勉強机の壁に、太いマジックで書かれた「絶対合格」の文字。
その横には、赤ペンでびっしりと書き込まれたカレンダー。
深夜まで明かりがついた部屋で、背中を丸めて机に向かう我が子を見るたび、胸が締め付けられるような思いをしていませんか? あるいは、この記事を読んでいるあなたが受験生本人なら、胃がキリキリするようなプレッシャーと戦っている最中かもしれません。
「どうか、合格しますように」
「なんとかして、この子を救ってください」
神社に行き、お守りを握りしめ、毎晩祈るその気持ち。痛いほどわかります。
しかし、あえて厳しいことを言わせてください。
**その「必死の願い」こそが、不合格を引き寄せる最大の原因です。**
今すぐ、その「絶対合格」の張り紙を剥がしてください。
そして、眉間のシワを解いて、ニヤニヤしてください。
ふざけているのではありません。これは、脳科学と心理学、そしていわゆる「引き寄せの法則」に基づいた、E判定からでも現実をひっくり返すための、極めて論理的な「脳の騙し方」なのです。
なぜ「合格したい!」と強く願うほど、遠ざかってしまうのか
努力は裏切らない、と学校では教わります。しかし、なぜか「一番努力していた真面目な子」が本番で実力を出せずに涙を飲み、「なんだかんだ余裕そうにしていた子」があっさりと合格をさらっていく。そんな残酷な現実を見たことがありませんか?
それは運ではありません。脳の使い方、心のあり方のエラーなのです。
宇宙へのオーダーミス。「したい」は「していない」の裏返し
「引き寄せの法則」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。多くの人が誤解していますが、これは「願えば叶う」という単純な魔法ではありません。「今のあなたの心の状態(波動)と同じ現実が引き寄せられる」という法則です。
ここで、冷静に考えてみてください。
「合格したい!」と強く願っている時、あなたの心の奥底にはどんな前提があるでしょうか?
「今はまだ、合格していない」
「今の自分には、合格する力が足りない」
「合格できるかどうか、わからなくて怖い」
そうです。「〇〇したい」と願うことは、宇宙やあなたの潜在意識に対して**「私は今、〇〇を持っていません(欠乏しています)」と高らかに宣言し続けているのと同じこと**なのです。
「お金持ちになりたい」と叫ぶ人は、自分が貧乏だと信じています。
「合格したい」と必死になる人は、自分は不合格に近い場所にいると信じています。
潜在意識はとても素直です。あなたが発する「合格していない(欠乏)」という強烈なシグナルを受け取り、その通りに「合格を追い求め続けなければならない現実」、つまり「まだ合格していない現実」を忠実に再現し続けます。これが、願うほど落ちるパラドックスの正体です。
悲壮感が漂う勉強部屋に、勝利の女神は降りてこない
精神論だけではありません。脳科学の視点から見ても、「必死さ」は毒になります。
「落ちたらどうしよう」「絶対に失敗できない」という悲壮感や恐怖心は、脳の扁桃体という部分を過剰に刺激します。扁桃体が恐怖で暴走すると、記憶や思考を司る「海馬」や、論理的判断を行う「前頭葉」の働きが抑制されてしまいます。
つまり、**「必死に願う(恐怖から逃げようとする)」状態は、自らIQを下げ、記憶力を鈍らせている自殺行為**なのです。
親御さんが不安そうな顔で「勉強しなさい」「大丈夫なの?」と声をかけるたび、家の中の空気は重くなり、子供の脳は萎縮していきます。その重苦しい「欠乏の波動」の中で、奇跡のような逆転合格が生まれるはずがないのです。
脳を強烈に騙す。「未来の記憶」を先取りする技術
では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。
「合格したい」と願うのをやめて、**「すでに合格した世界」に今すぐ引っ越してしまえばいい**のです。
脳には面白い性質があります。それは「現実」と「鮮明な想像」の区別がつかないということです。梅干しを想像しただけで唾液が出るように、脳を騙すことは可能です。
願うのではなく、完了形で「感謝」する
今日から、心の中の言葉遣いをすべて変えてください。
×「第一志望に合格しますように」
**◎「第一志望に合格しました。本当にありがとうございました」**
まだ試験も受けていないのに、です。「完了形」で断言し、さらに「感謝」までセットにします。
レストランで注文する時を想像してください。「カレーライスをください」と注文した後、「本当にカレーは来るだろうか…」と不安になって、厨房に向かって「カレーを食べたいです!お願いします!」と叫び続ける人はいませんよね。「注文したんだから、来るに決まっている」とリラックスして、水でも飲みながら待つはずです。
合格も同じです。「合格しました」とオーダーを通したら、あとは「届くのを待つだけ」という余裕を持つこと。この「すでに手に入れている」という安心感こそが、最強のパフォーマンスを引き出す「充足の波動」です。
制服を着て、通学路を歩く自分を妄想してニヤける
完了形にするだけでは、まだ弱いです。もっと脳を強烈に騙すために必要なのが、五感をフル活用した「妄想」です。
目を閉じて、志望校の制服を着ている自分をイメージしてください。
ただ映像を見るだけでは足りません。
* 新しい制服の生地の感触は? スカートやズボンの擦れる音は?
