高校入試の英語対策は、多くを覚える必要がない点に特徴があります。基礎をしっかりと身につければ、点数を稼ぐことができますが、進め方を誤ると勉強量と得点のバランスが崩れてしまいます。
塾に通っていない場合でも、英語の勉強方法や不安について心配する必要があります。本記事では、高校受験に向けた英語の正しい学習順序と方法について解説します。
高校受験の英語科目は、リスニング、英作文、英文法・語彙、長文読解から成り立っています。これらすべてに対応するためには、英単語➡文法➡長文読解、そして➡リスニングの順番で学習する必要があります。
具体的な学習順序:
- 英単語を覚える
- 文法を理解する
- 長文読解に慣れるために問題を解く
- リスニング問題に取り組む
単語や文法は、長文読解やリスニングよりも先に学習する必要があります。なぜなら、これらが理解されていなければ、長文読解やリスニングが難しくなってしまうからです。
受験までのスケジュール:
中学3年まで:
中学1,2年生の間は、定期テストのための勉強に集中しましょう。内申点は高校受験に影響するので、定期テストで出る内容を理解しておくことが重要です。早々に長文を解こうとすると、単語や文法が不十分なため理解が難しくなります。効果的な勉強にならないので、まずは基礎を重視しましょう。
中学3年の夏まで:
中学3年生になってから夏までは、部活動が忙しい時期かもしれません。そのため、隙間時間を利用して単語カードなどで勉強すると効果的です。また、この時期から少しずつ長文にも慣れていくと良いでしょう。
中学3年の夏から受験まで:
夏が過ぎたら、長文に重点を置いて勉強していきましょう。部活も終わり、時間が取れると思いますので、じっくりと長文を読んで慣れていきましょう。もちろん、単語や文法も重要ですが、完璧になるには時間がかかるでしょう。長文に慣れてきたら、過去問にも挑戦してみましょう。
英語の学習は、時間と努力を要するものです。従って、計画的に取り組むことが成功の鍵です。定期テストの勉強には焦点を合わせつつ、余裕があれば英単語や基本文法の復習を行うことが重要です。夏休みからは、本格的に長文読解に取り組み、リーディングスピードを向上させるよう努めましょう。
また、リスニング力を高めるためには、英語の音声を積極的に聞く習慣を身につけることが必要です。受験までの時間は限られていますが、着実な準備を行い、自信を持って臨むことが大切です。
英語学習のためのガイド:語彙の構築
ステップ1:
基本語彙の習得
中学教育の指導要領に従い、生徒は中学校で約1,600から1,800の単語を学びます。これには単語、フレーズ、イディオムが含まれます。しかし、高校入試では、約2,000から2,500の語彙が求められることが多く、これは英検3級から準2級の範囲に相当します。これは、中学校を卒業したレベルから、高校の中級レベルまでの語彙が必要とされています。
これらの語彙は、中学1年生から徐々に学んでいくものですが、覚えるべき単語の総数は多いため、効率的かつ迅速な学習方法が必要です。
効果的な単語カードの使用法
単語を覚える方法は多岐にわたりますが、特に推奨されるのは単語カードを使った学習です。単語カードは取り扱いが容易で、覚えた単語は取り除くことができます。これにより、覚えにくい単語だけを残して効率的に反復学習することが可能です。単語カードは、表面に日本語、裏面に英語を記載して使用します。
一度に約50語を学習することを目標にし、日本語の意味を確認しながら、英単語を完璧に言えるまで繰り返しましょう。各単語の確認には2~3秒を目安にします。時間をかけて思い出す単語は、まだ完全に覚えていない証拠です。また、単語学習に集中しすぎると注意力が散漫になる可能性があります。50語の単語を3秒で確認すれば、3分以内に終了することができます。英単語を見ながら日本語の意味を確認する練習も行い、その後、実際に単語を書いてスペルをチェックしましょう。
この方法で単語カードを1周し、覚えた単語はカードから取り除きます。不確かな単語だけが残るため、再度同じ方法で学習を繰り返します。単語カードは100円ショップやオンラインで購入可能です。必要とする際にすぐに使用できるように、余分に準備しておくことをお勧めします。
