中学生になると、小学校の頃よりも勉強の量や難易度が増えます。そのため、勉強についていけなくなったり、興味を失ったりする子どもも多くなります。親としては、子どもの将来のためにも勉強をしてほしいと思うことでしょう。
しかし、勉強を強制したり、他の子どもと比べたりすると、かえって子どものやる気をそぐことになります。では、親はどうすれば子どもを勉強好きにさせることができるのでしょうか。
ここでは、中学生が勉強嫌いになる原因と、それを克服する方法を紹介します。親ができる4つのことと、おすすめの勉強法を知って、子どもの学習意欲を高めましょう。
中学生が勉強嫌いになる原因
中学生が勉強嫌いになる原因は人それぞれですが、以下のようなものが挙げられます。
●勉強がわからないから
●勉強が面倒だから
●勉強する目的がないから
●勉強する楽しさがないから
勉強がわからないから
中学生になると、小学校よりも多くの教科や単元を学びます。その中で、苦手な分野や理解できないポイントが出てくることは当然です。しかし、そのまま放置しておくと、次第に授業についていけなくなったり、テストで点数が取れなくなったりします。
そうすると、自信を失ってしまったり、勉強に対するネガティブな感情が強くなったりします。勉強がわからないからと言って避けてしまうと、勉強嫌いのスパイラルに陥ってしまいます。
勉強が面倒だから
中学生は成長期であり、体や心にさまざまな変化が起こります。そのため、疲れやすかったり、気分が不安定だったりすることもあります。また、友だちや部活動など、学校以外のことに興味や関心が向くことも多くなります。そんな中で、毎日宿題やテスト勉強をすることは大変です。
特に、「何のために勉強するのか」が見えていない場合は、「面倒くさい」「やらされている」と感じてしまいます。勉強が面倒だからと言ってサボってしまうと、成績や進路に影響する可能性があります。
勉強する目的がないから
中学生は、自分の将来について考え始める時期でもあります。しかし、自分が何になりたいか、どうなりたいかはっきりと決まっていないことも多いでしょう。そうすると、「勉強する意味は何だろう」と疑問に思うこともあります。
また、勉強することで得られるメリットや報酬が見えにくい場合も、目的意識が低くなります。勉強する目的がないからと言ってやる気を失ってしまうと、自分の可能性を狭めてしまいます。
勉強する楽しさがないから
中学生は、好奇心や探究心が旺盛な時期でもあります。しかし、学校の勉強は、教科書やプリントに沿って進められることが多く、自分の興味や関心と合わない場合もあります。
また、勉強の方法やスタイルが自分に合っていない場合もあります。そうすると、「勉強はつまらない」「楽しくない」と感じてしまいます。勉強する楽しさがないからと言って興味を失ってしまうと、学びのチャンスを逃してしまいます。
中学生の勉強嫌いを克服する方法
中学生の勉強嫌いを克服するためには、親ができる4つのことと、おすすめの勉強法を知る必要があります。それぞれについて説明していきます。
●子どもを信頼する
●子どもと目標を話し合う
●子どもを褒める・励ます
●子どもに適切なサポートを提供する
子どもを信頼する
子どもを信頼するということは、子どもの能力や努力を認めるということです。子どもは親からの信頼感を感じると、自信や自尊感情が高まります。その結果、自分にできることややりたいことに挑戦しやすくなります。
逆に、親から不信感や不満感を感じると、自己否定や自己卑下に陥りやすくなります。その結果、自分にできないことややりたくないことに逃げやすくなります。
子どもを信頼するためには、以下のような言葉かけや態度が大切です。
●子どもの意見や気持ちを聞く
●子どもの考えや判断を尊重する
●子どもの選択や行動に責任を持たせる
●子どもの失敗や間違いを受け入れる
●子どもの成長や変化に気づく
子どもと目標を話し合う
子どもと目標を話し合うということは、子どもの勉強する意味や方向性を明確にするということです。子どもは目標があると、モチベーションが高まります。その結果、計画的に勉強したり、成果を確認したりすることができます。
逆に、目標がないと、モチベーションが低下します。その結果、無駄に時間を使ったり、成果を見失ったりすることがあります。
子どもと目標を話し合うためには、以下のようなポイントが大切です。
●子どもの将来の夢や希望を聞く
