入試というものには、勝った負けたという要素は含まれていません。仮に、目の前の相手と学力を戦わせ、点数が上の方が合格する選抜の仕方であれば勝ち負けの概念も生まれますが、実際そんな入試の方法は存在しません。
入試は勝負?ならば、相手は誰?
私は長年子供たちに学習指導を続けながら、この試験に合格すれば勝った、不合格なら負けたと考える風潮が疑問でなりません。確かに、難易度の高い学校に合格した子は残念だった子よりは学力があったと言えますが、一体めでたく合格した子たちは誰と戦ったつもりなんでしょう。
自分と同じように入試の会場で問題と取り組んだ他の受験生でしょうか。試験場で他の人たちに負けないぞと言わんばかりに闘志をみなぎらせても、合格するのは自分だけではなく受からない人もいるのです。つまり、周りの受験生たちは直接戦う相手ではないのです。それでは相手は誰でしょうか。