頭のいい子の家庭の共通点は親の役割と家庭環境

 親なら誰しも、自分の子どもには「頭のいい子」になってほしいと願います。しかし、その背景には、子どもの将来の幸せや社会での活躍を望む気持ちがあるのではないでしょうか。だとしたら、「学力」だけではなく、「社会で通用する頭のよさ」を身につけることが大切です。では、「頭のいい子」とはどんな子でしょうか?(PR)

 テストで満点を取る、コンクールで入賞する、グループのリーダーになる……。人によって感じ方は違うかもしれませんが、こうした子どもたちは「頭がいい」と言われることが多いでしょう。

 しかし、ビジネスの世界では、こうした学力とは別の「地頭」という概念が注目されています。「地頭」とは、論理的に考えたり、人とコミュニケーションをとったりする能力のことで、問題解決に必要な基礎的な力です。車に例えるなら、エンジンのようなものです。現代社会では、この「地頭」が重要視されています。

 今回は、「学力を伸ばす」だけでなく、「社会で成功する」ために必要な「地頭」を育てる方法について、科学的なデータや実際の事例をもとに紹介します。

地頭は遺伝するのか?

 子どもの頭のよさには、遺伝子が関係していることがロンドン大学などの研究で明らかになっています。読み書きや計算などの能力には、生まれながらに持っている遺伝子が影響を与えているのです。しかし、それだけではなく、子どもの成長には環境も大きく関わっています。地頭が良くても、環境が悪ければ能力を発揮できないこともあります。逆に、目立った才能がなくても、環境が良ければ子どもは持っている力を十分に発揮できることもあります。

 また、別の研究では、「社会で成功する」には、数値で測れる「認知能力」よりも、数値で測れない「非認知能力」の方が重要であると言われています。「非認知能力」とは、創造力や共感力などのことで、人との関係性や自己管理などに関係しています。

 つまり、地頭を育てるには、遺伝子だけでなく、環境も大切だということです。子どもが持っている力を最大限に引き出すには、能力は努力次第で伸ばせるという考え方を育てることが大事です。この考え方を「成長型マインドセット」と言いますが、この考え方を持つ子どもは、自分で限界を決めてしまう子どもよりも能力が伸びることが分かっています。

 そのためには、親としてできることがあります。それは、結果よりも過程をほめることと、子どもの失敗を受け入れることです。たとえ結果が良くなくても、過程をほめることで、子どもは改善しようという気持ちを持ちやすくなります。失敗を責めると、子どもはやる気を失ってしまいます。どうすればもっと良くなるかを考えさせて、失敗は成長のチャンスだと教えましょう。

大切なのは、子どもに自分の力で頑張れば成長できると信じさせることです。

自由な遊びが子どもの頭を良くする

 ドイツの大学の研究で、135人の大人(男性41人、女性94人、年齢層20~66歳)にアンケートをとったところ、子どものころに「自分の好きなことをやっていた」と答えた人の方が、「決められたことをやっていた」と答えた人よりも、社会で活躍している割合が高かったそうです。さらに、前者の人は後者の人よりも、社会に適応できる力や、目標に向かって柔軟に行動できる力、自分に自信があるという心の特徴が強かったとのことです。

 研究者たちは、子どものころに自由な遊びをすることが、これらの心の成長につながり、大人になってからも社会で成功しやすくなると考えています。しかし、今の子どもたちは、お稽古事や勉強で忙しかったり、車が多かったり危険が多かったりして、親が気軽に「好きなことをやりなさい」と言えない状況にあります。それに、「好きなことをやっていい」と言われたら、テレビやゲームに夢中になる子どももいますよね。

 この研究の重要なメッセージは「子どもに選択させ、自由な遊びをさせる」ということですが、現代の子育てにどう取り入れればいいでしょうか?たとえば、お稽古事も勉強もない日曜日の午後。お菓子と飲み物を持って公園に連れて行ってあげれば、子どもたちは自然と興味のあるものに走っていきます。親が見守れる範囲で、子どもたちに自由に遊びのアイデアを出させてあげましょう。こんなやり方が今の時代にはぴったりだと思いませんか。

子どもの興味を伸ばしてあげると頭が良くなる

 子どもは自分の好きなことや興味のあることに夢中になってやりこみ、頭を使って目の前のことを深く理解しようとしたり、問題にぶつかったら答えを探そうとします。このような経験をたくさんすることで、頭の回転が速くなっていきます。

