自立心が強い子に育てる条件は物や情報の豊かさが全てではない

 自立心が強い子に育てる条件は物や情報の豊かさが全てではないということをしっかりと理解しておくことがとても大切です。

 自分を取り巻く環境に恵まれないからこそハングリー精神とともにいろいろな「欲」を満たすために自立心が芽生えるのです。

 生きる目的、生きてる実感、生きる苦労を親子で分かち合う

 あまりにも不要なものが多くなり過ぎたせいで、今の子供たちを取り巻く家庭環境は、何事もスイッチひとつで用足りて季節の変化に疎くなり至れり尽くせりの実に柔軟な構造になってしまってる感があります。

  親の真の役割は子供に自立心を育てること

 例えれば、ぬるま湯的環境です。ぬるま湯に入っている間はその心地よさのために長く入り過ぎると逆にけだるくなり、そして出た後は風邪を引きやすくなるのは当然です。このぬるま湯感が過保護なんです。その過った保護は子供を不幸にするということです。

 なぜなら、子供の手足の自由だけではなく頭の能力(特に、考え方)も奪い取っていることと同じだからです。従って、親はわが子を可能な限り幼いうちから独り立ちの精神を子供の中に育てなければならないと思います。

 親はそんなにいつまでも子供をかばっている時間はありません。親がいつこの世を去っても、その瞬間から自力でこの冷たい大空を飛んでいけるだけの強靭な意志と体力をいち早く身に着けさせた親が、実は最も心優しいと言えるのではないでしょうか。

 家事の分担と義務は生きる苦労を乗り越える訓練

 それには、この時代を生きる苦労を親子ともどもみんなで分かち合って互いに手を取り合い苦労を乗り越えていく心がまえを大切にしたいものです。子供自身も、家庭生活の面で様々な緊張がなければなりません。その年齢にふさわしい家事の分担と義務を果たし、そして果たすことによって生活の知恵と自立心を身につけさせたいと思います。

 不要 → 価値がない=無感動 → 捨てる=やさしさの喪失

 不要なものは与えないことです。子供たちが手にするものは、全て価値がなければならないのであって、価値とは=感動と考えれば間違いはないと思います。感動のないものを次々と先回りして与えれば、また次々と捨てることになるでしょう。どんなものであっても人間が作ったものである以上はその人の心を捨てていくのと変わりがないのです。ここで人を憂う心が、つまりやさしさが一つ失われ、心の退行が始まるのです。

「現代」をテーマにした親子の語らいは効果的な子育てメソッド

 よく落ちこぼれとか落ちこぼしとか言いますが、たいていの人は学校の成績だけを基準にしがちですが、心身ともにそれがないかどうかをおろそかにしてはならない時期がきたのではないでしょうか。

 そのためにも、家庭の健全な環境づくりの一つとして、子供の将来のことはもちろん、現代とはどういう時代かなどについて話し合うことも必要な気がします。現代とは正しく今、平和の時代、物が豊富で繁栄の時代、情報化の時代などとよく言われます。生活の豊かさがこれまでのどんな時代よりも勝っていると信じられている時代です。

 物や情報の豊かさは子供を勉強好きにさせる全てではない

 確かに、物資が豊かで平和であれば人々が生活する上でこんなに安心なことはありません。子供たちが青春を生きる上でも実に快適な時代であると言えなくはないからです。しかし、果たしてこの豊かさが、子供たちの青春にとって本当に価値があるものでしょうか。物資が豊富で情報が行き届いていることが、青春を生きる上で本当に幸福につながるものであるかどうかは考えてみなくてはならないでしょう。

 言うまでもなく、物資はないよりもある方がいいです。情報も、特に青春時代にはあれこれと欲しくなるものです。でも、物資があまり多すぎると、我々は物に対する価値観を失い、物のありがたさについて無感覚になりがちなように、情報についても正確不正確入り乱れた情報が限度以上に多くなると、悪いことの方が多くなってきて地に足のついた生活ができにくくなります。

 現代は、いわばこうした過剰の中にあるわけで、子育てに関しても過剰な情報のためにややもすると混乱を引き起こし、正しい子育てメソッドを見失いがちな時代であると言っても過言ではありません。

 これは、大人である親だけではなく、現実をリアルにとらえるために必要な情報以外の過剰な情報が子供たちにも確実に及んでいると危惧しています。

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