魔法の言葉「な」で子どものやる気を引き出す!

 「中学受験」という親子二人三脚の戦は、子どもだけでなく親にとっても大きな挑戦です。勉強のサポートはもちろん、精神面でも支え、子どものやる気を引き出すことが重要になります。しかし、小学生のやる気を引き出すのは容易ではありませんが、子どものやる気を引き出す魔法の言葉「な」を紹介しています。

魔法の言葉「な」の発見

 「子どもをほめる」よりも「子どもに感心する」方が、子どものやる気を引き出す効果が高いことに気づきました。そして、「すごい」という言葉を「すごい」と言い換えるだけで、子どもの反応が大きく変わることがあります。

子育て本における「叱るよりほめる」の推奨

 多くの子育て本では、「子どものやる気を引き出すためには、叱るよりほめることが大切」とされています。確かに、子どもをほめることで、自信がつき、やる気が向上することはあります。

叱りたい状況での無理なほめのストレス

 しかし、宿題をせずゲームばかりしている子どもや、反抗的な態度を取る子どもに対して、無理にほめるのは難しいと感じる人もいるでしょう。叱りたい状況で無理にほめると、親自身がストレスを感じてしまうこともあります。

宿題をせずゲームばかりする子どもへの対応

 宿題をせずゲームばかりしている子どもに対しては、「ゲームばかりしてないで宿題をしなさい!」と叱ってしまうのも当然です。しかし、叱るだけでは子どもはやる気を出すことはできません。

 そこで、魔法の言葉「な」の出番です。「ゲームが好きなんだね。でも、宿題もちゃんとやらないと、後で大変になるよ。」のように、子どもの気持ちに寄り添い、ゲームの好きな気持ちも認めつつ、宿題の大切さを伝えることが重要です。

魔法の言葉「な」の正体

「ね」を「な」に変えるだけ

 魔法の言葉「な」は、実はとてもシンプルな言葉です。それは、「すごいね」という言葉を「すごいな」と言い換えるだけです。

例:「すごいね」→「すごいな」

子どもが難しい問題を解いたとき

 「すごいね!」→「難しい問題を解いたんだね、すごいな!」

絵を上手に描いたとき

 「絵が上手だね!」→「色使いが鮮やかで素敵だな!どうやって塗ったの?」
言葉遣いの変化がもたらす効果

 「すごいね」という言葉を「すごいな」と言い換えるだけで、子どもへの言葉が評価・判断から感心・共感へと変化します。

「すごいね」と「すごいな」の違い

「すごいね」: 子どもを評価・判断する言葉

 例:「テストで100点取ったね、すごい!」
子どもへの期待やプレッシャーを内包
子どもは「もっとすごい自分」を演じようと頑張りすぎて、疲れてしまうことも

「すごいな」: 子どもに感心・共感する言葉

 例:「難しい問題を解いたんだね、すごいな!」
子どもの努力や成果に純粋に感心。子どもは「自分の努力が認められた」と感じ、自信がつき、やる気が向上

高学年になるとほめ言葉では逆効果?

 高学年になると、「すごいね」などのほめ言葉で子ども扱いされたと感じるようになり、喜ばない子が増えてくる

 高学年になると、自我が芽生え、自立心が高まってきます。そのため、「すごいね」などのほめ言葉で子ども扱いされたと感じるようになり、喜ばない子が増えてきます。

子どもは大人扱いされたいという気持ちを持つ

 子どもは、大人と同じように扱われたい、認められたいという気持ちを持っています。そのため、「すごいな」のように、子どもの努力や成果に純粋に感心する言葉の方が、高学年の子どもには効果的です。

感心は簡単で効果的

「ほめる」: 相手の反応を期待するため、反発される可能性がある

●ほめ言葉の裏にある期待を感じ取る
●反発されると親自身がストレスを感じる
●「感心する」: 相手の反応を期待せず、自己完結するため、反発される可能性が低い
●純粋に子どもの努力や成果に感心し、共感する
●子どもは素直に喜び、やる気が向上

心から感心するコツ

 感心していることを子どもに伝えるのではなく、心から感心して、それをひとり言のようにつぶやく

 作為的な感心は子どもに伝わってしまう
心から感心することで、子どもは親の気持ちが伝わり、より喜びを感じる

例:

子どもが難しい問題を解いたとき

 「難しい問題を解いたんだね、すごいな!」
 「集中して取り組む姿、見とれてしまったよ。」

絵を上手に描いたとき

 「色使いが鮮やかで素敵だな!どうやって塗ったの?」
 「絵を描くのが好きなんだね。楽しそうに描いている姿が微笑ましい。」

子どものプラス面に目を向ける

 日々一緒に過ごしていると、子どもの良いところを見逃しがち。忙しい生活の中で、子どもの些細な変化を見逃してしまう。子どもの良いところを意識的に見つけ、褒めることで、子どもの自信が向上

例:

いつもより早く宿題を終わらせたとき

 「今日は早く宿題を終わらせたね!すごい!」
 「計画的に取り組むことができたんだね。」

友達と仲良く遊んでいるとき

 「みんな仲良く楽しそうでいいね!」
 「友達と協力して遊ぶ姿、素敵だね。」

感心することは自分にもプラス

 マイナス面よりもプラス面に意識したほうが、自分も楽しい気分になる

 子どもの良いところを見つけて褒めることで、自分も幸せな気持ちになれる
親子関係が良好になり、より良いコミュニケーションが築ける

魔法の言葉「な」の使い方

具体的な行動や成果を褒める

 単に「すごい」と言うよりも、「難しい問題を解けたね!」のように、具体的な行動や成果を褒めると、子どもの努力が認められたと感じ、よりやる気が高まる

努力過程にも目を向ける

 結果だけでなく、努力過程にも目を向け、「よく頑張ったね!」と声をかけましょう

子どもの気持ちに寄り添う

 子どもの気持ちに寄り添い、「大変だったね」「悔しかったね」と共感の言葉を伝える

実践例

子どもが難しい問題を解けたとき

 例:「難しい問題を解けたね!よく考え抜いたな!」
 例:「問題に集中して取り組む姿、すごいな!」

絵を上手に描いたとき

 例:「色使いが鮮やかで素敵だな!どうやって塗ったの?」
 例:「絵を描くことが好きなんだね。楽しそうに描いている姿が素敵!」

一生懸命練習して成果が出たとき

 例:「努力した成果が出て、本当に良かったね!」
 例:「練習を続けるのは大変だったと思うけど、諦めずに頑張ったね!」

友達と仲良く遊んでいるとき

 例:「みんな仲良く楽しそうでいいね!協力して遊んでいる姿が素敵!」
 例:「友達と仲良く遊ぶことは大切だね。これからも仲良く遊んでね!」

新しいことに挑戦しようとしているとき

 例:「チャレンジする気持ち、素晴らしいね!応援してるよ!」
 例:「新しいことに挑戦するのは勇気がいるね。失敗しても大丈夫だよ!」

 まとめ

●子どもの声かけの語尾を「ね」から「な」に変える
●「ほめる」のではなく「感心・共感」する
●わが子のプラス面に目を向け、感心できるところを探す
●具体的な行動や成果を褒め、努力過程にも目を向ける
●子どもの気持ちに寄り添い、共感の言葉を伝える

 魔法の言葉「な」を積極的に活用することで、子どものやる気を引き出し、成長を促しましょう。

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