「最近の親は躾ができてない」って言われて、胸が痛くなった
スーパーで走り回る子ども。
レストランで騒いでる子ども。
電車で座席に土足で立つ子ども。
そんな場面を見た年配の方が、こう言いました。
「最近の親は、躾ができてないのよね」
その言葉が、突き刺さりました。
もしかして、うちの子も?
私も「躾ができない親」って思われてる?
でもね、家に帰って考えたんです。
**「躾ができない」んじゃなくて、「躾の仕方がわからない」んじゃないか**って。
私自身、親になって初めて気づきました。
「躾って、誰も教えてくれないんだ」って。
育児書には「愛情を持って接しましょう」とか書いてあるけど、具体的にどうすればいいかわからない。
自分の親がやってた躾は、今の時代に合ってるのかもわからない。
「躾ができない親が多い」って言われる今の時代。
でもそれって、親が悪いんじゃなくて、**「躾の方法を学ぶ機会がない」社会の問題**なんじゃないでしょうか。
今日は、なぜ「躾ができない親」が増えているのか、その理由と、今日からできる具体的な方法をお伝えします。
「躾ができない親」が増えてる?本当の理由
「昔はこんな親いなかったのに」
「今の親は甘い」
そんな声、よく聞きますよね。
でも、本当に今の親がダメなんでしょうか?
実は、**時代が変わって「躾のハードルが上がってる」**んです。
理由1:「正解」がわからなくなった
昔は簡単でした。
「親の言うこと聞きなさい」
「我慢しなさい」
「人に迷惑かけちゃダメ」
これだけ言えば、躾完了。
でも今は違います。
**「子どもの自主性を尊重しましょう」**
**「個性を大切に」**
**「叱りすぎは自己肯定感を下げます」**
**「でも社会のルールは守らせて」**
え、どうすればいいの?
自主性を尊重したら「躾ができてない」って言われるし、
厳しくしたら「子どもの心を傷つける」って言われる。
**正解がわからないから、躾ができない。**
これが一番大きな理由だと思います。
理由2:周りの目が厳しすぎる
昔は、近所のおじさんが他人の子どもも叱ってくれました。
「こら、危ないぞ!」って。
でも今は?
他人の子を叱ったら「虐待」って言われかねない。
逆に、自分の子を外で叱ったら「親が怖い」って通報される時代。
**叱る場所も、叱り方も、すごく気を使う。**
さらに、SNSで「こんな親見た!」って晒される可能性もある。
周りの目を気にしすぎて、躾ができなくなってるんです。
理由3:親が忙しすぎる
これ、切実な問題です。
共働き家庭が増えて、親も余裕がない。
朝はバタバタ保育園に送って、夜はクタクタで帰ってくる。
その間に「躾」をする時間とエネルギー、どこにあるの?
**「ちゃんと躾しなきゃ」って頭ではわかってる。**
**でも、できない。**
これが多くの親の本音じゃないでしょうか。
私も、仕事で疲れて帰ってきて、子どもが靴脱ぎっぱなしにしてるの見て、
「もう、いいや…私が片付けよう」って思っちゃう。
本当は「自分で片付けなさい」って言わなきゃいけないのに。
**時間と心の余裕がないと、躾ってできないんです。**
理由4:「躾の見本」がない
もう一つ、大きな理由があります。
**自分が受けた躾を、そのまま子どもにできない。**
昔の躾:
– 「黙って言うこと聞きなさい」
– 「理由なんていい、ダメなものはダメ」
– 時には叩くことも当たり前
でも今、これやったら?
