
●ハサミ
●画鋲
●竹串
●ビニールテープ

工作の手順

1.白い紙皿にクレヨンで好きな模様を描きます。
2.紙皿を4等分するようにハサミで切り込みを入れます。中心から端まで切らないように注意しましょう。
3.切った紙皿をひねって風車の形にします。切った部分の右側を中心に持ってきて画鋲で留めます。
4.画鋲で留めた紙皿を竹串の先に刺します。竹串の下の方にビニールテープを巻いて固定します。
5.風車が回るかどうか試してみましょう。風に当てたり、息を吹いたりしてみましょう。

説明ポイント

 風車は風の力で回ります。風が紙皿の切った部分に当たると、紙皿がひねっている方向に力が働きます。その力が画鋲と竹串の間で回転運動に変わります。
 
 風車の回る速さは、風の強さや紙皿の大きさや形などによって変わります。風が強いほど速く回ります。紙皿が大きいほど重くなりますが、風に当たる面積も大きくなります。

 紙皿の形は、切り込みの深さやひねり方によって変わります。切り込みが深いほど、ひねりが強いほど、風に当たる角度が大きくなります。
 
 風車はエネルギーの変換を示す例です。風の力は運動エネルギーです。それが風車に当たると、回転エネルギーに変わります。回転エネルギーは電気エネルギーや音エネルギーなどにさらに変わることができます。

②折り紙でカエルをつくろう

 折り紙でカエルの形をつくってみましょう。カエルは跳ねることができます。

用意するもの

●折り紙(緑色や茶色など)
●ペン

工作の手順

1.折り紙を正方形に切ります。折り紙を半分に折って三角形にします。
2.折った線を中心に、左右の角を上に持ってきて折ります。
3.三角形の底辺から上に少し離れたところで左右の角を内側に折り込みます。
4.三角形の底辺から上に少し離れたところで左右の角を外側に折り出します。
5.折った角をさらに外側に折ってカエルの足にします。
6.三角形の頂点から下に少し離れたところで、頂点を内側に折り込みます。
7.折った頂点をさらに内側に折ってカエルの顔にします。
8.ペンでカエルの目や口を描きます。

説明ポイント

 カエルは折った線を中心に跳ねることができます。折った線はバネのような役割をします。カエルの背中を指で押すと、折った線が曲がって弾性力がたまります。指を離すと、弾性力が解放されてカエルが跳ね上がります。

 カエルの跳ねる高さや距離は、押す強さや角度などによって変わります。強く押すほど、高く跳ねます。上に向けて押すほど、高く跳ねます。前に向けて押すほど、遠く跳ねます。

 カエルは生物の運動を示す例です。カエルは筋肉の収縮と弛緩で跳ねることができます。筋肉は化学エネルギーを運動エネルギーに変えることができます。カエルは食物から化学エネルギーを得て、それを跳躍に使います。

観察の自由研究

 観察は、自然や生物などを目や耳などで感じることができる自由研究です。観察力や発見力を養うことができます。観察をするときは、記録や分析をしたり、結果を発表したりすることが大切です。
 以下に、小学4年生におすすめの観察のテーマを2つ紹介します。

①空の色の変化を観察しよう

 空の色は時間や季節によって変化します。空の色の変化を観察してみましょう。

用意するもの

●カメラ
●時計
●メモ帳とペン

観察の手順

1.朝、昼、夕方、夜の4つの時間帯に空の写真を撮ります。同じ場所から同じ方向に撮るようにしましょう。
2.撮った写真に時間と日付を記録します。一週間ほど続けて観察します。
3.撮った写真を比較して、空の色の違いやパターンを探します。

説明ポイント

 空の色は太陽光が大気中の分子や粒子に当たって散乱されることで決まります。散乱される光の色は波長によって違います。波長が短い青色や紫色は散乱されやすく、波長が長い赤色や橙色は散乱されにくいです。
 
 太陽が高い位置にあるときは、太陽光は直接私たちの目に届きます。そのときは青色や紫色が散乱されて空は青く見えます。太陽が低い位置にあるときは、太陽光は斜めに大気を通ります。そのときは赤色や橙色が散乱されて空は赤くや橙色く見えます。
 
 空の色は季節によっても変わります。季節によって太陽の位置や日照時間が変わるからです。春や秋は太陽が低い位置にある時間が長く、空が赤くや橙色く見えることが多いです。夏は太陽が高い位置にある時間が長く、空が青く見えることが多いです。冬は日照時間が短く、空が暗く見えることが多いです。
 
 空の色は雲や汚染などにも影響されます。雲は光を反射したり屈折したりすることで空の色を変えます。汚染は大気中に不純物を増やすことで光の散乱を変えます。

②カタツムリの生活を観察しよう

 カタツムリは身近な生き物ですが、意外と知らないことも多いです。カタツムリの生活を観察してみましょう。

用意するもの

●カタツムリ(近所で採ってきたもの)
●ペットボトル(2リットル以上のもの)
●ハサミ
●ガムテープ
●土
●葉っぱ
●野菜の切れ端
●水
●スプレー
●ルーペ

観察の手順

1.ペットボトルの上の方をハサミで切ります。切った部分をひっくり返して、残った部分にはめ込みます。ガムテープで固定します。これがカタツムリの家になります。

2.土をペットボトルの中に入れます。土の厚さは5センチメートルくらいにしましょう。葉っぱや野菜の切れ端をペットボトルの中に入れます。これがカタツムリの食べ物になります。水をスプレーでペットボトルの中にかけます。土や葉っぱが湿っていることを確認しましょう。

3.カタツムリをペットボトルの中に入れます。カタツムリは1匹でも大丈夫ですが、2匹以上いると楽しいかもしれません。

4.ペットボトルの家を日陰に置きます。カタツムリは暑さや乾燥に弱いです。
毎日カタツムリの様子を観察します。食べ物や水は適宜補充しましょう。

5.ルーペでカタツムリの体や殻をよく見てみましょう。

説明ポイント

 カタツムリは軟体動物という動物の仲間です。殻や足や触角などが特徴的です。殻はカルシウムでできており、体を守る役割があります。足は筋肉でできており、粘液を出しながら動きます。触角は感覚器官であり、目や鼻や口などがあります。
 
 カタツムリは雌雄同体という性別です。つまり、一匹のカタツムリには雌と雄の両方の生殖器官があります。しかし、自分自身で卵を産むことはできません。他のカタツムリと交尾することで受精します。卵は土の中に埋めて産みます。
 
 カタツムリは植物食です。葉っぱや野菜などを食べます。口には歯がありませんが、舌には歯のようなものがあります。これを使って食べ物をすりおろします。

最後のまとめ

 この記事では、小学4年生におすすめの自由研究のテーマを「実験」「工作」「観察」の3つのジャンル別に紹介しました。それぞれのテーマについて、必要なものや手順やポイントなどを詳しく解説しました。

 自由研究は、自分の興味や好奇心を満たすだけでなく、学習や発表のスキルも身につけることができる活動です。この記事を参考にして、小学4年生の自由研究を楽しくやり遂げましょう!

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