夕方4時半。帰宅したお子さんがランドセルを床に置き、3分後にはソファでゲーム機を握っている。「宿題は?」と声をかけると「今やろうとしてた!」と返ってきて、胸の中で「また…」とため息が出る。
この反応は、あなたの声かけが悪いからでも、お子さんがだらしないからでもありません。**言われた瞬間に「自分で決めること」が「やらされること」に変わるため**と言われています。
この記事でわかるのは次の3点です。
– 「今やろうとしてた!」が出る理由
– 言い方・物・動線を変える6つの方法(NG→OKの声かけ例つき)
– 冷蔵庫に貼れる保存版チェックリスト
結論は、**「何をやるか」ではなく「いつ始めるか」を本人に決めてもらい、最初の一歩を小さくする**ことです。
目次
– [なぜ「今やろうとしてた!」と言うのか](#cause)
– [「今やろうとしてた」と言われた時の声かけ2つ](#voice)
– [付箋とタイマーで「やる気待ち」をなくす方法2つ](#tools)
– [ボードと事後の声かけで続ける方法2つ](#keep)
– [【保存版】声かけ・仕組みチェックリスト](#checklist)
– [学年別・タイプ別の調整ポイント](#grade)
– [よくある質問](#faq)
– [まとめ](#summary)
なぜ「今やろうとしてた!」と言うのか
**多くの場合、反抗というより「自分で決めたい」気持ちの表れです。** ただし中身は子どもによって違い、主に次の3つに分けられます。
– **指示への反発**:人は指示されると、内容にかかわらず逆らいたくなる傾向があると言われています(個人差があります)。
– **切り替えの途中**:ゲームや遊びから勉強へ気持ちを移すのに時間がかかる子もいます。「やろうとしてた」が本当の場合もあります。
– **重そうで動けない**:宿題の量や終わりが見えず、何から始めるか決まっていない状態です。
声をかけたくなるのは、お子さんを大切に思うからこそ自然なことです。うまくいかないのは声かけの「中身」や「タイミング」の問題で、親子の努力不足ではありません。次の章から、場面別に具体策を紹介します。
「今やろうとしてた」と言われた時の声かけ2つ
**「命令」を「質問」に、「催促」を「予告」に変えると、反発が起きにくくなります。**
策1:二択で「いつ始めるか」を聞く
– **やること**:帰宅後、おやつを出すタイミングで「宿題、おやつの前と後、どっちにする?」と聞きます。選んだ時刻をリビングの時計の下に付箋で貼ります。
– **NG**:「早く宿題やりなさい」
– **OK**:「宿題、おやつの前と後、どっちにする?」
– **うまくいかない時**:「どっちもやだ」と言われたら「じゃあ何時ならできそう?」と時刻を聞きます。毎回迷うなら、1週間は「おやつの後」に固定して選ぶ負担を減らします。
策2:「今やろうとしてた」を予告に変える
– **やること**:言われたら言い返さず、「やるところだったんだね。じゃあ10分後に一回見に来るね」とだけ伝えて、その場を離れます。見張らないことが大切です。
– **NG**:「どうせやってないでしょ」
– **OK**:「やるところだったんだね。10分後にもう一度来るね」
– **うまくいかない時**:10分後も動かなければ、催促せず「始めるのに手伝えること、ある?」と1つだけ聞きます。声かけは「予告」と「確認」の2回までに絞ると、お互い疲れにくくなります。
付箋とタイマーで「やる気待ち」をなくす方法2つ
**やる気は待つものではなく、小さく動いた後からついてくると言われています。** 日用品で最初の一歩を軽くしましょう。
策3:ランドセル置き場に付箋を1枚だけ貼る
– **やること**:ランドセルを置く場所に、前夜か朝に子どもと一緒に付箋を1枚貼ります。書くのは「連絡帳を出す」のように3分以内で終わる作業だけです。帰宅後に付箋をはがしてゴミ箱へ捨てるまでを1セットにします。
– **NG**:「ランドセルから宿題出しなさい」
– **OK**:「付箋はがしたら、連絡帳だけ机に置いてみて」
– **うまくいかない時**:見なくなったら、貼る場所を変えます。ゲーム機の置き場所や冷蔵庫のドアなどです。枚数を増やすと逆効果になりやすいので、1枚に保ちます。
策4:キッチンタイマーで「予想タイム」ゲームをする
– **やること**:始める前に「今日の宿題、何分で終わりそう?」と予想させます。お子さん自身がキッチンタイマーをセットして開始し、終わったら止めます。予想と実際の時間を、カレンダーの端にメモします。
– **NG**:「いつまでダラダラやってるの」
– **OK**:「今日の宿題、何分で終わりそう? 予想してタイマー押してみよう」