●子どもの現在の状況や課題を把握する
●子どもの適性や興味に合わせた目標を設定する
●子どもの目標に対する意欲や自信を高める
●子どもの目標達成の過程や結果を評価する
子どもを褒める・励ます
子どもを褒める・励ますということは、子どもの勉強に対するポジティブな感情を育てるということです。子どもは褒められたり、励まされたりすると、喜びや満足感を感じます。その結果、勉強に対する楽しさややりがいを見出しやすくなります。
逆に、叱られたり、否定されたりすると、悲しみや不安感を感じます。その結果、勉強に対する嫌悪感や恐怖感を抱きやすくなります。
子どもを褒める・励ますためには、以下のような言葉かけや態度が大切です。
●子どもの努力や成長を認める
●子どもの長所や特徴を見つける
●子どもの成功や失敗に共感する
●子どもの気持ちや考えを尊重する
●子どもの自主性や創造性を支援する
子どもに適切なサポートを提供する
子どもに適切なサポートを提供するということは、子どもの勉強に必要な環境や資源を整えるということです。子どもはサポートがあると、安心感や信頼感を感じます。その結果、勉強に集中したり、挑戦したりすることができます。
逆に、サポートがないと、不安感や孤立感を感じます。その結果、勉強に敬遠したり、逃げたりすることがあります。
子どもに適切なサポートを提供するためには、以下のような工夫が大切です。
●子どもの勉強時間や場所を決める
●子どもの勉強用品や教材を揃える
●子どもの勉強方法や計画をアドバイスする
●子どもの勉強相手や仲間を見つける
●子どもの勉強困難や問題を解決する
おすすめの勉強法
親ができる4つのことだけではなく、子ども自身が効果的な勉強法を知ることも重要です。おすすめの勉強法は以下の通りです。
●リピーティング(繰り返し)
●チャンキング(分割)
●エラボレーション(深化)
●テスト(自己評価)
リピーティング(繰り返し)
リピーティングとは、同じ内容を何度も繰り返して記憶に定着させることです。人間の記憶は、時間が経つと忘れやすくなります。そのため、一度だけ勉強しただけでは、すぐに覚えたことが消えてしまいます。
リピーティングをすることで、記憶の強度や持続性を高めることができます。リピーティングの方法は以下のようなものがあります。
●読み返す
●書き写す
●声に出す
●暗唱する
チャンキング(分割)
チャンキングとは、大量の情報を小さな単位に分割して記憶しやすくすることです。人間の記憶は、一度に覚えられる情報の量に限界があります。そのため、長い文章や数字などをそのまま覚えようとすると、混乱したり、抜け落ちたりすることがあります。
チャンキングをすることで、記憶の容量や整理性を高めることができます。チャンキングの方法は以下のようなものがあります。
●区切る
●まとめる
●分類する
●順序づける
エラボレーション(深化)
エラボレーションとは、単に暗記するだけではなく、理解や応用を深めることです。人間の記憶は、意味や関連性があるほど覚えやすくなります。そのため、表面的な知識だけではなく、背景や原理などを探求することで、記憶の質や活用性を高めることができます。エラボレーションの方法は以下のようなものがあります。
●質問する
●推論する
●比較する
●応用する
テスト(自己評価)
テストとは、自分が覚えたことや理解したことを確認することです。人間の記憶は、自分で再生するほど強化されます。そのため、教科書やノートを見るだけではなく、自分で問題を解いたり、説明したりすることで、記憶の確信度や再現性を高めることができます。テストの方法は以下のようなものがあります。
●問題集を解く
●クイズを作る
●要約する
●教える
まとめ
この記事では、「勉強嫌いの子を勉強好きにさせる方法」という内容で、親ができる4つのこととおすすめの勉強法を紹介しました。中学生は勉強嫌いになりやすい時期ですが、それは決して不治の病ではありません。
親は子どもを信頼し、目標を話し合い、褒めて励まし、適切なサポートを提供することで、子どもの勉強嫌いを克服する手助けができます。
また、子ども自身もリピーティングをやってみたり、チャンキング、エラボレーション、テストという効果的な勉強法を知り、自分に合った方法で勉強することで、勉強の成果を上げることができます。
勉強は嫌いなものではなく、自分の夢や希望に近づくための手段です。親子で協力して、勉強好きになることを目指しましょう。