オリックス・バファローズの山本由伸投手は、プロ野球史上初となる2年連続の投手5冠を達成しました。彼はどのようにしてこの偉業を成し遂げたのでしょうか?
この記事では、「山本由伸の何が凄いのか」について徹底解説します。
山本由伸とは?
山本由伸は、1998年4月16日生まれの23歳です。高校時代は、大阪桐蔭高校で甲子園に3回出場し、2度の優勝を経験しました。2016年のドラフト会議で、オリックスから1位指名を受けて入団しました。
プロ入り後は、即戦力として活躍し、2017年には新人王に輝きました。2019年には、18勝、防御率1.39、206奪三振、勝率.783という圧倒的な成績で、最多勝、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の4冠に加えて、沢村賞と最優秀選手賞も受賞しました。
2020年には、15勝、防御率1.68、205奪三振、勝率.789という驚異的な成績で、再び4冠に輝きました。これにより、山本由伸は、プロ野球史上初となる2年連続の投手5冠を達成したのです。
2021年には、コロナ禍の影響で開幕が遅れたものの、14勝、防御率1.45、198奪三振、勝率.824という素晴らしい成績で、3年連続の4冠を達成しました。また、WBCにも日本代表として出場し、3試合に登板して2勝、防御率0.00、21奪三振という完璧なピッチングで、日本の優勝に貢献しました。WBCの最優秀投手賞と最優秀選手賞も受賞しました。
2022年には、オリックスの主力としてチームのリーグ優勝と日本一に大きく貢献しました。個人成績も、17勝、防御率1.52、211奪三振、勝率.810という驚くべき数字を残し、4年連続の4冠を達成しました。沢村賞と最優秀選手賞も4年連続で受賞し、プロ野球史上初の快挙を成し遂げました。
2023年には、さらに自己記録を更新するという驚異的なパフォーマンスを見せました。19勝、防御率1.31、224奪三振、勝率.864という圧倒的な成績で、5年連続の4冠を達成しました。沢村賞と最優秀選手賞も5年連続で受賞し、プロ野球界に衝撃を与えました。
山本由伸の投球スタイルと特徴
山本由伸の投球スタイルは、ストライクゾーンの中で150キロ超の直球とスプリットを投げ分けてカウントを取るというものです。カットボール、カーブ、ツーシームも真ん中から散らして勝負できます。どの球種をとっても平均点が極めて高く、決め球になります。
投球フォームは、一見、独特な腕の使い方をしていますが、テイクバックではしっかり右腕をたためていて、軸となる右足も最後に力強くプレートを蹴ることができています。だから、上からたたいて投げられ、ボールは角度のついた軌道を描きます。
また、無駄なひねりがないため、体にかかる負担は少ないです。それでいて、左肩の開きはぎりぎりまで我慢できており、球の出所が見えにくいです。そもそも、投げ方が理にかなっているから握りを変えているだけで、全球種の腕の振りがほとんど同じです。打者が狙い球を絞れない理由は無数にあります。
トレーニング方法も非常に変わっています。ウエイトトレーニングを一切しないですし、今の時代と逆行しています。元々彼が持っているセンスもあるのですが、すごいセンスの持ち主です。
山本由伸の球種は、以下のように分類できます。
直球:
最速158キロの速球で、球威とコントロールが抜群です。ストライクゾーンの中で投げ分けて、打者を圧倒します。ツーシームも使い、内角や低めに切れ込ませます。
スプリット:
山本由伸の代名詞ともいえる変化球で、直球と同じ腕の振りから、150キロ近いスピードで投げられます。打者の手元で急激に落ちるため、空振りを奪うことができます。カウントを取るだけでなく、決め球としても使います。
カットボール:
直球と同じように見えて、外角に切れる球です。右打者には内角に投げて、バットを折るような効果があります。左打者には外角に投げて、打ち損じさせます。
カーブ:
山本由伸のカーブは、大きく縦に曲がる球です。直球とのコントラストが大きく、打者のタイミングを外します。カウントが有利なときに、ストライクゾーンの下に投げて、見逃し三振を狙います。
山本由伸の今後の展望
山本由伸は、まだ23歳と若いです。故障に気をつけ、この先、後輩たちの良き手本にもなってもらいたいです。また、将来的にはメジャーリーグに挑戦する可能性もあります。
すでに、米メディアからは「山本由伸へのオファー、3億ドル(約426億円)強の争奪戦へ」という報道が出ています。山本由伸は、日本のエースとして、WBCでも活躍が期待されます。彼の投げる姿は、野球ファンの心をとらえるでしょう。
*注(オリックスから大リーグ移籍を目指す山本由伸投手(25)が21日ドジャースと契約合意。12年契約で3億2500万ドル(約463億円))
しかし、メジャーリーグへの移籍には、いくつかの課題や不安もあるでしょう。
まず、山本由伸は、ウエイトトレーニングを一切しないという独自のトレーニング法を貫いています。これは、日本のプロ野球では通用していますが、メジャーリーグではどうでしょうか?
メジャーリーグの打者は、パワーとスピードを兼ね備えた強打者が多く、山本由伸の150キロ超の直球やスプリットも打ち返される可能性が高いです。また、メジャーリーグのシーズンは、日本のプロ野球よりも長く、試合数も多いです。山本由伸は、その過酷なスケジュールに耐えられるだけの体力や精神力を持っているのでしょうか?
さらに、メジャーリーグでは、日本のプロ野球とは違うルールや環境にも対応しなければなりません。例えば、DH制の有無や、ボールの質や大きさ、球場の広さや高度、審判の判定基準などです。これらの要素は、山本由伸の投球に影響を与える可能性があります。
まとめ
山本由伸は、プロ野球史上初となる2年連続の投手5冠を達成した、まさにパーフェクトな投手です。しかし、メジャーリーグでは、新たな挑戦が待っています。山本由伸は、メジャーリーグでも日本の誇りとなる投手になれるでしょうか?私たちは、彼の活躍を応援しています。