– **うまくいかない時**:速さ競争になって字が雑になったら、「速さ」ではなく「予想に近かったか」を見ます。時間が気になって焦る子には、タイマーの表示を伏せて使います。
**次に読むと役立つ記事**:ゲームの終わらせ方で毎回もめる場合は、「ゲームをやめられない子への声かけと約束の決め方」(内部リンク候補)が助けになります。
ボードと事後の声かけで続ける方法2つ
**始めさせるだけでなく、「終わった後」の声かけが次の日の行動を左右します。**
策5:ホワイトボードに「今日の順番」を子どもが書く
– **やること**:冷蔵庫か壁に小さなホワイトボード(紙でも可)を置き、子どもが「宿題→お風呂→ゲーム」など順番を書きます。終わったら自分で線を引くか消します。親は書かず、直しません。
– **NG**:「宿題が先でしょ。何回言わせるの」
– **OK**:「今日の順番、ボードに書いてみて。書けたら見せてね」
– **うまくいかない時**:書きたがらなければ、「宿題」の2文字だけ書いてもらいます。ゲームを先に書いた場合は、終了時刻も一緒に書く約束にします。
策6:終わった直後に「事実」を一言伝える
– **やること**:終わってから30秒以内に、見えた事実を短く言葉にします。評価ではなく、事実を伝えるのがコツです。
– **NG**:「やればできるじゃない」(「できないと思っていた」と受け取る子もいます)
– **OK**:「計算ドリル2ページ、最後まで書いたね。字が揃ってたよ」
– **うまくいかない時**:照れて反応しない子には、付箋に書いてランドセルに貼る方法もあります。声に出さなくても伝わります。
【保存版】声かけ・仕組みチェックリスト
**スマホのメモにコピーして、冷蔵庫にも貼れる形にしました。** できた項目だけ数えれば十分です。
– □ 帰宅後すぐ「宿題は?」ではなく、まず「おかえり」だけ言った
– □ 宿題の開始時刻を二択で聞いた
– □ 「今やろうとしてた」に「やるところだったんだね」と返した
– □ 「◯分後に見に来るね」と予告して、その場を離れた
– □ 声かけは「予告」と「確認」の2回までにした
– □ ランドセル置き場に付箋を1枚だけ貼った
– □ キッチンタイマーで予想タイムを子どもが決めた
– □ 今日の順番を子どもがボードに書いた
– □ 終わった直後に、事実を一言伝えた
– □ できなかった日も責めず、明日の調整を1つだけ決めた
学年別・タイプ別の調整ポイント
**同じ声かけでも、学年や性格で効き方は変わります。** お子さんに合うものから試してください。
**学年別**
| 学年 | 調整ポイント |
| 低学年 | 二択と付箋を中心に、最初の数分は隣で待ちます。タイマーは短めです。 |
| 中学年 | 予想タイムとボードが合いやすい時期です。順番づくりを任せます。 |
| 高学年〜中学生 | 指示を最小限にし、「いつ確認してほしい?」と本人に決めてもらいます。 |
**タイプ別**
– **切り替えが苦手な子**:ゲームの終了5分前に「あと5分で区切りにしようね」と予告します。
– **始められない子**:最初の一歩を「ノートを開くだけ」まで小さくします。
– **反発が強い子**:口頭を減らし、付箋やボードなど紙でやりとりします。
取りかかれない状態が長く続く場合や、学校でも困りごとがある場合は、担任の先生、スクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口に相談することも選択肢です。
**次に読むと役立つ記事**:宿題そのものに時間がかかる場合は、「宿題が終わらない原因と時間の目安の考え方」(内部リンク候補)も参考になります。
よくある質問
**Q1. 「今やろうとしてた」は嘘なのでしょうか?**
本当の場合も、とっさに出た言葉の場合もあり、見分ける必要はありません。「やるところだったんだね」と受け止めたうえで、予告に切り替えるのが近道です。
**Q2. 「勉強しなさい」を言わないと、全然やらないのではと不安です。**
最初の1〜2週間は、始めるのが遅れる日もあるかもしれません。個人差はありますが、声かけを減らす代わりに、二択や付箋などの仕組みで補うと続けやすくなります。
**Q3. ゲームを先にやらせてもいいですか?**
家庭の方針によります。先にやる場合は、「タイマーが鳴ったら終わり」「終了後に宿題」など、お子さん本人と事前に決めておくと、その場でのもめごとが減ります。
まとめ
「今やろうとしてた!」は、**自分で決めたい気持ちを大切にしながら、始める時刻と最初の一歩を小さくする**ことで減らせます。6つの方法をすべて試す必要はありません。
**今日やる1つの行動**は、おやつを出す時に「宿題、おやつの前と後、どっちにする?」と聞くことです。答えを付箋に書いて貼れたら、今日は十分です。
