漢字を覚えるのに一番いい方法は「紙に何度も書くこと」だと思っている人は多いでしょう。でも、この方法では漢字が苦手な子どもはどうしても書けなかったり読めなかったりして、漢字が嫌いになってしまうこともあります。実は、漢字を覚えるにはもっと効果的な勉強法があるんです。本当に正しい漢字の覚え方と練習方法とは?(PR)
国語のテストで点数を取るためには「漢字」から始めよう
国語のテストで良い成績を取るためにはまず「漢字」の勉強が大切です。漢字は国語のテストで必ず出題されるし、100点満点のうち約20点分くらいの割合です。漢字が得意になれば国語で安定して高得点が狙えます。
しかも漢字は勉強した時間がテストの点数に反映されやすい「得点アップ効率」の高い分野です。筋トレをするときには大きな筋肉から鍛えると体に変化が出やすく続けられるそうです。国語で最初に鍛えるべきなのが「漢字」なんです。
しかし漢字が苦手だと思っている子どもほど、漢字の勉強をしないことが多いです。でもそれは自分に合った覚え方や練習方法がわかっていないからです。
漢字は何度も紙に書いて覚えて練習するものだという「思い込み」を持っている人が多いようです。これが子どもを漢字嫌いにする原因になっています。漢字を覚えるためにひたすら紙に何度も書いて練習するのは、「ウサギ跳び」トレーニングみたいなもので、今はあまりオススメできない勉強法です。
漢字の「読み方」をマスターして苦手を克服する
漢字が読めない、書けないと苦手意識を持つ子供が、それを克服するためにはどうすればいいか。まずは小学校低学年の配当漢字の「読み方」から始めましょう。漢字が苦手でも、「読み方」ならできる簡単なものもけっこうあるはずです。しかも「書き方」と違って気軽にやれます。
ポイントは「練習」するんじゃなくて、「チェック」するだけだということです。漢字テスト帳などを使って、読める漢字にはマル、読めない漢字はバツをつけていきます。当該学年までチェックしていきましょう。
チェックが終わったら、数日おいて今度はバツがついた漢字だけをまた読めるかチェックしましょう。1回目のチェックをしたときに「正しい読み方」を確認しているので、読めるようになっている漢字が増えているはずです。読めない漢字には2つめのバツをつけていきましょう。
漢字を覚えられない子に教えるコツは、漢字の「意味」を説明 する。2つのバツがついた読めない漢字は子どもにとってなじみのない言葉、意味がよくわかっていない言葉であるはずです。ただ、ここで自分で辞書で意味調べをさせても上手くいきません。
例えば「客観」という言葉を子供が辞書で調べても、きっと書かれている説明を理解できないでしょう。そこでまず親が子どもにその読めない漢字の言葉の意味を分かりやすい言葉で教えてあげましょう。教えた後に、その言葉を使って例文を作らせるのがポイントです。
無機質な「単語」を文章にすることで、実生活とつながりのある「意味のある言葉」になり、記憶に残りやすくなります。
読めない漢字の確認を繰り返す
読めない漢字の意味を理解できたら、再度、バツが2つついた漢字だけを読めるようになったかをチェックをします。今までと同じように、正確に読めなかった漢字にバツをつけます。この段階になる頃には読めない漢字がずいぶん減っているはずです。
後は、また数日後にバツが3つついた漢字を読めるか確認、読めなかったらバツをつけて……というように繰り返していくだけです。
漢字の覚え方は「部首」がポイント!
漢字を書くことで記憶に定着させる 漢字の「書き方」を覚えるには「部首」に着目することが大切です。漢字の部首にはそれぞれ意味があります。漢字が書けない子供は、練習する前に部首の意味を学ぶと、漢字が「記号」ではなく「意味のある組み合わせ」になって記憶しやすくなります。
漢字の部首の意味を確認したら、学年の配当漢字にこだわらずに、同じ部首の漢字をまとめてみましょう。例えば「さんずい」の漢字グループ、「にくづき」の漢字グループというように分類します。
記憶というのは他の事項との関連、つながりが強いほどしっかりとなります。まとまりのないバラバラの漢字を順番に関係なくひたすら紙に書いて練習するのは効率の悪い勉強法です。漢字を紙に書いて練習するのは最後の手段です。
分類をしたあとに、先ほどの漢字の「読み方」と同じように、漢字テスト帳で「書き方」の確認をしていきましょう。同じようにマルバツをつけることを3回くらい繰り返してください。3回書けなかったら初めて紙に書いて練習するのです。
ちなみに子どもが間違えやすい漢字はだいたい決まっています。「子どもが間違えやすい漢字」を作成するのも効果的です。間違えやすい漢字をあらかじめ知っておけば、漢字の問題でミスをする確率が大きく下がります。
小学生の漢字勉強法
小学生の漢字勉強法は、低学年は「楽しさ」重視、中高学年は「少しずつ勉強」することです。
自制心の育っていない小学生低学年は、楽しくないと勉強しません。そこで、漢字の学習マンガや、タブレットの通信教材を使って取り組んだり、テロップ入りのYouTube動画を見たりすることも、実は立派な漢字の勉強になります。
「これから漢字の勉強をしよう」というように、「明らかに勉強」というスタンスで漢字を学ぶよりも、漢字の勉強を日常に組み込んで、日々漢字に触れる機会を作りましょう。
中高学年、特に中学受験を目指す子は、かなり量の多い漢字を学ぶ必要があります。でも、そうは言っても、一気に覚えた漢字は一気に忘れます。
そこで、1日中で漢字を勉強する時間を30分などと決めて、その決めた時間だけ勉強する習慣化をおすすめします。時間制限があることで集中して取り組めます。決めた漢字学習時間のうち、最初の5分は前日勉強した漢字を復習することで、学んだ漢字がより定着しやすくなります。
中学生の漢字勉強法
中学生の漢字勉強法は、学校の定期テスト、通塾している人は塾の漢字テストに合わせて漢字を勉強していくことです。高校入試の国語では多くの学校が漢字を出題し、10点から20点くらいの高配点です。漢字は安定した得点になる見返りの大きい勉強ですので、取り組む価値大です。
小学生の場合、漢字は書きよりも、読みを優先して勉強することをおすすめしていますが、中学生は、読み書き並行して勉強することをおすすめします。
というのも、公立高校の入試では、漢字の書きは小学生範囲の漢字からしか出題されないからです。漢字の書きは、意外と取り組みのハードルが低いのです。読みは中学生範囲の漢字からも出題されるものの、書けなくても入試に出されません。読めれば書けなくても問題ありません。
ただし、独自に入試を作成している公立高校などは、小学生で習う漢字ではあるものの、言葉としては難度の高い出題がありますし、私立の難関校では中学生範囲の漢字の書きも出題されます。漢字の読み書きだけでなく、意味も辞書で調べて理解しましょう。読解力向上にもつながって一石二鳥ですよ。
漢字は効率よく勉強すれば誰もができるようになります。紙に何回も書いて練習するような「苦行」をする前に、「ざっくりと覚えること」を繰り返してみてください。漢字が書けない!読めない!と苦手意識を持ち、練習を面倒くさがる子でも漢字が得意になる覚え方で漢字の成績を上げましょう。