中3の英作文は「型」で安定する。親が今日からできる声かけとテンプレートの使い方

「うちの子、英作文になると手が止まってしまうんです」
「日によって点数がバラバラで、書ける日と書けない日の差が大きいんです」

受験が近づくにつれて、こうした悩みを持つ親御さんは増えてきます。何か手伝いたくても、自分も英語は得意ではありません。「ちゃんとやりなさい」と言えば空気が悪くなりますし、かといって何も言わずに見守るのも不安ですよね。

実は、英作文の点数が安定しない原因の多くは、英語力そのものより「何をどの順番で書くかが決まっていないこと」にあります。毎回ゼロから考えていると、思いつく日は書けて、思いつかない日はほぼ白紙になってしまいます。そこで役立つのが「型(テンプレート)」です。

この記事では、英語が苦手な親御さんでも今日からできる、型を使った書き方と声かけの具体例をご紹介します。

英作文の点数がブレる3つの原因

まず、お子さんの英作文がなぜ安定しないのかを整理します。原因が分かると、親の声かけも的を射たものになります。

**1. 書き始める前に構成が決まっていない**
思いついた順に書くと、話があちこちに飛びます。「何が言いたいのか」が採点者に伝わりにくくなります。

**2. 難しいことを書こうとして、ミスが増える**
「いい文章を書かなきゃ」と思うほど、知らない表現を使おうとして文法ミスや綴りミスが増えます。

**3. 設問の条件を読み落とす**
語数、「理由を書くこと」といった条件を落とすと、内容が良くても点が伸びません。

どれも「頭が悪い」「努力が足りない」という話ではありません。やり方を整えれば改善しやすい部分です。

テンプレート化とは「丸暗記」ではなく「骨組みを持つこと」

テンプレート化と聞くと、「決まった文章を暗記して当てはめるだけでは?」と心配になるかもしれません。ここで言うテンプレートは、文章そのものではなく**骨組み(書く順番)**のことです。

たとえば家を建てるとき、毎回ゼロから設計図を考えるより、基本の間取りがあったほうが早く安定して建てられます。中身(家具や内装)は、そのつど変えればよいのです。英作文も同じで、順番を決めておくと、考える力を「何を書くか」だけに使えます。

基本テンプレート①:意見を書く自由英作文(4文構成)

「あなたは〇〇と△△のどちらが好きですか。理由も書きなさい」のような問題は、次の4文構成が使いやすいです。

| 順番 | 役割 | 使いやすい表現 |

| 1文目 | 結論 | I like ~ better. / I think ~. / I want to ~. |
| 2文目 | 予告 | I have two reasons. |
| 3文目 | 理由1 | First, ~. |
| 4文目 | 理由2 | Second, ~. |

さらに語数が必要なら、「That is why ~.(だから〜です)」をまとめとして足します。

**例題:夏と冬のどちらが好きか**

> I like summer better than winter. I have two reasons. First, I can swim in the sea. Second, I can enjoy summer festivals with my friends. That is why I like summer better.

使っているのは中1〜中2レベルの単語と文法だけです。これでも、「結論→理由→まとめ」が明確なので、内容・構成の面で評価されやすい文章になります。

基本テンプレート②:質問に答える・メールに返事を書く問題

友達からのメールに返信する形式では、次の3ステップが使えます。

1. **質問に直接答える**(I want to ~. / Yes, I can.)
2. **理由や補足を1文足す**(Because ~. / I like ~.)
3. **相手に一言返す**(How about you? / I hope you can come.)

**例題:「今週末は何をしたい?」と聞かれた場合**

I want to play basketball with you. I practiced hard for the game, so I want to try new moves. How about you?

基本テンプレート③:絵や図を説明する問題

絵の説明では、「誰が/何を/どこで」の順に書くと迷いません。

> A girl is reading a book in the library. A boy is writing something at the desk.

