英語の勉強に悩んでいる中学生やその保護者の方は多いと思います。「英語の点数が上がらない」「小学校の英語と中学校の英語が違いすぎる」「高校受験のために英語を強化したい」という声をよく耳にします。
英語は中学入学後すぐに得意不得意が分かれやすい教科です。英語を得点源にするための効果的な勉強法とはどのようなものでしょうか。
それでは、英語が得意になるために必要な勉強法を紹介します。高校入試で英語が差をつけるために、ぜひ参考にしてください。
単語(語彙):発音・スペル・意味をセットで覚える
英語の基礎は単語です。単語を覚えると、長文もスムーズに読めるようになります。高校入試はもちろん、大学入試でも単語力が重要です。単語力を高めることは、英語力を高めることです。
単語を覚えるときは、スペルだけでなく、発音と意味も一緒に覚えましょう。発音が正しければ、スペルも自然に覚えられます。発音と意味がわかれば、聞く・話す・読む・書くのすべてのスキルに役立ちます。ただ単に増やすだけではなく、派生語や類義語などを関連付けて覚えると効果的です。英語の単語は、同じ語根から派生した単語が多くあります。派生語を覚えると、知らない単語でも推測できるようになります。
文法:わからないところは戻って復習する
英文法は、わからないところがあれば、そこまで戻って復習することが大切です。どこがわからないかを見つけるには、教科書やワークの目次を見てみましょう。目次に書かれた「3単現のs」「疑問文」「比較」などの見出しを見て、「どんなルールだったか」を思い出せるか確認しましょう。すぐに思い出せれば、理解できていると判断できます。逆に、思い出せなかったり、説明できなかったりしたら、その部分はまだ理解が足りないということです。目次を使って自分の弱点を見つけて、基本問題からやり直しましょう。
長文読解:一文一文を丁寧に解釈する
長文読解力を高めるには、一文一文を丁寧に解釈することがコツです。丁寧に解釈することで、速読力も身につきます。高校入試だけでなく、将来の英語学習や資格試験にも役立ちます。
長文読解力を高める方法は、以下のようにします。
1.単語の意味を調べる
2.主語と動詞に印をつける
3.文法事項をチェックする
4.主語動詞関係と文法をもとに、正しく訳す
最初は時間がかかっても構いません。慣れれば、読み進めながら主語動詞や文法を見つけられるようになります。そして、英文を英語のまま理解できる「直読直解」ができるようになります。この英文解釈法は、実は大学入試でも使える秘訣です!ぜひ挑戦してみてください。
英作文:完璧を目指さず、シンプルに書く
高校入試で出題される英作文は、シンプルに書くことがポイントです。英作文の練習では、3つの「しない」を意識しましょう。
1.完璧な英文を書こうとしない
2.難しい言い回しで書こうとしない
3.難しい単語を使おうとしない
英作文は、自分の言いたいことを正確に伝えることが目的です。そのためには、わかりやすくシンプルな英文がベストです。難しい言い回しや単語を使おうとすると、間違いや不自然さが目立ちます。自分が理解している単語や文法を使って、簡潔に書きましょう。
さらに、英作文のコツを伝授!