「子どもの人格を否定してる」
「体罰は虐待」
「説明しないのは親の怠慢」
って言われます。
**じゃあ、どうすればいいの?誰も教えてくれないんです。**
育児書には理想論ばかり。
SNSには批判ばかり。
具体的な「やり方」を教えてくれる人がいない。
これが「躾ができない親」が増えてる、一番の理由かもしれません。
「躾ができない親」チェックリスト|当てはまったら要注意
ちょっと厳しいかもしれませんが、正直にチェックしてみてください。
私も、半分くらい当てはまって反省しました…。
【基本的な躾】
– □ 子どもが「ありがとう」「ごめんなさい」を言えない
– □ 靴を脱ぎっぱなしでも注意しない
– □ 食事中のマナー(肘をつく、音を立てる)を放置
– □ 公共の場で走っても「危ないよ」だけで終わり
【親の対応】
– □ 「ダメ」と言っても、子どもが泣いたら許しちゃう
– □ 「今日だけね」が毎日になってる
– □ 約束を守らせない(ゲーム時間、寝る時間など)
– □ 叱る基準が、その日の気分で変わる
【周りへの配慮】
– □ スーパーで走り回っても「まあいっか」
– □ レストランで騒いでも「子どもだから仕方ない」
– □ 電車で迷惑かけても注意しない
– □ 他の子のおもちゃを取っても「貸してって言いなさい」だけ
【親自身】
– □ 自分が挨拶してないのに、子どもに「挨拶しなさい」
– □ 自分がスマホ見てるのに「スマホやめなさい」
– □ 疲れててイライラして、八つ当たり的に怒る
– □ 「忙しいから」を理由に、躾を後回し
—
**3つ以上当てはまったら、要注意。**
でも、大丈夫です。
気づいたなら、今から変えられます。
「躾ができない」を変える5つの具体的な方法
「じゃあ、どうすればいいの?」
ここからが本題です。
方法1:「ルール」を3つだけ決める
躾って、全部完璧にやろうとすると無理なんです。
だから、**「これだけは絶対守る」ルールを3つだけ**決めましょう。
**例:**
1. 挨拶は必ずする(おはよう、ありがとう、ごめんなさい)
2. 靴は揃える
3. 人を叩かない
これだけ。
他のことは、まあいいや、くらいの気持ちで。
うちは「挨拶・靴・片付け」の3つを家族ルールにしました。
最初は全然できなかったけど、半年続けたら習慣になりました。
**ポイント:完璧を目指さない。3つだけ徹底する。**
方法2:「理由」をセットで伝える
「ダメ!」だけじゃ、子どもは納得しません。
**「なぜダメか」を必ず伝える。**
**Before → After**
– 「走っちゃダメ!」→「お店の中で走ると、ぶつかって他の人が怪我するかもしれないから、歩こうね」
– 「静かにして!」→「図書館は本を読む場所だから、みんな静かにしてるんだよ」
– 「挨拶しなさい!」→「挨拶されると嬉しいでしょ?相手も同じ気持ちだよ」
理由を伝えると、子どもは納得します。
うちの子も、理由を説明するようにしたら、「あ、そういうことか」って理解してくれるようになりました。
**ポイント:「ダメ」の後に必ず「なぜなら〜」をつける。**
方法3:親が見本を見せる
これが一番大事。
**子どもは、親の言葉じゃなくて、行動を見てます。**
「挨拶しなさい」って言いながら、自分は挨拶してない。
「片付けなさい」って言いながら、自分の部屋は散らかってる。
これじゃ、説得力ゼロです。
**まず、親がやる。**
私も反省して、今は:
– 朝、家族に「おはよう」を大きな声で言う
– 靴を必ず揃える
– 「ありがとう」を意識的に言う
これやってたら、子どもも自然に真似するようになりました。
**ポイント:子どもに言う前に、まず自分がやる。**
方法4:「できたこと」を全力で褒める
「できないこと」ばかり注意してませんか?
**「できたこと」を見つけて、めちゃくちゃ褒める。**
– 靴を揃えた→「お、靴揃えたね!気持ちいいね!」
– 挨拶できた→「今の挨拶、素敵だったよ!」
– 我慢できた→「我慢できたんだ、えらい!」
小さなことでいいんです。
褒められると、子どもは嬉しくて、もっとやるようになります。
うちは「今日のMVP」を夕飯時に発表してます。
「今日のMVPは、自分から『ありがとう』が言えたこと!」とか。
子ども、めちゃくちゃ嬉しそうです。
**ポイント:できないことを叱るより、できたことを褒める。**
方法5:「一貫性」を持つ
これが難しいんですけど、すごく大事。
**今日OKで明日NGは、子どもが混乱します。**
– ゲームの時間
– おやつのルール
– 寝る時間
– 公共の場でのマナー
一度決めたら、親の気分で変えない。
疲れてる日も、イライラしてる日も、ルールは同じ。
これ、親には正直キツイです。
「今日くらいいいか…」って思っちゃう。
でも、**一貫性がないと、子どもは「泣けば許される」って学習しちゃう**んです。
うちは「ゲームは1日30分」って決めたら、絶対守る。
最初は大変だったけど、今は子どもも納得してます。
**ポイント:ルールを決めたら、親も守る。ブレない。**
「躾ができない」のは、あなたが悪いんじゃない
ここまで読んで、「うわ、私できてないことばっかり…」って落ち込んでませんか?
