「昨日あれだけ英単語を練習していたのに、今日小テストをしたらほとんど書けなかった」
「机には向かっているのに、成績に結びつかない」
中学1・2年生のお子さんを見ていて、こんなふうに感じたことはありませんか。つい「ちゃんと覚えたの?」「何回やったら身につくの?」と言いたくなりますよね。
でも、覚えたのに忘れるのは、お子さんの記憶力や努力不足が原因とは限りません。多くの場合、足りないのは「復習をするタイミング」です。
この記事では、英単語を定着させるための「復習日」の作り方を、親の声かけ例やチェックリストと一緒に紹介します。「勉強しなさい」と言わなくても、お子さんが自分で回せる仕組みづくりのヒントとして使ってください。
英単語を「覚えたのに忘れる」のは、ごく自然なこと
まずお伝えしたいのは、**覚えたことを忘れるのは、人間にとって普通の反応**だということです。
心理学者エビングハウスが示した「忘却曲線」はよく知られています。覚えた直後から時間とともに記憶は薄れ、特に最初の数日で大きく忘れやすい、という考え方です。個人差はありますが、「一度覚えただけでは長く残りにくい」という点は、多くの学習場面にあてはまります。
つまり、テストで書けなかったときは「やる気がない」「頭が悪い」と考えるのではなく、**「忘れる前提で、思い出す機会を設計していない」**と捉え直すほうが、ずっと建設的です。
忘れる子に足りないのは「復習日」
英単語が定着しにくい子には、共通するパターンがあります。
– 新しい単語を覚える日が続き、前の単語を見直さない
– テスト直前に一気に詰め込み、終わると手放す
– 単語帳を「眺める」「書く」ことが中心で、思い出す練習が少ない
どれもまじめに取り組んでいるからこそ起きることです。解決策は、勉強時間を増やすことではありません。**「新しく覚える日」とは別に「復習日」を決める**ことです。
復習日とは?
復習日とは、新しい単語は覚えず、**これまでに覚えた単語を思い出して確認することだけに使う日(時間)**のことです。
ポイントは次の3つです。
– 新しい内容は増やさない
– 1回の時間は短く(10〜15分程度)
– 「見直す」ではなく「思い出す」形にする
復習のタイミングの目安
復習は、忘れかけたころに行うと効率的だといわれています。中学生なら、次のような目安が現実的です。
| タイミング | やること |
| 覚えた翌日 | 1回目の確認テスト |
| 3〜4日後 | 2回目(間違えた単語を中心に) |
| 1週間後 | 3回目の確認 |
| 2週間〜1か月後 | 総復習(定期テスト前など) |
すべてを完璧にこなす必要はありません。「翌日」と「週末」の2回だけでも、何もしないより定着しやすくなります。
今日からできる復習日の作り方(5ステップ)
ステップ1:復習日の曜日と時間を決める
おすすめは、**週に2回の短い復習日**です。たとえば「水曜と日曜の夜に15分」のように、曜日と時間を固定します。
決めるときは親が一方的に指定せず、お子さんに選んでもらうのがコツです。自分で決めた予定のほうが、続けやすくなります。
ステップ2:復習する範囲を「今週覚えた分」に絞る
範囲を広げすぎると、それだけでやる気がなくなります。最初は**「今週やった単語」だけ**で十分です。1回につき20〜30語程度を目安にしてください。
ステップ3:「見る」ではなく「思い出す」形にする
単語帳を眺めるだけでは、「分かったつもり」になりがちです。次のように、**答えを隠して思い出す形**に変えます。
– 日本語を見て、英語を言う・書く
– 英語を見て、日本語を言う
– 家族に出題してもらう(親が出題役になるのも有効です)
ステップ4:〇・△・×で仕分ける
結果を次のように分けます。
– **〇**:すぐに答えられた
– **△**:少し迷った、つづりが不安
– **×**:出てこなかった
この仕分けをするだけで、「どこを勉強すればいいか」がはっきりします。
ステップ5:△と×だけを次回の復習日に持ち越す
〇の単語は、次回は間隔を空けて大丈夫です。**△と×だけを次回も出題する**ことで、短時間でも効率が上がります。「全部やり直し」にしないのが、続けるための大切なポイントです。
親の声かけ例(そのまま使えます)
声かけの目的は、やらせることではなく、**お子さんが自分で仕組みを使えるようにすること**です。