英作文は中学生にとって難しい課題です。日本語と英語では文法や表現が違うので、そのまま訳すことはできません。英作文を上達させるには、どんな方法があるのでしょうか。この記事では、英作文のコツと効率的な勉強法をご紹介します。
基本は「シンプルな日本語」に書き換えること
英作文をするとき、まずは問題文を「主語と述語がはっきりしている、正しくシンプルな日本語」に書き換えましょう。これは、国語力(日本語力)も必要ということです。日本語特有の「主語がはっきりしない」「物がその動作をしたかのように(主語であるかのように)書かれている」ケースや、「日本語と英語では別の表現をする」ケースなどを避けるためです。書き換えた日本語をもとに、英語に置き換えていきます。
英語の例文・表現を丸覚えする
英作文の力を伸ばすには、「英語の基本的な例文(表現)を丸覚えする」ことが効果的です。単語だけを知っていても、英作文ではどう言えばいいかわからないことがよくあります。基本的な表現を丸ごと覚えることで、英語の文を書くハードルがぐんと下がります。毎日一文から始めて、徐々に慣れてきたら覚える文を増やしてみましょう。
このとき、必ず音読して覚えましょう。目(字を追う)と口(実際に発音する)と耳(自分の声を聴く)という体の3つの器官を使うことで、脳への記憶定着度が上がるとされています。覚える文は教科書のものが最適ですが、面白くないなと思ったら好きな英語の歌詞を丸暗記するのでも大丈夫です。英語の例文・表現を丸ごと覚えると、単語力と文法力、発音やアクセントの知識も一緒に増えます。ぜひ今日からやってみてください。
リスニングは「英語の音に慣れる」ことが大切
リスニングは「英語の音に慣れる」ことが重要です。音と音のつながり方、特定のスペルがどう発音されるかといった点に注目して聴いていきましょう。英文のスピードは、「頑張ればなんとか聞き取れる」程度がおすすめです。あまり速いと聴き取れずにやる気がなくなってしまいますし、ゆっくりすぎても集中力が途切れやすくなります。
また英語の発音特有の単語同士のつながり(リエゾン、リンキング)が、ゆっくりすぎると単語同士がぶつ切りになってしまうため、遅すぎる英語を聴くのはおすすめできません。再生スピードを調整できるデバイスなども利用しつつ、耳を慣らせていきましょう。
忙しい中学生におすすめの効率的な勉強法
ここからは部活や生徒会活動、習いごと等で忙しい中学生におすすめの、効率的な勉強法をご紹介します。英語の勉強は継続してこそ成果が出るもの。やり始めたら少なくとも3か月は頑張ってみましょう。「自力では難しい」と感じたら、早めに塾の利用を検討するのも選択肢です。効率的な勉強法としては、以下の3つがおすすめです。
(1)隙間時間に「単語の暗記」をする
休み時間や移動時間、帰宅後のひと時、寝る前など、隙間時間には「単語の暗記」をしてみましょう。単語は繰り返し練習することで、徐々に定着していきます。隙間時間に反復するのは理にかなった練習法なのです。教科書のほか、中学生用の単語帳を使うのもおすすめ。デザインや解説が使いやすいと感じる1冊を選んでみてください。
本来は実際に発音しながら覚えたほうがよいのですが、移動時間などは難しいでしょう。フラッシュカードアプリを使うなど、飽きずに勉強できるツールを見つけておくのもおすすめです。
(2)音源を活用し「リスニング対策」をする
リスニング対策は、良質な音源を聴き込むことが大切です。教科書ガイドについているCD、アプリなど使いやすいものを流してみてください。NHKラジオの「基礎英語」シリーズもおすすめ。毎日決まった時間に放送されるので、習慣が付けやすいですよ。
リスニングの練習ではイヤホンやヘッドホンは使わないのがポイント。本番では教室の放送設備で音声が流れるからです。周囲の雑音がある中でも聞き取れる耳を養うために、スピーカーから流れる音に集中する練習をしましょう。
(3)「3行日記」で英作文トレーニングをする
英作文の練習には3行程度の「英語日記」がおすすめです。高校入試でも「20~30語」「3文程度」という条件の出題が多いので、「3行日記」はかなり実戦的でしょう。たった3文でも、やってみると思うように書けないことに気づくはず。本番までに慣れておくためにも挑戦してみてください。また英語の先生に添削してもらうのも良い方法です。自分では気づけないミスや、より洗練された表現を教えてもらえますよ。
【まとめ】
英作文は中学生にとって難しい課題ですが、コツをつかめば上達できます。シンプルな日本語に書き換えること、英語の例文・表現を丸覚えすること、英語日記でトレーニングすることを心がけましょう。
また、リスニングも英語の音に慣れることが大切です。音源を活用し、スピーカーから流れる音に集中して聴きましょう。忙しい中学生でも、隙間時間に単語の暗記や音源の聴き取りをすることで、効率的に勉強できます。
英語の勉強は継続してこそ成果が出るもの。やり始めたら少なくとも3か月は頑張ってみましょう。英作文の力を伸ばす秘訣をお伝えしました。ぜひ参考にしてください。
英文法の学習法を徹底解説!
