間髪入れず出るわ出るわ饒舌と言うよりマイペース過ぎる言葉の数々with興奮、まるで機関銃。私も割って入るタイミングなし。とにかくしゃべりたい聞いて欲しい子育てのストレス発散シンドロームです。40数有余年の教育経験の中で該当者5名ほど(全員母親)。本当に目が点になるとはこういうことなんだと体感した瞬間でした。
母親の言いたい聞いて欲しい姿勢に圧倒
いやあ、今思いだしても記憶に鮮明なすごいエネルギッシュなお母さん方でした。ある真夏の昼下がりに行われた定期懇談会の時、教室内はもちろんクーラーが入り私も上着を着ての対応でしたが、目の前のお母さんは半そでのティーシャツにもかかわらず汗びっしょり、ハンカチで拭き拭き必死にしゃべる様子は正に無心状態。(ちょっと気の毒にも思えたので)よし、この際!と私も開き直って(三歩引いて)聞く姿勢に徹したという経験があります。
素直であることの効果は大きく問題解決のファーストステップ
それで話の内容の八割がたは家庭内のいろんな(あり過ぎる)不満が中心です。家庭の土壌の手入れができてない状態を自ら露呈されているのですが、そんなことにお構いなくお話は長々と続きました。その後、合間合間にタイムリーにアドバイス的なことを伝えることができたのですが、相談された家庭内の問題を改善するにはかなりの努力と時間がかかるような気がしました。なぜ?
あのお母さんには何と言っても「素直さ」が足りないと感じたからです。誰にでも当てはまることなんですが、人間にとって素直であるということがいかに自分に関わる物事を首尾よく取り繕ってくれるか、またいかに素直に人から学ぼうとする気持ちを持つことが重要なことかきちんと理解しておくことが大切なんです。お母さんがまず相手の話を良く聞けるようになった時が家庭内の問題解決の一歩ではないでしょうか。会話が余りにも一方通行ですから、推測ですけど子供の言い分なんかほとんど聞く耳ないんじゃないでしょうか。
素直に指示に従えば上達が早い
私自身もよく口にするんですが、素直な心で学べば必ず飛躍できるんです。素直さって物事の成長の基本の心構えでからね。例えば、子供達へ問題の解き方を説明する時も最初の注意として、自分でさっさと勝手に解かないで先生の解き方をしっかり参考にしてからやるように指示します。もちろんこちらの指示に素直に従う子供はそうじゃない子供より理解が早いのは当然のことです。
まず親の自分が変化すれば➡子供も変わろうとする➡家庭環境も変わる
先ほどのお母さんも私と懇談する以前からこんな素直に聞く大切さを学んでいたらあんなに汗だくにならなくても良かったのにと真面目に思います。そして、あんなに深刻に問題提起もされなかったのではと推察されます。
自分が子供に対していい変化をすればそれにつれて子供からの信頼度はアップし、今度は子供達もそれなりのいい成長の変化を見せようとしますからお互いの変化を認めながら結局は結果として自分自身が充実するんですよ。まるでブーメラン現象ですね。
親が変われば桶屋が儲かるって?(親の変化って周りへの影響力大、良くも悪くも家庭を大きく変える強力な原動力になる)
できることなら、いつまでも和気あいあいといい親子関係でいたい、自分から進んで机に向かうような意欲溢れる勉強好きな子供になって欲しい、そのために両親仲良く子育ての価値観を共有し協力し合って家の庭という土壌の手入れを怠らず手間暇を惜しまない子育てをやらなければと願う強い気持ちと実行力が、親としての自分を変え子供を変え家庭環境を変える原動力になるのではないでしょうか。少なくとも私はこれまでの親との数知れない懇談という貴重な情報交換の場を通して十分感じ入った結論です。