派生語と類義語の同時学習
単語を辞書で調べると、多くの派生語や類義語が見つかります。例えば、「want」は基本的な欲求を示すのに対し、「hope」は実現可能な欲求、「wish」は実現が難しい欲求を意味します。単語を学ぶ際には、関連する意味の単語を一緒に覚えることで、複数の単語を同時に習得することができます。大量の語彙を効率的に学ぶためには、このような方法が有効です。
発声を伴う学習
記憶の速度を高めるためには、五感を活用することが効果的です。単語カードを使って学習する際には、視覚だけでなく、実際に単語を声に出して覚えましょう。これにより、視覚と聴覚の両方を使って学習することができます。また、単語の発音を知ることは、リスニング能力向上にも重要です。リスニングの内容を理解するためには、単語の意味だけでなく、その音も把握しておく必要があります。
公共の場所などで声を出すことが難しい場合は、心の中で発音を練習しましょう。発音記号から発音がわかりにくい場合は、インターネットで検索するか、音声機能付きの辞書を使用して確認することをお勧めします。
ステップ2:
文法の理解
英単語の覚えが進んだら、次は文法に集中しましょう。英文法はルールを把握し、反復練習で身につけます。
英文法の基本をマスターする
日本語と同様に、英語にも文法があります。言語の構成ルールは異なりますので、英語の構造を理解するためには基本ルールの習得が欠かせません。
例えば、be動詞を使用した文では、「He is a teacher」のように、be動詞が主語の後ろに来て述語となります。また、「I play baseball」のように一般動詞を使う場合も、主語の直後に述語が来ます。
これらの基本ルールを理解し、新しいルールを追加していきましょう。助動詞の場合、動詞の直前に配置され、動詞は原形になります。文法をしっかり覚えていくことが重要です。
英文法問題集の活用
英文法を効率的に学ぶためには、教科書だけではなく専門の参考書や問題集を利用しましょう。これらは年齢や学年に合わせて解説されており、段階的に理解を深めることができます。
参考書で文法のルールを理解し、問題集で練習を重ねることが大切です。間違えた問題は復習し、苦手な項目を集中的に克服しましょう。
中学3年までに習得を目指す
文法の理解は中学3年までに十分に進めておく必要があります。なぜなら、高校入試では長文読解が重要な要素となるため、その準備に時間を充てる必要があるからです。
文法の不足は長文読解の解答に響きます。夏休み中に文法を集中的に学び、理解を深めることで、9月までに準備を整えることが重要です。
継続的な学習と復習の重要性
英語の語彙を増やすためには、新しい単語を学ぶだけでなく、定期的な復習が不可欠です。学んだ単語は時間が経つと忘れがちですが、繰り返し復習することで長期記憶に移行させることができます。毎日少しずつでも良いので、定期的に単語カードを見返し、記憶を新鮮に保ちましょう。
多読による自然な語彙の習得
単語カードでの学習に加えて、多読も語彙力を高める効果的な方法です。英語の本や記事をたくさん読むことで、単語が実際にどのように使われているかを理解し、文脈に応じた使い方を自然と身につけることができます。また、読むことによって、文法や表現の知識も同時に深めることが可能です。
ゲームやアプリを利用した楽しい学習
学習を継続するためには、楽しみながら学ぶことも大切です。市販されている英語学習ゲームやアプリを利用することで、遊び感覚で語彙を増やすことができます。特に子供たちにとっては、ゲームを通じて学ぶことはモチベーションを高める良い方法です。
実践的な会話練習
実際に英語を話す機会を持つことも、語彙力を高める上で非常に有効です。友人や家族、またはオンラインでの言語交換パートナーと英語で会話をすることで、実際のコミュニケーションの中で単語を使う練習ができます。これにより、単語の意味だけでなく、使い方も自然と身につきます。