英文法は、中学生にとって大きな壁になることが多いです。しかし、英文法をマスターすることは、英語の読解力や表現力を高めるために必要なことです。そこで、この記事では、英文法の学習法を徹底解説します。中学生が苦手を克服するコツとは何でしょうか?以下のポイントに注意して学習してみましょう。
1. 全単元を早めに一通り学ぶ
英文法は、一つの単元にこだわらずに、全体をバランスよく学ぶことが大切です。なぜなら、英文法は単元ごとに関連性が高く、先に進んだ方が前の単元が理解しやすくなる場合があるからです。たとえば、「動名詞」と「不定詞」は、互いに影響しあう単元です。
教科書やワーク、問題集で、基礎レベルの問題が解けるようになれば、次の単元に進みましょう。一つの単元にこだわりすぎると、時間がかかってしまいます。全体をスパイラルに何周も繰り返し、弱点を見つけて補強していくことで、英文法の理解を深めましょう。
2. 週に1回は初見の長文問題に挑戦する
長文読解は、新しい文章に慣れることも重要です。模試や高校受験の対策として、できれば週に1回、最低でも2週に1回は初見の長文問題にチャレンジしましょう。
このとき、難易度は高すぎないものを選びましょう。難関私立高校を目指す場合を除いては、教科書(基本)~標準レベルの文章で十分です。まずは、「初めて見る長文の英語に臆せずに取り組む」ことを目標にしましょう。市販の問題集にはレベルが表示されているので、参考にしてくださいね。
3. 英語が苦手になる原因と対策を知る
中学生で英語が苦手になる原因は、人によって違います。苦手になった時期やポイントによって、対策も変わってきます。ここでは、よくある原因と対策を紹介します。
(1) 中学1年
中学1年で英語が苦手になった場合、小学校英語と中学英語のギャップにつまずいた可能性が高いです。特に多いのは、「英単語」の難易度に対応できなかったことです。
小学校では、日常生活で使われる具体的な英単語を学びます。例えば、kitchen(キッチン)・family(家族)・doctor(医者)・piano(ピアノ)などです。
しかし、中学では英単語のレベルが上がります。動詞・形容詞・副詞など、抽象的な単語が増えてきます。ここで、覚えるのが大変だと感じる中学生が多くなります。
さらに、中学では小学校で学んだ英単語約600~700語を「既習」として扱います。知らない単語がどんどん増えて、学習意欲が低下してしまうこともあります。
このような場合の対策は、以下のようなことです。
- 英単語の発音や意味をしっかり覚える。音声やイメージを使って記憶に定着させる。
- 英単語の品詞や用法を理解する。文法のルールや例文を参考にする。
- 英単語の類義語や反対語を覚える。ニュアンスの違いや使い分けを覚える。
- 英単語の派生語や熟語を覚える。語彙力を広げる。
- 英単語の暗記には、カードやアプリなどを活用する。定期的に復習する。
まとめ
英文法は、中学生にとって大きな壁になることが多いですが、克服することは可能です。この記事では、英文法の学習法を徹底解説しました。中学生が苦手を克服するコツは、以下のようなことです。
- 全単元を早めに一通り学ぶ
- 週に1回は初見の長文問題に挑戦する
- 英語が苦手になる原因と対策を知る
これらのポイントを意識して、英文法の学習に取り組んでみましょう。英文法をマスターすることで、英語の読解力や表現力を高めることができます。英語の学習を楽しみながら、目標に向かって頑張りましょう。