「内容は書けているのに、なぜかいつも減点される」。中3のお子さんの英作文の答案を見て、そう感じたことはありませんか。
単語も文法もだいたい分かっているはずなのに、三単現の「s」が抜けていたり、ピリオドがなかったり。本人に聞いても「ちゃんと書いたつもり」と言うばかりで、何が悪いのか自分では気づけていません。
こうした減点は、実は「知識不足」ではなく「見直しの癖がない」ことが原因である場合がほとんどです。今回は、受験直前の今からでも身につけられる、たった5秒でできる見直し習慣を、親がどう声かけすれば定着するかまで含めて具体的にお伝えします。
なぜ「分かっているのに」減点されるのか
英作文の減点には、大きく2種類あります。
1. **知識不足による間違い**(単語を知らない、文法を理解していない)
2. **ケアレスミスによる間違い**(知っているのに見落とす)
多くの受験生がつまずいているのは、実は②のケアレスミスです。本番の緊張感の中で「書くこと」に意識が向きすぎて、「書いた後に確認する」という行為が抜けてしまうのです。
これは才能や注意力の差ではなく、**見直しを「習慣」として持っているかどうか**の差です。つまり、トレーニングで身につけられる部分だということです。
「5秒チェック」とは何か
5秒チェックとは、英作文を書き終えた直後に、決まった項目だけを機械的に確認する行為です。
ポイントは「全部を丁寧に読み直す」のではなく、**チェックする項目を5つ程度に絞り、1つにつき1秒で確認する**ことです。時間をかけずに済むため、本番でも使いやすく、継続しやすいという特徴があります。
以下、具体的なチェック項目と、家庭での声かけ例を紹介します。
実践チェック項目5選+α
チェック1:主語と動詞は一致しているか(三単現のs)
中学生の英作文で最も多いミスの一つです。He play.のようにsが抜けるケースが頻発します。
**声かけ例**:
「主語が『he・she・it』のとき、動詞にsはついてる?」
**実践例**:
書き終えた文章の主語に丸をつけ、動詞に線を引く。主語がhe/she/it単数なら、動詞の形を1秒で確認する。
チェック2:時制はそろっているか
1つの文章の中で、過去形と現在形が混在していないかを確認します。例えば「I go to the park and played soccer.」のような混在です。
**声かけ例**:
「この話、過去の話?今の話?文の中で時間がバラバラになってない?」
**実践例**:
文章全体を読んで、動詞だけを拾って声に出す。「go…played」のように時制がちぐはぐなら、どちらかに揃える。
チェック3:名詞は単数か複数か
appleとapples、informationのように数えられない名詞など、単数・複数の扱いミスも頻出です。
**声かけ例**:
「この名詞、1つ?複数?数えられない言葉じゃない?」
**実践例**:
名詞を見つけたら「1個か、2個以上か」を自問し、必要ならsをつける。
チェック4:文の最初は大文字か、最後にピリオドはあるか
内容が正しくても、この基本ルールを守れていないだけで減点される場合があります。
**声かけ例**:
「文の最初、大文字になってる?最後にピリオド、打った?」
**実践例**:
書き終えた文章の最初の文字と最後の記号だけを、指でなぞって確認する。
チェック5:冠詞(a/an/the)は入っているか
英作文初心者がよく忘れるのが冠詞です。「I have pen.」のように、penの前にaが抜けるケースが多く見られます。
**声かけ例**:
「名詞の前に『a』『an』『the』、必要なのに抜けてない?」
**実践例**:
名詞の前を見て、数えられる名詞の単数形には基本的に冠詞が必要だと意識する。
【プラス1】スペルミスしやすい単語は要注意
because、although、thoughなど、よく使うのにスペルを間違えやすい単語があります。
**声かけ例**:
「この単語、いつも間違えやすいやつじゃない?」
**実践例**:
過去に間違えた単語をリスト化し、作文後にそのリストと照らし合わせる。
親が家庭でできる「5秒チェック」の定着方法
習慣化には、本人の意識だけでなく、親からの継続的な声かけが効果的です。以下のような流れを、普段の勉強時間に取り入れてみてください。
**ステップ1:チェック項目を一緒に決める**
5つの項目を、お子さんと一緒に紙に書き出します。「自分で選んだ」という感覚が、継続のモチベーションになります。
**ステップ2:書いた直後に、項目を声に出して確認させる**
「主語と動詞、時制、名詞、ピリオド、冠詞」と、5つを順番に声に出してもらいます。最初はゆっくりでも構いません。
**ステップ3:間違えた箇所をメモしておく**
どのチェック項目でミスが多いかを記録しておくと、「自分はここが弱い」と本人が自覚できます。
**ステップ4:本番を意識した時間設定で練習する**
最初は時間をかけてもよいですが、慣れてきたら「書き終えたら5秒だけ」という制限をつけて練習します。
よくある質問
**Q. 見直しをさせても、本人が「面倒くさい」と言う場合は?**
A. 「全部見直して」ではなく、「この5つだけ」と項目を絞って伝えると、負担感が減ります。最初から完璧を求めず、1つでも確認できたら十分だと伝えましょう。
**Q. 模試では見直しできるのに、本番だと忘れる場合は?**
A. 緊張すると、習慣化されていない行動は抜けやすくなります。模試のたびに同じ手順で見直す練習を重ね、「書いたら必ずこの5つ」という動作を体に覚え込ませることが有効です。
まとめ
英作文の減点は、知識の差だけでなく「見直す習慣があるかどうか」で大きく変わります。5秒チェックは、特別な知識や時間を必要とせず、今日から取り入れられる方法です。
まずは5つのうち1つだけでも、お子さんと一緒に試してみてください。小さな積み重ねが、本番での1点、2点につながっていきます。
*関連記事
1. 英作文だけでなく、国語や数学でも同じような「ケアレスミスの見直し習慣」は効果を発揮します。他教科での見直し方法については、別記事でも詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
2. 「勉強しなさい」と言わずに子どもが自分から机に向かうようになるための声かけの工夫については、「勉強しなさいと言わない子育てメソッド」の記事でまとめています。今回紹介した声かけ例と合わせて読むと、家庭での実践がさらにスムーズになります。
3. 中3の受験期に親ができる具体的なサポートについては、「受験直前、親がやるべきこと・やってはいけないこと」の記事でも解説しています。英作文対策と合わせて、全体の学習サポートの見直しにもぜひお役立てください。
