「家ではちゃんと勉強しているのに、テストになると点が取れない」
「返ってきた答案を見ると、後半が真っ白。本当は解ける問題だったのに…」
中学1・2年生のお子さんを持つ親御さんから、こうしたお悩みをよく聞きます。つい「もっと勉強しなさい」「見直ししなさい」と言いたくなりますが、お子さん自身もすでに頑張っていて、結果が出ないことに悩んでいる場合が少なくありません。
実は、点数が伸びない原因は「勉強量」や「やる気」ではなく、**テスト中の「解く順番」**にあることがあります。1問目から順番に解き、難しい問題で時間を使い切ってしまうと、後半の解ける問題に手をつけられません。
この記事では、解く順番の考え方と、親が今日から使える声かけ例、チェックリストを紹介します。
点数が伸びない原因は「勉強不足」とは限らない
テストで力を出し切れていない子には、次のような特徴があります。
– 1問目から順番に解き、途中の難問で長く止まる
– 最後の大問に取りかかる時間が残らない
– 焦って簡単な問題までミスをする
– 見直しの時間がほとんど取れない
これは能力や性格の問題ではありません。**テストの解き方を、誰からも教わっていないだけ**のことが多いのです。
小学校のテストは、問題数が少なく、前から順に解けば時間内に終わる作りが中心でした。一方、中学校の定期テストは問題数が増え、後半ほど難しくなります。小学校と同じ解き方のままでは、時間配分がうまくいかなくなります。
もちろん、点数が伸びない原因が解く順番だけとは限りません。ただ、順番は**家庭で練習でき、効果を実感しやすい**ポイントです。「勉強はしているのに点が取れない」場合は、まず試す価値があります。
中学生の定期テストで起こりがちな「損」な解き方
具体的に、どんな場面で点を落としているのか見てみましょう。
**ケース1:難問に粘りすぎる**
数学の大問3で10分悩み、結局解けず。その間に、最後の大問4にあった確実に取れる計算問題を解く時間がなくなった。
**ケース2:配点を見ていない**
1点の問題に5分、5点の問題に1分、というように、時間のかけ方と配点が合っていない。
**ケース3:見直しの時間がゼロ**
最後まで解くのが精一杯で、名前の書き忘れや符号ミス、単位の書き忘れを直せなかった。
どれも「よくある話」で、お子さんが悪いわけではありません。解き方の型を知れば改善できます。
基本の型は「3段階で解く」
おすすめするのは、次の3段階の解き方です。お子さんにはシンプルにこう伝えてください。
**第1段階:すぐ解ける問題を先に全部解く**
漢字、計算、一問一答、語句など、見てすぐ答えが分かる問題から取りかかります。
**第2段階:少し考えれば解ける問題に戻る**
式を立てる問題や短い記述など、時間をかければ解ける問題です。
**第3段階:難しい問題に挑戦する**
残りの時間で、部分点を狙いながら取り組みます。
こうすると、**取れる点を確実に取ってから、難問に時間を使える**ようになります。
問題に印をつける習慣も役立つ
解く順番を決めるには、問題用紙に印をつける方法が簡単です。
– ◎:すぐ解ける
– ○:少し考えれば解けそう
– △:難しそう、後回し
最初の1〜2分で問題用紙にざっと目を通し、問題の横に印をつけます。慣れないうちは時間がかかりますが、練習すれば数十秒でできるようになります。
教科別・おすすめの解く順番
教科によって、取りかかりやすい順番は少しずつ違います。あくまで目安として、お子さんと一緒に調整してください。
**数学**
計算問題 → 小問集合 → 図形・関数・文章題の前半 → 後半の応用問題。
計算ミスが多い子は、最後に計算問題だけ見直す時間を確保します。
**英語**
リスニングがあればそれを最優先。次に単語・文法、並べかえ、最後に長文読解。
長文は時間がかかるので、先に設問に目を通すと読みやすくなります。
**国語**
漢字・語句・文法 → 読解の選択問題 → 記述問題。
記述は部分点が取れることもあるので、白紙にしないよう伝えておきます。
**社会・理科**
一問一答や用語の穴埋めを先に解き、グラフ・資料の読み取りや記述は後に回します。
今日から使える!親の声かけ例7選
ここからは、すぐに使える声かけ例です。ポイントは、「改善点を指摘する」より**「一緒に試してみよう」**という姿勢で伝えることです。
声かけ例①:テスト前に「解き方のルール」を提案する
「今度のテスト、解く順番を試してみない?先に簡単な問題から取りかかって、難しいのは後回しにするやり方なんだ」
いきなり「こうしなさい」ではなく、**実験として提案する**のがコツです。
声かけ例②:返却後に責めずに振り返る
