子供が何か困難に遭遇した時、できるだけ自身の力でどうやって解決しようとしているかよく見ておいて下さい。そして、子供らしさって何なのか、子供らしい行動ってどんなことをするのかよく観察して下さい。
子供の行動の中に積極性を見出す
雨の日、傘を忘れた子供が濡れて帰って来た時、親が、「だから傘を忘れないようにって言ったでしょ。ダメじゃないの」。
対して子供は、「でもね、走って帰ればそんなに濡れないから」。言い得て妙。とても機転の利いた受け答えです。
一見トンチンカンな答え方ですが、いかにおかしなものであろうとその行動の中に、その子の積極性を見出してやりたいと思います。
結果だけではなく過程の動きを評価する
困ったことが起きた時、子供が何を考えどう行動したかをよく考えてあげて欲しいのです。
すぐに誰かに頼ろうとする子がいます。自分では何をしたらいいのかわからないからです。それも子供なりのやり方のひとつですが、まず自分一人の力で苦しい状況を乗り越えようとする姿勢を身につけて欲しいものです。
たとえそれが上手くいかなくても、失敗に終わろうとも、無駄になってしまっても、親は結果だけで子供の能力を評価してはいけません。
何よりも大切なことは、とにかく他に頼らずに独力で問題を解決しようとしたか、そのためにどんな知恵を絞ろうとしたか、ということなのです。
解決の仕方で生き方に大差出る
ただ、親が怒ってるから身を隠しておけば安心、的な考えの子供は、考え出した知恵というものを逃げることの手段にしか使いません。
自分を隠そうとするのかあくまで自分で責任を取ろうとするのか、いずれにしても困った時、どのように問題を解決しているのかで本当の力のつき方に大差が生まれてしまうのです。
孤独さの中の独力が真の力
長年の交通手段である電車の中はいつも様々な人生模様が見受けられます。
仕事柄、無意識のうちにどうしても中高生や子供たちを観察しやすいのですが、グループでにぎやかに会話をしながら帰宅時間を楽しんでいる光景がよく見られます。
そして、一駅一駅とグループの仲間たちが降りて、最後に一番遠くから通う生徒が一人残されてしまいます。さっきまでの騒々しさも一人になると静かなものです。
人間とは、不思議な生き物です。グループでいる時には元気良く振る舞っていても数が少なくなると何か弱々しく見えるようになるんですから。
友達が多い少ないは自己の成長には無関係
親は、子供に友達ができなければ不安がったりしますが、友達が多いからと言って本当に安心してばかりでもいられません。一人になると不安でたまらないという子供がいます。
大人でさえ同じようなタイプの人がいます。絶えず周りの人に話しかけていないと気が済まない、足しげく隣近所に出向く世間話好きなおばさん、初対面なのにまるで昔の友人に出会ったように話が弾む主婦など、いずれも人恋しいのでしょう。
確かに、友人をたくさん作ることができる能力はそれができない人にはうらやましく思えるものです。友人の少ない人の目からは、仲良く和気あいあいとしゃべる人たちがまるで自分を無視しているかのように恨めしく思えたりするものです。
子供の世界も然りです。友達がたくさんいればいるほどその子は自慢げに胸を張ります。味方が多いのですからこれは当然のことでしょぅ。しかし、それで全て良しとはなりません。むしろ憂うべきことです。
仲良くする助け合うための「妥協」
集団の人数が増えれば増えるほど、その人たちがまとまるためにはある程度の妥協が必要になります。自分だけはもっと高めを目指したいと思っても、周りのレベルが低い物であれば、当然そちらに合わさなければなりません。
それを苦痛に感じる人もいますが、集団である以上こうした我慢は避けることはできません。さらに、集団でいることの心地よさに慣れきってしまうと、一人でいることがとても耐えられ難くなるものです。
友人とはできるだけいつも仲良く助け合い、自分一人の時は、自分自身に厳しくするという姿が望まれます。
現実的には、どちらかに傾き上手に両方のバランスを保つことは難しいということです。友達と一緒でなければ遊べないという子には、一人でいることの大切さを親は教えてやって下さい。