親の錯覚が問題をつくる
命令されたことはすぐ実行する。注意されるとすぐにそれを直す、自分の子供がこのような子供であればどんなに楽だろう、と考える親は多いものです。
確かに、命令されてすぐ行動に移れるという能力は優れたものとして評価しなければなりません。しかし、それを、言うことをよく聞くいい子供、と親が錯覚してしまうと、これは厄介な問題に発展しがちです。
なぜならそこには、表面的な約束だけを守ればよし的な考えが生まれる恐れがあるためです。
一見、特に目立った問題がない理想的な親子関係に見えても、そこには何かしらの問題が必ずあるはずなのです。子供は親の押さえつける権力に従ってそうしているだけのことであって、内心辛い思いをしている場合だってあります。
それが毎日の生活の中で積み重なるとどうでしょうか。子供の不満はある日何かしらのきっかけで一気に爆発し、理想的に見えた親子の関係はもろくもくずれてしまいます。
親は、何も起こらないから安心、自分の思いどおりに育ってくれてるから大丈夫、などと考えてはいけません。子供も一個の人格を持った人間なのです。例え表面的には表れていなくても、心の中には