「このテスト、どこから解き始めたの?」「時間が足りなかったところはあった?」
点数ではなく、**テスト中の様子**に関心を向けます。「なんでここ間違えたの?」と聞くと責められているように感じやすいので、質問は事実の確認にとどめます。
声かけ例③:できていた部分を先に認める
「後半の問題が解けていないだけで、前半はしっかり取れているね。ここまで解けているなら、順番を変えるだけで点数が上がりそうだよ」
自信を失っている子には、**伸びしろがある**と伝えることが大切です。
声かけ例④:1問にかける時間の目安を一緒に決める
「1問に3分以上悩んだら、いったん飛ばして次に行くのはどう?」
数字で決めておくと、迷ったときの判断がしやすくなります。時間の目安は、お子さんと相談して決めましょう。
声かけ例⑤:配点を見る習慣をつける
「配点が高い問題と低い問題、どっちを先に確実に取りたい?」
答えを教えるのではなく、**本人に考えさせる質問**にします。自分で気づいたことは、行動につながりやすくなります。
声かけ例⑥:家で「解く順番練習」に誘う
「前回の定期テスト、もう一度やってみない?今度は簡単な問題から解く順番で。時間は同じ50分で測ってみよう」
過去のテストや問題集を使い、**本番と同じ時間で順番を変えて解く**と、成果の違いを実感できます。
声かけ例⑦:うまくいったことを具体的にほめる
「今回、最後に見直しの時間を作れたのがすごいね。それで1問直せたんだね」
結果の点数だけでなく、**行動の変化**をほめましょう。新しい解き方は、続けるうちに定着します。
家庭でできる練習ステップ(1週間の例)
テスト直前でなくても、普段の勉強に取り入れられます。
– **1日目**:過去のテストを見て、問題に◎○△をつける練習をする
– **3日目**:問題集の1ページを、◎→○→△の順で解いてみる
– **5日目**:時間を測って、1教科分を本番形式で解く
– **7日目**:どの順番が解きやすかったか、親子で簡単に振り返る
1回15〜30分程度で十分です。**無理なく続けられる量**にとどめましょう。
親が気をつけたい3つのポイント
**① 順番を強制しない**
合う・合わないには個人差があります。「まずは試して、合わなければ変える」くらいの気持ちで進めましょう。
**② 結果をすぐ求めない**
新しい解き方に慣れるまで、1〜2回のテストでは点数が伸びないこともあります。変化が出るまで、見守る姿勢が大切です。
**③ 他の子と比べない**
「〇〇ちゃんはできているのに」という言葉は、やる気を下げやすくなります。前回の自分との比較にとどめましょう。
実践チェックリスト
お子さんと一緒に、できているところに印をつけてみてください。
**テスト前**
– [ ] テストの形式(問題数・時間・配点)を把握している
– [ ] 過去のテストで「解く順番」を練習した
– [ ] 1問にかける時間の目安を決めた
– [ ] 見直し用の時間(最後の5分程度)を決めている
**テスト中**
– [ ] 最初に問題全体にざっと目を通した
– [ ] すぐ解ける問題から取りかかった
– [ ] 難問で3分以上悩んだら、いったん飛ばした
– [ ] 配点の高い問題を意識した
– [ ] 最後に名前・解答欄・単位を確認した
**テスト後**
– [ ] どこから解いたか、親子で話した
– [ ] 時間が足りなかった場所を確認した
– [ ] うまくいった点を1つ見つけた
– [ ] 次回に試すことを1つだけ決めた
すべてできなくても大丈夫です。**1つでも取り入れられたら、それが成長の一歩**です。
まとめ
テストの点数が伸びない原因は、勉強量ややる気ではなく、「解く順番」という**テストの技術**にある場合があります。
– 難問に時間を使いすぎると、取れる問題を落としてしまう
– 「すぐ解ける→少し考える→難問」の3段階が基本の型
– 家庭では、責めずに質問し、「一緒に試す」姿勢で声をかける
– 完璧を求めず、小さな変化をほめる
「勉強しなさい」と言わなくても、**「やり方が分かった」「点が取れた」という体験**が、子どもの「自分からやってみよう」という気持ちを育てます。まずは次のテストで、1つだけ試してみてください。
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1. 「解く順番を変えても点が伸びにくいときは、そもそもの勉強の進め方に原因があるかもしれません。『勉強ができない子のための改善法:親ができる5つのこと』も、あわせてご覧ください。」
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