「こんなにやってるのに、なんで覚えられないの?」
そう言ったあと、私は机に突っ伏しました。
問題集は開いたままです。
付せんも、ノートも、ペンもある。
でも、頭だけが動かない。
頑張っているはずなのに、
手応えがないんです。
やればやるほど焦る。
その焦りで、また詰め込む。
そんな勉強を、
ずっと続けていました。
昔の私は、
とにかく気合で進むタイプでした。
「まず量でしょ」
「手を止めたら負け」
そんなふうに思って、
ひたすら机に向かっていたんです。
「今日は3時間やる」
そう決めると、
意地でも座っていました。
眠くてもやる。
わからなくても進む。
復習は後回しでした。
確認もしませんでした。
とにかくページを進める。
それで満足していたんです。
でも、数日たつと、
前にやった所を忘れている。
「あれ、これ見たはず…」
その瞬間が、
地味にしんどかったです。
頑張った時間が、
そのまま消えた気がして。
3時間やった日ほど、
空回りが大きいこともありました。
量はやっているのに、
中身が残っていない。
あれは結構つらかったです。
しかも今度は、
不安まで増えていきました。
「このやり方で合ってる?」
「もっと別の参考書がいい?」
そんなことを考え始めると、
手が止まるんですよね。
机には向かっているのに、
ページが進まない。
スマホを見てしまう。
他の人の勉強法が気になる。
(みんな、ちゃんと進んで見える)
それがまた、
焦りに変わるんです。
「私だけ、何かズレてる?」
その感覚が一番きつかったです。
頑張りが足りないのか。
向いていないのか。
もう何が原因か、
わからなくなっていました。
そんなとき、
家族にぽつっと言われたんです。
「毎日疲れてるのに、
成果が見えないのはしんどいね」
その一言で、
なぜか力が抜けました。
責められると思っていたのに、
先にわかってもらえた感じがして。
そこでやっと、
気づいたんです。
足りなかったのは、
根性じゃなかった。
足りなかったのは、続く仕組みでした。
そこから私は、
勉強のやり方を変えました。
まず、
時間を長く取るのをやめました。
「今日は何時間」ではなく、
「何をやるか」を先に決める。
それだけで、
気持ちが少し軽くなりました。
1日30分でも、
やる内容を固定したんです。
英単語を10分。
問題を15分。
最後に5分だけ見直し。
こんな感じです。
さらに、
復習の場所も決めました。
新しいことをやった次の日に、
前日の分を少し戻る。
それだけで、
忘れ方が変わりました。
前は「やった」で終わり。
今は「残ったか」を見る。
この違いが大きかったです。
確認テストも入れました。
といっても、
大げさなものではありません。
自分で3問だけ出す。
口に出して答える。
できなければ、
そこだけ戻る。
たったそれだけです。
でも、この小さい確認が、
気持ちをかなり救ってくれました。
「全然ダメ」じゃなくて、
「ここはできてる」が見えるから。
できていない所より、
できた所が見えるんです。
これ、思っていた以上に
大事でした。
勉強って、
内容だけじゃないんですね。
気持ちが折れない形にすることも、
同じくらい大事でした。
前の私は、
自分を追い込むのが努力だと
思っていました。
でも今は違います。
迷う前に動ける形を作る。
止まっても戻れる形にする。
それだけで、
空回りはかなり減りました。
もし今、
頑張っているのに苦しいなら。
気合が足りないわけじゃ
ないのかもしれません。
必要なのは、
もっと自分を追い込むことじゃない。
時間割、復習、確認テスト。
この3つみたいな、
小さな仕組みです。
未来って、
勢いだけでは変わらない。
少し安心できる形で、
ちゃんと動き出せます。
設計は、優しいです。