例1:復習日を一緒に決めるとき
「英単語、覚えたあとに少し忘れちゃうのは普通らしいよ。思い出す日を週に2回だけ作ってみない?何曜日ならやれそう?」
例2:復習日を始めるとき
「今日は新しいことはやらなくていいよ。この前やった分を、どれくらい覚えてるか見るだけでいいからね」
例3:出題役を申し出るとき
「お母さん(お父さん)が日本語を読むから、英語で答えてみて。間違えても大丈夫、確認するだけだから」
例4:間違えたとき
「出てこなかった単語が分かってよかったね。これが次に伸びるところだね」
例5:△や×が多かったとき
「今日は思い出す練習ができたね。×だけ、次の復習日に回そう。全部やり直さなくていいよ」
例6:〇が増えてきたとき
「先週より〇が増えてるね。やり方が合ってるみたい」
例7:やる気が出ない日
「今日は5分だけでもいいよ。×の単語だけ確認して終わりにしようか」
避けたい声かけと、言い換え例
つい出てしまう言葉も、少し変えるだけで伝わり方が変わります。
| ついやりがちな言葉 | 言い換え例 |
| 「何回言ったら覚えるの?」 | 「忘れるのは普通だから、思い出す日を作ろう」 |
| 「ちゃんと勉強してるの?」 | 「今週はどのへんまで進んだ?」 |
| 「また間違えたの?」 | 「間違いが見つかったから、次に直せるね」 |
| 「早く単語やりなさい」 | 「復習日は何時からにする?」 |
責める言葉を減らし、**「確認」「次の一手」**に焦点を当てると、お子さんも身構えずに取り組めます。
1週間のモデルスケジュール
部活や塾がある中学生でも続けやすい、シンプルな例です。
– **月曜**:新しい単語を10〜15個覚える(10分)
– **火曜**:前日の単語を確認テスト(5分)
– **水曜**:復習日(今週分+前週の×だけ、15分)
– **木曜・金曜**:新しい単語を少し覚える
– **土曜**:お休み、または5分だけ軽く確認
– **日曜**:復習日(今週分をまとめて、15分)
これは一例です。ご家庭の生活リズムに合わせて、**「復習日が週2回ある」**という形だけ守れば十分です。
親ができるサポートは「管理」より「環境づくり」
親の関わり方も、少しだけ工夫できます。
– 単語帳やノートの置き場所を決める(探す手間を減らす)
– スマホのタイマーやカレンダーで復習日を見える化する
– 出題役を引き受ける(週に1回、5分でも十分です)
– 結果ではなく「続けられたこと」を認める
親が全部を管理する必要はありません。**お子さんが自分でできる部分を少しずつ増やす**意識で見守ると、結果的に「勉強しなさい」が自然と減っていきます。
復習日 実践チェックリスト
家庭で確認できるよう、保護者向けにまとめました。
**【準備】**
– □ 復習日の曜日と時間をお子さんと一緒に決めた
– □ 復習の範囲を「今週やった分」に絞った
– □ 1回の時間を10〜15分に設定した
**【やり方】**
– □ 答えを隠して「思い出す」形で確認している
– □ 〇・△・×で仕分けをしている
– □ △と×だけを次回に持ち越している
**【親の関わり】**
– □ 間違いを責めず、「次の確認ポイント」として扱っている
– □ 出題役を手伝う日を決めた
– □ 結果より、続けられたことを認める声かけをしている
**【見直し】**
– □ 2〜3週間続けて、やりにくい点を子どもに聞いた
– □ 時間や曜日を、必要に応じて調整した
全部にチェックがつかなくても大丈夫です。**まず1〜2個**から始めてみてください。
まとめ:復習日は「忘れること」を前提にした、やさしい仕組み
英単語を覚えたのに忘れてしまうのは、お子さんの力不足ではなく、**思い出す機会が足りていないだけ**かもしれません。
– 忘れるのは自然なこと
– 新しく覚える日とは別に「復習日」を作る
– 「見る」より「思い出す」を中心にする
– 〇△×で仕分けて、△×だけ次に回す
– 親は責めずに、確認と環境づくりを手伝う
まずは今週、「週に1回、15分だけ」の復習日を一緒に決めてみてください。小さな習慣が積み重なると、「勉強しなさい」と言わなくても、お子さんが自分から動き出す土台になります。
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