ポイントは、絵に描いてあることだけを書くことです。想像で足すと、設問の意図からずれることがあります。

親ができる具体的な声かけ例7つ

ここからが、親御さんの出番です。英語が分からなくても大丈夫です。親の役割は「採点者」ではなく、**考えを引き出す聞き役**です。

**声かけ例1:まず日本語で結論を言ってもらう**
「まず日本語でいいから、結論をひとことで言うと?」
いきなり英語にしようとすると止まりやすいので、日本語で整理させます。

**声かけ例2:理由は2つ、難しければ1つでOKにする**
「理由は2つ言えそう? 1つでも大丈夫だよ」
ハードルを下げることで、書き始めやすくなります。

**声かけ例3:やさしい英語に言い換えを促す**
「その言い方、中1で習った単語だけで言い換えられるかな?」
難しい表現に頼らないことが、ミスを減らすコツです。

**声かけ例4:量より「1問を型どおり書けたか」を重視する**
「今日は1問だけでいいよ。型に当てはめて書けたらOK」
毎日1問でも、型が身につけば本番で使えます。

**声かけ例5:内容を教えてもらう**
「何て書いたの? 意味を教えてほしいな」
英語が分からなくても、子どもが説明する過程で「書いた内容を自分で確認する」効果があります。説明するときに矛盾やミスに気づくことも少なくありません。

**声かけ例6:できている所を先に伝える**
「理由が2つ書けているのがいいね。あとは最後のまとめを足せそう?」
間違い探しから始めると、やる気が下がりやすくなります。先に良い点、次に改善点の順が効果的です。

**声かけ例7:前回との比較で成長を見せる**
「先週より、書き出しが早くなったね」
他人との比較ではなく、**過去の本人との比較**にとどめるのがポイントです。

今日から始める1週間の進め方(例)

1. **1日目**:テンプレート①を声に出して読み、例文を1つ写す
2. **2日目**:自分の好きなテーマ(部活、好きな食べ物など)で1問書く
3. **3日目**:志望校の過去問から1問選び、型を使って書く
4. **4日目**:もう1問書く。時間は測らなくてもOK
5. **5日目**:下のチェックリストで自己点検する
6. **6日目**:3日目の答案を、チェック結果をもとに書き直す
7. **7日目**:1週間を振り返り、「書きやすくなった所」を1つ言葉にする

学校の先生や塾の先生に見てもらえる場合は、書き直した答案を添削してもらうと、さらに効果的です。

点数を落としにくくするチェックリスト(子ども用)

書き終えたら、次を順番に確認させます。印刷して机に貼っておくのもおすすめです。

– [ ] 設問の条件(語数・理由を書く・主語など)を確認したか
– [ ] 最初の1文で結論や答えを書いたか
– [ ] 理由や具体例を書いたか
– [ ] 文の最初は大文字、最後はピリオドになっているか
– [ ] 主語と動詞がそろっているか
– [ ] 三単現の s、過去形、複数形のミスはないか
– [ ] 綴りが不安な単語は、簡単な単語に言い換えたか
– [ ] 指定語数に足りているか(多すぎないか)
– [ ] 読み返して、意味が通じるか確認したか

親のためのチェックリスト

– [ ] 「勉強しなさい」ではなく、質問や確認で声をかけている
– [ ] 間違いより先に、できている所を伝えている
– [ ] 他の子や兄弟姉妹と比べていない
– [ ] 1回に求める量を、子どもと相談して決めている
– [ ] 英語が分からなくても、「教えて」と聞く姿勢を見せている

よくある失敗と対処法

**失敗1:型に当てはめることだけに集中して、設問とずれる**
→ 書く前に、設問を日本語で言い直す習慣をつけましょう。「何を聞かれている?」と親が尋ねるだけでも効果があります。

**失敗2:難しい単語を使おうとして、逆にミスが増える**
→ 英作文は「うまい文章」より「伝わる文章」が基本です。知っている単語で書けているなら、それで十分です。

**失敗3:1回で完璧を目指して、疲れてしまう**
→ 書いたあとに直す(書き直し)ほうが、力がつきます。最初は7割でOKと伝えましょう。

**失敗4:志望する都道府県の出題形式を確認していない**
→ 英作文は、自由英作文中心の地域もあれば、条件に沿って書く形式の地域もあります。採点基準も異なる場合があるため、**志望校の過去問と配点**を、早めに一緒に確認しておくと安心です。

まとめ

英作文の点数は、センスではなく「型」と「見直し」で安定しやすくなります。

– 英作文は「書く順番」を決めるだけで、迷いが減る
– 意見型は「結論→予告→理由1→理由2」が使いやすい
– 難しい表現より、知っている単語で正確に書く
– 親は採点者ではなく、聞き役になる
– 1日1問、1週間のサイクルで続ける

まずは今日、お子さんに「理由は2つ言えそう?」と聞いてみてください。そこから、型を使った練習が始まります。

 

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