* 通学路の春の匂いは? 桜の花びらが散る様子は?
* 校門をくぐる時、靴底から伝わる感触は?
* 新しい友達と食堂で話している時、どんな声で笑っていますか?
そのシーンに入り込み、「あー、本当に合格してよかったなぁ…」と心底ホッとして、思わず口元が緩んで**「ニヤけて」**しまうまで妄想してください。
この「ニヤけ」が重要です。顔の筋肉が緩み、笑顔になることで、脳は「あ、今は楽しい状況なんだ」「成功したんだ」と錯覚し、セロトニンやドーパミンといった幸せホルモンを分泌します。これが、勉強の効率を爆発的に高め、本当に合格を引き寄せるエンジンの点火スイッチになります。
机に向かっていない時間、お風呂の中や布団の中では、常にこの「ニヤニヤ妄想」を繰り返してください。
不安が「ワクワク」に変わる時、E判定からの逆転劇が始まる
このメソッドを実践し始めると、不思議なことが起こります。
これまで「やらなければならない苦行」だった勉強が、「憧れの高校(大学)生活に近づくための準備」に変わるのです。
「もし落ちたら…」というノイズの消し方
もちろん、ふとした瞬間に「でも、模試の結果は悪かったし…」「もし落ちたらどうしよう」という不安が襲ってくることもあるでしょう。それは人間として正常な反応です。
そんな時は、その不安を否定せず、こう返してください。
「おっと、脳が現状維持をしようとしてブレーキをかけてきたな。ご苦労さん。でも、私の意識の中ではもう『合格』で確定してるから、心配いらないよ」
不安は、単なる脳の電気信号ノイズです。
「現実はまだ追いついてきていないけど、私の内側(意識)ではもう合格済み」というスタンスを崩さないでください。現実という名の幻影に振り回されてはいけません。
日本古来の最強メソッド「予祝(よしゅく)」の力
最後に、親子でやってほしい最強の儀式があります。それは「予祝(よしゅく)」です。
日本人が大好きな「お花見」。あれは元々、秋の豊作を春のうちに先に祝ってしまうことで、現実の豊作を引き寄せようとする「前祝い」の儀式でした。
これを受験に応用します。
今夜の夕食で、あるいは週末にケーキでも買ってきて、**「合格おめでとうパーティー」を先にやってしまう**のです。
「合格おめでとう! よくやったね!」
「ありがとう! まさか本当に受かるとはね~、最高だわ!」
乾杯し、拍手し、合格通知が届いた時の喜びを親子で演技してください。恥ずかしがらず、本気で喜ぶのです。親御さんが心から「うちの子は大丈夫だ」と信じ込み、その安心感と喜びの波動を家中に充満させた時、お子さんの背中についていた重い鎖は解き放たれます。
**結び**
合格するために必要なのは、悲壮な決意でも、睡眠時間を削る苦行でもありません。
「未来の合格した自分」になりきり、その喜びを今、先取りして味わうことです。
壁の「絶対合格」という紙は、今すぐ剥がしましょう。
代わりに、志望校の写真を貼り、その横に小さくこう書き添えてください。
「4月からの生活、楽しみだなあ。ありがとう!」
その紙を見て、親子でニヤッと笑い合えた時。
合格への切符は、すでにあなたの手の中にあります。

