仕事柄、毎日例外なく私の周りは子供だらけ。日々彼らが発する表情や行動、雰囲気、一日たりとも同じ日はありません。子供たちの心が実に新鮮で柔軟である証でしょう。そして、受け取り方が素直だからこそこちらのアドバイスがうまく伝われば大きな変化を見せることも多々あります。時には涙を流すほどストレートに感動し新たな意欲を高めてくれます。これこそ教師冥利に尽きることであり40数年教壇に立たせてくれた原動力でもありました。
親は子供を感動させるネタ探しをする
家庭においても同じです。親はこんな子供たちの心を揺さぶるような「ネタ」を常に探して欲しいと願っています。テレビ新聞ラジオなどのメディア、パソコンやスマホなど現代は情報収集に事欠くことはあり得ません。常に感度の良いアンテナを張り的確な生きた情報を取り込むという作業を地道に続けることも子育ての必要な条件ではないでしょうか。必死になって探せば苦労したかいがあったと言えるほどの感動を与えるネタは必ずあるものです。例えばこんなネタが・・・。
ネタ:どんなことでも最初の最初から上手く行くことなんて滅多にない
1.初めてのサッカー・・・初めて蹴ったボールを相手にちゃんとパスできたか
2.初めての野球 ・・・初めて振ったバットにボールは当たったか
3.初めての自転車 ・・・最初からこけずに補助なしで乗れたか、などなど。
「何回も転んだり擦り傷をつくり泣きながらでも途中であきらめず勇気を持ってチャレンジしたからいろんなことが当たり前のようにできるようになった。勉強することも全く同じ何も違うことはない。難しい問題でもあきらめずできるところまでやってみるというチャレンジ精神は全く一緒。」このように子供に関連した感動ネタは毎日の生活の中にありふれています。親は意識して子供にふさわしいこれという一番ネタを探すことも必要ではないでしょうか。
子供をやる気にさせるネタは日常にある
こんな日常にありふれた何気ないことでも、それが大人にはネタとして物足りなく思えても子供は大いに感動するものです(私の実体験済)。理解と納得を得られれば本当にがんばるようになるのです。だからこそ、親が絶えずネタ探しのアンテナを張っておけばこの程度の例えは必ず得られることです。気が付くかつかないかは親自身のヤル気と意識の深さ次第です。
目標の決め方は身近なものに設定しない
大人でも子供でも誰であっても共通することですが、ヤル気を出す即効性のある方法は、目標の決め方です。そしてその達成に向けて、人生という目標を大海に例えて考えれば、「自分丸」という船に乗って「ヤル気」というオールで漕ぎながら進むようなものと思いますが、オールを漕ぐ力が弱まる(つまり、やる気が萎える)と先に進めませんし、ふらふらとさまようことになりかねません。横波を受ければ自分丸は転覆(いわゆる挫折状態)し目標達成はできないということになります。一番最初の正確な方向付けとひとかきずつ漕ぐ力、そして漕ぎ続ける強い忍耐力が合わさって初めて進めるということを親自身もハッキリと認識することが大切です。
いかにやる気を強くかつ持ち続けることが大切か、そしてそのためには目標の決め方を工夫する必要があります。なぜならば目標を持つことの大切さはわかっても実際の目標の立て方が上手くいかない人がとても多いです。それは多くの人が余りにも目先のことにとらわれて現在の自分に身近な目標ばかりを設定しようとするからです。とにかくその場限りの短絡的な決め方ではなく、もっと先を見据えた決め方ではないから途中で方向を間違ったり見失ったり挙句の果ては挫折したりするのです。
正しい目標の決め方は最初に最終の目標から決めていく
子供にも正しい目標の持たせ方、つまり最終の目標をどこに設定するか、そのためには今は何をしたらいいかということを教えて欲しいと思います。この決め方は、未来の最終目的から現在までの全ての行動に意味がありますから途中でやめられなくなってくるのです。単に夢想とは違いますから、目標を達成するためには具体的に何をすればいいのか何が必要なのかが一本のライン上に見えてきますからしっかり考え明確に自覚することができます。
目標を決めさせることは学びがあり意志と行動力養成の機会である
これは子供のレベルとはいっても決して生半可な軽々しいことではありません。ちゃんとした学びがあります。具体的な方法論を学ばせ、着実に実行する強い意志と行動力を身につけさせる絶好の機会であると思います。親は子供が現実という足元を見据えながら未来という遠方に可能性を馳せる「思い」の習慣作りの手助けを大いにやって欲しいものです。子供は親の思いが真摯であるほど素直な気持ちで受け取り自然と遠い眼差しになり来る自分の将来を今まで以上に深く考えるようになるのです。
☞ なぜ好奇心が人生の分岐点になるのか、その秘密を探ってみました