成績アップには繰り返すは必要不可欠です

特に、小学校の教育現場でよく用いられる「ドリル学習」という言葉。計算や漢字の書き取り問題など、主に基礎的な練習に使われますが、これの本当の狙いや目的はご存知ですか?

ドリル学習の効果と知られざる盲点

ドリルという言葉は、工具なんかにも使われます。あのねじれた溝がある丸い鉄棒のことで、特に穴を開けるために使われる道具です。グルグル回しながら押し込んで穴を開けます。

この単調な動きからわかるように、ドリルという言葉の意味の中には、同じことを繰り返す、反復練習というニュアンスが込められているようです。つまり、ドリル学習ということは、単純な勉強を繰り返し頭の中に刻み込むのを目的とする学習方法とでも言えるのではないでしょうか。

ところが実際は、

そのような結果が出るまで何回も繰り返す使い方ではなく、わずか数回程度繰り返すだけ。反復学習の大切さが現代では軽視されているような気がします。

基礎は繰り返すそして継続こそ力なり

単純なことを、黙々と繰り返し続ける、子供にとってこんなに辛い作業はありません。今となっては懐かしい限りの「掛け算九九」、一体何回繰り返させるんだと不満いっぱいで覚えさせられました。しかし、それがあっての今は、忘れずに日常の生活の中で無意識に使っています。これは典型的な基礎訓練のたまものですが、全ての学習の基本と言ってもいいと思います。基礎あっての応用であり発展へと向上して行くのですから。

理屈ではなく体の一部として感覚づける

私たちは、このような反復学習によって身についた計算方法や文字や漢字を用いて、さらに高度な問題にチャレンジし自分の実力をステップアップして行きます。言い換えると、新しい問題を考えるための必要な基礎知識ですから、問題を考えながらその都度頭の中で思い出したりするレベルのものではありません。むしろ、あたりまえとして体の一部になっていなければならないのです。体で覚えているからこそ条件反射的に頭の中に思い出されるのです。

同じことを何回も繰り返す。わかった気になってもまだ繰り返す。繰り返すたびにいつも結果がいい、そしてスピードアップもできれば、この訓練の効果が付き始めたということです。一度、体で覚えたものは、なかなか忘れにくいものです。

反復学習のメリット&デメリット

生徒の皆さんも、英語の単語やフレーズ、数学の公式などをふと思い出すことがあると思いますが、やはりくり返し練習しながら覚えたことはいつまでも頭のどこかに残っているものです。これが反復練習の大きな長所です。ところが、この方法はあまりにも単純すぎて、子供が一人で続けるためには大変な努力、特に根気が要ります。親が励ましの声掛けをくり返しながらサポートしてやって下さい。

冊数vs回数、勝者は → ?

この反復学習の効果は、受験勉強にも大いに効果があります。本屋さんにはたくさんの参考書や問題集が並んでいます。しかし、私のこれまでの長い指導経験上それらはどれもこれも大同小異です。よく何冊も買って最後まで終わらないまま途中で投げ出す子供がいますが、まず自分に合いそうな一冊を最後までやり切ってみることです。そして、また最初へ戻って2回目→最後まで終わったら、またまた最初から3回目、と繰り返します。同じ物で何回も繰り返しますから、自分のわかり具合や速さの変化がとくわかります。自分の子供が本の使い方などで悩んでいる時、「冊数より回数が大事」と教えて下さい。この方法は、小学生はもちろんのこと、大学生まで共通した有効的で確かな実力が付く方法であると勧めます。

習慣化すると苦でなくなる、これってホンマ?!

 そして、勉強することは特別なことではなくて、毎日の生活習慣の一部として実践させるのは親の役目でもあります。「日々是充実」、実にいい言葉ですが、具体的にはどんな生活であれば充実しているといえるのか。

 子供でも大人でも自分にとって何かいいことがあればささいなことでもうれしいものです。しかし、悲しいかな、いいことはそんなに続きません。一日の中で、たとえいいことがあっても、いやなことが一つでもあれば喜んでばかりもいられないほど暗い気持ちになります。

充実=単調・地道・平穏無事

 日々充実、ということは、何事もなく平穏無事に過ごす意外と地味で単調な日々かもしれないという気もします。特別いいこともなかったけど気分を害するいやなこともなかったということが充実の本来の意味ではないでしょうか。

 毎日を充実させる、何か仰々しい特別感を感じますが、毎日しなければならないことを可もなく不可もなくやり続けることかもしれません。自分に合ったリズムで生活をすることが毎日の生活を充実させる要因であることを子供に教えて下さい。そして、できるだけ早いうちからこの生活のリズムを身につけさせて欲しいものです。

楽しさはハプニング、偶然を求めない

 一方で当の子供たちは、毎日が面白く楽しく刺激的である方がいいに決まってます。さらには、変化があってこそ充実すると思い込んでいる子もいます。テレビやスマホなどいろんな情報などから、有名人たちの多忙な生活ぶりから思い込んでいるのでしょう。

 しかし、現実問題として、楽しい出来事は偶然の産物であり平凡な生活の一種のアクセサリー的な存在でしかありません。毎日楽しいことばかり起こるはずがありません。楽しさばかりを求め続けるのは理想、でなく夢想ではないでしょうか。

毎日のとっかかりを作ることがリズム作り

 親として、子供には、単調に思える生活であっても、その日のするべきことをきちんとこなす喜びを教えて下さい。気分がいいからいつもよりたくさん勉強し、気分が乗らないからしない、というような波があるならいつまでたっても生活の中に規則正しいリズムは生まれません。時間が少なくても一日に一度は机に向かう習慣をつけさせましょう。毎日の単純な課題をこなせない子が、大事ごとの時にどうして力を発揮できますか、絶対にできるはずがありません。単調だからこそ、喜び事があれば全身で飛び跳ねるくらい大喜びをしたくなるのです。

 従って、子供に、毎日やるべきことは何か言わせて実行させて下さい。そして、きちんとやっておけば、明日を積極的な気持ちで迎えられる、「備えあれば憂いなし」とわからせて下さい。

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