大丈夫です。
**「躾ができない」のは、あなたがダメな親だからじゃありません。**
今の時代、躾って本当に難しいんです。
昔みたいに「黙って言うこと聞きなさい」じゃダメ。
でも「子どもの自主性」ばかり尊重してもダメ。
そのバランス、誰も教えてくれないんです。
さらに、親は忙しい。
仕事して、家事して、育児して。
その上「完璧な躾」なんて、無理ゲーです。
**だから、完璧を目指さなくていい。**
3つのルールだけ守れればOK。
他のことは、少しずつでいい。
「躾ができない親」じゃなくて、「躾を頑張ってる途中の親」。
それでいいんです。
年齢別|これだけは押さえたい躾のポイント
「うちの子、この年齢で何ができればいいの?」
年齢別の目安をまとめました。
でも、これは「目安」。できなくても焦らないでくださいね。
【2〜3歳】習慣の土台づくり
– 「ありがとう」「ごめんなさい」を促す(完璧じゃなくてOK)
– 靴を脱いだら揃える(手伝いながら)
– おもちゃを片付ける(一緒にやる)
– 順番を待つ(少しずつ)
**この時期のポイント:**
完璧を求めない。一緒にやりながら、習慣づける。
【4〜6歳】基本的なマナー
– 挨拶が自分からできる
– 食事のマナー(箸の持ち方、音を立てない)
– 公共の場で静かにする
– 「貸して」「いいよ」のやりとり
**この時期のポイント:**
理由を説明すれば理解できる年齢。「なぜ」を丁寧に伝える。
【小学校低学年】社会性の基礎
– 時間を守る(登校時間、宿題の時間)
– 約束を守る
– 相手の気持ちを考える(思いやり)
– 自分のことは自分でする(準備、片付け)
**この時期のポイント:**
ルールの意味を理解させる。一貫性を持って接する。
【小学校高学年】自己管理
– 自分で時間管理
– 責任を持つ(約束、役割)
– 相手の立場で考える
– 公私の区別をつける
**この時期のポイント:**
指示より見守り。自分で考えさせる。
周りから「躾ができてない」って思われない?不安な時
「公共の場で子どもが騒いだら…」
「周りの目が気になる…」
その不安、すごくわかります。
でも、大事なのは**「その場で注意しているか」**です。
周りが見てるのは「親の対応」
子どもが走り回っても、騒いでも、それ自体はある程度仕方ない。
(もちろん限度はありますが)
周りの人が「躾ができてない」って思うのは:
– **親が何も言わない時**
– **親がスマホ見て放置してる時**
– **「子どもだから仕方ない」って開き直ってる時**
逆に、こんな親は好印象:
– その場で注意している
– 周りに謝っている
– 「すみません、今言い聞かせてます」って態度
**完璧に止められなくてもいい。**
**「ちゃんと躾しようとしてる」姿勢が見えれば、周りは理解してくれます。**
私も、子どもが電車で騒いだ時、必死に注意しながら周りに「すみません」って謝ったら、
おばあちゃんが「大丈夫よ、お母さん頑張ってるわね」って言ってくれました。
**ポイント:完璧じゃなくていい。「頑張ってる姿勢」を見せる。**
今日からできる!躾の第一歩チェックリスト
最後に、今日からできることをまとめますね。
全部やらなくていいです。1つだけでOK。
【今日やること】
– ☑ 家族で「これだけは守る」ルールを3つ決める
– ☑ 子どもが何かできたら、全力で褒める
– ☑ 「ダメ」を言う時、理由も一緒に伝える
【今週やること】
– ☑ 自分が「見本」を見せる(挨拶、片付け、何か1つ)
– ☑ 叱る基準を決めて、ブレないようにする
– ☑ 「今日のMVP」を夕飯時に発表する
【今月やること】
– ☑ 年齢別目安と比べて「できてること」を確認
– ☑ パートナーと躾の方針をすり合わせる
– ☑ 1ヶ月前と比べて成長したことを3つ見つける
**一番大事なのは「続けること」。**
今日ダメでも、明日またやってみる。
それが、子どもにとっての一番の躾になります。
まとめ:「躾ができない親」は、「躾を頑張ってる親」
最後に、一番伝えたいことを。
**「躾ができない親が多い」って言われる時代。**
でもそれって、**親がダメなんじゃなくて、躾のハードルが上がってるから**なんです。
昔みたいに「黙って言うこと聞け」じゃダメ。
でも「自主性を尊重」しすぎてもダメ。
そのバランス、誰も教えてくれない。
親も忙しい。
周りの目も厳しい。
**そんな中で、みんな必死に頑張ってるんです。**
完璧な躾なんて、できなくていい。
3つのルールを守る。
理由を説明する。
親が見本を見せる。
できたことを褒める。
一貫性を持つ。
これだけできれば、十分です。
「躾ができない親」なんて、いません。
ただ、**「躾を頑張ってる途中の親」**がいるだけ。
あなたも、その一人です。
この記事を読んで、少しでも「あ、これならできそう」って思えたら嬉しいです。
焦らなくていい。
完璧じゃなくていい。
昨日より今日、今日より明日。
少しずつ、お子さんと一緒に成長していきましょう。