 子どもが興味を持って自分の気になることを追いかけているときは、親は応援してあげてください。興味の対象は人それぞれ違うので、できるだけ色々な経験をさせてあげて、その子の反応を見てみましょう。すぐに自分の好きなことを見つける子もいるし、じっくり時間をかけて探す子もいるでしょう。また、ずっと同じことに取り組む子もいるし、すぐに飽きてしまう子もいるでしょう。

 子どもは色々なことに挑戦していく中で、論理的に考える力や集中する力、問題を解く力など色々な力を身につけていきます。そのためにもなるべくたくさんの資源を提供してあげてください。

 サポートするだけでなく、時々は親も一緒になってやってみることも大事です。「どうしてだろうね」と疑問を持ち、「こうすればいいんじゃないかな」と考えて、問題が解決したら喜んでみましょう。子どもは親のそんな様子を見て感じ取って、自然に同じような思考法を身につけていきます。

想像力を使った遊びで子どもを育てる

 現代は0歳からでも知育玩具が売られており、脳の発達に効果があると言われている色々なおもちゃを試したり、そういう玩具がないと心配になる方もいるでしょう。

 アメリカで行われた研究では、3~5歳の71人の子どもたちを「想像力を使って自由に遊ぶ」グループと「歌やボール遊びなど決まった遊びをする」グループに分けて見たところ、グループAの子の方が、グループBの子よりも、認知能力のテストで高い成績を出したそうです。

 特に目立ったのは、「ワーキングメモリー」に関する動作。会話や読み書き、計算など日常生活や学習に必要な能力です。

 現実にないことや、いない生き物などを使って話を作るという想像力を使った遊びは、子どもの認知能力を高める効果があると言えます。例えば、「ドラゴンに変身して、手を羽にして空を飛ぶ」という頭の中のイメージを実際に動いて表現し、その子なりの方法で見せていくことが大事です。

 おもちゃには、だいたい使い方やルールが決まっています。ファンタジーのゲームもありますが、ゲームで見るファンタジーと今回おすすめするファンタジーは、全然違います。

 おもちゃは楽しいので、ダメだと言うつもりはありませんが、「頭のいい子」にするには、それぞれの特徴を活かして使うのがいいでしょう。

ゲームで思考力を鍛える

 子どもの「地頭力=思考力」は習慣で身につくもの。家庭での子どもへのかかわり方が大切です。人は予想外のことや失敗をすることでリスクに対処できる力がつきますが、地頭力も色々な場面をたくさん経験することで強くなります。

 現実で失敗をするのは辛いですが、これをテレビゲームではなく、人と顔を合わせてするゲームで簡単に体験できます。最初にやるには、将棋や囲碁はちょっと難しいのですが、トランプの「七ならべ」やオセロ五目並べは初めてでもできるのでおすすめです。

 ルールはすぐに覚えられるので子どもは大丈夫です。でも、七ならべなら「相手のカードを推理して妨害する」、オセロなら「角を取られると不利」などのコツがないので、すぐに負けてしまいます。相手がいるゲームには戦略が必要で、自分が考えた通りにはいかないことを実感します。何度も対戦しているうちに、少しずつ学んで強くなるのです。

 さらに、負けた時の悔しさを何度も味わうことで、子ども同士の遊びでも負けた子どもの気持ちがわかるようになり、自分の感情をコントロールできるようになります。

 平日は子どもと一緒にいる時間が少ないという家庭では、週末に一緒にゲームをして話をするようにしましょう。親子のふれあいと地頭力UPを同時にできます。

子どもの自立心を育てる子育てのコツ

子どもに適度な自由を与える

 東大生の3人の息子さんを持つなぜか3兄弟全員が東大合格! 「勉強しろ」と絶対言わない子育ての著者、後藤眞智子さんの子育て法を参考にしましょう。

 子どもに本を強制的に読ませるのではなく、図書館に連れて行って本に触れる機会を増やします。子どもが自分で本を選んで読む習慣が身につきます。
子ども部屋が散らかっていても、あまり口出ししないようにします。子どもが自分で片付ける必要性を感じたら、自発的に掃除を始めます。
現代は親が子どもに過干渉になりがちですが、「特別なことをしない子育て」や「できるだけ手をかけない子育て」が効果的です。「親が子どもに代わってやってしまうのをやめる」ことで、「子どもが自分でやる力」が育ちます。

 ただし、子どもに全てを任せるわけではありません。必要なところはしっかりとサポートします。例えば、近所の中学校が荒れていると聞いたら、中学受験を考えて塾に通わせます。でも、塾や私立中学に入学したら、成績については子どもに一切口出ししません。
 柵のない「放任」ではなく、良い環境を用意して、そこで自由にさせる「放牧」の子育てです。親が子どもにあれもこれもと求めすぎると、子どもは疲れてしまいます。自由度の高い子育てが、子どもの自立心をしっかりと育てるのです。

「勉強しなさい」と言わない 

 「勉強しなさい」という言い方は、相手に命令したり、怒ったりする時の言い方です。勉強しないことは、他人に迷惑をかけることでもなければ、社会のルールを破ることでもありません。だから親に「勉強しなさい」と言われると、子どもはストレスを感じて反発します。いつも「勉強しなさい」と言われていると、その言葉から逃れたいと思って「勉強のふり」をする子どももいます。そうなると、学びは浅くなり、効果はありません。

 子どもに自分から勉強したいと思わせるには、強制するのではなく、支えることが大切です。

 まず、親が普段から本を読んだり、勉強したりする姿を見せることで、子どもに「学ぶ姿勢」のモデルを示します。子どもは親の真似をして、勉強に対する態度を身につけ、学ぶことが日常の一部になります。

 子どもに「勉強しなさい」と言う代わりに、「今日は宿題がたくさんあったよね。もう始めたの?」など、子どもに自分で考えて行動するきっかけを与える言葉をかけます。

 そして、子どもが勉強で新しいことを知ったり、分からないことが分かったり、できないことができるようになったりした時は、親も一緒になって喜びます。子どもは「もっと学びたい」という気持ちになります。

 他にも、勉強する場所を整えたり、具体的に学習計画を立てたりすることで、子どもの学習環境を整えます。習慣はすぐにはできません。小さい頃から「勉強しなさい」と言わない代わりに、子どもが自分で勉強する環境を最大限に整えてあげましょう。

子どもの学力に影響するのは、親の学歴や所得だけじゃない!

 子どもの学力は、親の学歴や所得と関係があるということは、教育の専門家が調べたデータにも出ています。でも、それだけではないんです。実は、子どもと一緒にいる時間が長い母親の学歴も、子どもの学力に大きく影響しているということが分かってきました。

 親がお金持ちだと、子どもにいろいろな勉強の機会をあげられますよね。それはもちろん、子どもの学力にプラスになります。でも、親の学歴は、お金とは違う意味で子どもの学力に影響します。特に、母親の学歴は、子どもとの関わり方にも現れるんです。

 高学歴の母親は、自分も勉強で「わかる」という楽しさを味わったことがあります。だから、子どもにも勉強の楽しさを伝えたいと思っています。子どもの興味や個性に合わせて、勉強の仕方を工夫したり、アドバイスしたりします。一方、低学歴の母親は、自分は勉強が苦手だったり、嫌いだったりしたことが多いです。だから、子どもには「勉強は大変だけど、将来のためにがんばらなきゃ」というような、勉強を「苦痛」と感じさせる言葉を使ってしまうことがあります。

 勉強に対する姿勢が違うと、子どもの学力にも差が出てきます。勉強が好きで自分からやる子と、勉強が嫌で仕方なくやる子では、結果も違って当然ですよね。

 子どもの学力を伸ばすには、親の学歴や所得だけでなく、親の勉強への態度も大事なんです。

子どもの成長を見守るには、親の「待つ」力が必要!

 「頭のいい子」というと、人によってイメージが違いますが、「自分のやりたいことを見つけて、自分らしく生きていく子」に育ってほしいと思う親は多いのではないでしょうか。「頭がいい」と言われる子には、小さいころから、こんな習慣や特徴があるんです。

 「頭がいい」と言われる子は、小さいころから、親が「ダメだよ」「やめなさい」というような、子どもを制限する言葉よりも、「すばらしいね」「心配ないよ」「よくできたね」というような、子どもをほめる言葉をたくさん聞いています。親が子どもをほめたり、認めたりすると、子どもは自分に自信が持てるようになります。自信があると、物事に積極的に取り組めるようになります。

 でも、子どもが何かをやろうとするとき、親はついつい手を出したくなったり、言葉をかわしたくなったりしますよね。それは、親の愛情の表れなのですが、子どもの成長にとってはあまりよくありません。子どもは失敗をして学ぶことがたくさんあります。うまくできなくても、親は子どもに自分でやらせてあげることが大切なんです。自分でやることで、子どもは考える力や判断力を身につけます。

 特に、幼児は親の話すことや言うことをすごくよく覚えます。親との会話は、子どもにとって一番の勉強です。頭のいい子に育てるには、親が「待つ」力を持って、子どものペースに合わせて接することが必要なんです。

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